侵略してイイノ?23話 魔力レーザー砲の管制室
魔力レーザー砲の管制室
「たどり着きましたよ! あなたですね。このレーザー砲を動かしているのは」
そこには博士のような白衣を着ている男性がいた。
「いかにもそうだが、貴様は誰だ? 此処に乗り込んでくるとは……。成程、よい、いや悪い面構えだな。目が死んでるぞ」
「そんなことはどうでもいいです。今すぐこの砲台を撤収しなさい。空間連結で異世界を攻撃するなんてもっての外です」
しかし彼は笑って、
「侵略行為のどこが悪いのかね? 歴史を見ると、どこもかしこもがやってきたことだ」
「いや悪いでしょう。資源がないのなら交易すればいい、土地が欲しいのなら未開の地を切り開けばいいじゃないですか。侵略してそこに住む人はどうなるのですか?」
「そんなもの知った事ではない。悪いというのはお前の物差しだ。俺たちは来年食う物にも困る、人は減少しているが、魔導施設を置く場所が無くなってきた。そこで出てきた議会での決定、異世界侵略。これを貴様は悪と言う。だが、あの世界を指をくわえ滅びを待つのが俺は悪と断じる。ならここは戦いしかなかろう」
そうか、向こうはもう行き詰っているのですか。ですが、
「では、私は手を抜きません。あなたの正義へし折って見せます」
「おっと、言い忘れていたが俺は今、魔力レーザーの発射スイッチを手に持っている。この意味が解るか?」
「成程……、卑怯者ですね、分かりました。卑怯者」
「ちなみにこの部屋は念話などは使えないようにしている。そのうえで、残りの兵をすべて配置した、だから救援も来ないだろうな。はっはっはっは!」




