侵略してイイノ?28話 マーキュリーの悪あがき
マーキュリーの悪あがき
「……ふぅ、何とか終わったか。さてどうする? マーキュリーとやら」
私達、つまり神奈、代美、六角はマーキュリーを囲み武器を向けながら訊ねる。
「ふん! この名を冠する者として、命乞いなどしないわ」
私は縄を用意し、捕縛の体制に入ろうとする。そこに、
「お、捕縛するのか? それがよかろう。それにしても、マーキュリーが、六角に負けるとは……」
とサターンが、話に加わってきた。
「だけど、私はこの機械娘と戦いたかったわ。そして、一番の脅威はあの機械娘よね……」
と私を見てくる。それを無視するように、サターンは、
「マーキュリー、なぜ侵略に加わった? 我らの使命は世界の安寧、世界のあり方の手直し、そして、世界間戦争の調停ではなかったか?」
そうサターンが、問いただす。
「そうだけど、あんな世界見てしまうと助けてしまうわよ。だから、あなたを送るわ」
そう言って、私に指をさす。
「おい! 馬鹿、確かにあの世界に神奈は必要だろうが、今更何になる!」
しかしその言葉も虚しく、私は足から消えていくのがわかる。
「……何事だ! まさか!」




