侵略してイイノ?21話 巨体同士の決着
巨体同士の決着
ゴーレムがいる。それもかなりの巨体だ。17メートルはあるだろう。私はそれに向かって戦車を走らせていたが、途中で消された為、今はその辺に止めてあったバイクを操り向かっている。そこに代美から念話で連絡が来た。
『戦車たちの再召喚をしたよ~』
「……ああなら使わせてもらおう」
『じゃあね~』
通信は途切れ、私は歯車を使い、素材を倉庫から出す私はその素材で戦車を型作り、戦車に魂を入れ、戦車に乗り込む。戦車を自動運転に設定、巨体の元に向かう。その道中に006号がいた。
「……なぜここに?」
「神奈様との契約が切れているのは気が付いておりますか?」
「……成程、確かに切れている。しかし何故だ? 何故代美が召喚したもの、残留思念が使われている物が全部使えなくなった」
「凧に付けた観測機との観測結果をお伝えします。代美様、六角様が、マーキュリーとの交戦の際にこの町の魂で作った物をすべて消え去られました。原因は不明ですですが、マーキュリーが何かやったと考えるのが妥当かと思います」
私はそれを聞いて理解した。マーキュリー、いや、この世界を管理しているであろうエルピス達なら可能なのだろう。能力の停止は。なら私は彼女たちに勝てるとは思えない。それはこの世界の誰でもそうだろう。だが、能力が復帰したということは、誰かが彼女を負かしたことになる。一体……。
「……マーキュリーを倒したのは誰かわかるか?」
「はい、六角様です」
六角、どういう事だ? 悪魔に乗っ取られていた時はいざ知らず、今は彼女の意思で動いている。だから戦いには慣れていないと思われるのだが、それにこの世界の人間ではマーキュリーには勝てはしないはずだ。だが、もしも悪魔などがこの世界のデータにないのなら、その場合は……。
「神奈様着きました。ゴーレムにできるだけ接近した場所です」
「……分かった。後六角にこの結界を解くように言ってくれ。せめて海上面だけでもと」
「かしこまりました。それより神奈様再契約を……」
「……忘れてた。ならやっておくか」
「はい」
私たちは手をつなぎ、回路を走られる。私の力を込めて契約を完了した。
「……では、頼んだことをやっておいてくれ」
「かしこまりました」
それを聞くと私は頷いて、サターンの救援に向かった。見てみるとサターンが押されているのがわかる。しかし同じエルピスなら相手の力を止める方法があるはずだ。なのに使わない何故だ? そう考えつつ、戦車を大量に召喚。それらによる攻撃を開始、しかし、効いている様子がない。
「何よあんた達! このコンの周りから消えなさい!」
とコンと名乗った少女は手で戦車を薙ぎ払う。その時、結界の海方面が少し消えるのを確認した。
「……005号、その船から艦載機を出してくれ!」
『待っておりました。いつでも発艦可能です!』
そして大量の艦載機と戦車による攻撃が始まった。コンと名乗った少女は暴れまわるが、それより艦載機や戦車が増えるほうが早い。そして、ゴーレムは態勢を立て直して、何故か地面に両手を付けた。すると巨大少女の周りに、土の塊が地面から登ってきた。それを見て私は戦車、艦載機を下がらせた。それは彼女を覆い出れなくした。そしてその土の山はみるみる小さくなっていき、最終的には人の頭ほどのサイズになった。そして、ゴーレムの心臓辺りから飛び降りてきたサターンが、
「ほう、これは面白い。ここまで小さくなるとはな」
と山に手を突っ込みそこから小さな少女を引きずり出した。そしてそのまま岩でできた虫籠のようなものに放り込み閉めた。
「圧縮。これでお前は出られない。我らの勝ちだ」




