侵略してイイノ?12話 皐文の目に映る化け物
皐文の目に映る化け物
もうダメだ、僕はそう思いだけど顔を上げ、珠樹は逃げれたかな? と珠樹が倒れていたほうを見る。
「た……まき……?」
そこには化け物がいた。竜のような顔、背中に生えた翼と木、胴は鋼、腕はドロドロに落ち、しかし手は感覚がつながっているのか、動きを確かめるかのように閉じたり開いたり動いている。それを僕は何もできずに見ていた。
「グググガァァァァ!」
咆哮したのが聞こえた。そして僕はそれを見たまま動けなくなってしまった。それは敵も同じで、
「何ですか? あれリンのデータベースにはありません」
と震えて動かなくなった。そして、その化け物は猪のように敵に飛んで突っ込み、吹き飛んだ先の、地面から現れた手が敵を貫く。敵は声も上げる間もなく倒れた。
「グォオオオオオオ」
と咆哮した後それは、敵の多いほうに向かって行った。
「な、何だったんだろうあれ……って溶けてる!」
毒によってだろう。溶けてしまった敵を見ていたが、少しして僕は珠樹のいたところに向かう、すると、珠樹の着ていた服の切れ端とウエストポーチしかなかった。
敵の動向
「……mabm-02がやられた」
「接近戦最強のあの子が! だけど私、ピアノがネットワークを掌握している限り大丈夫だわ」
「だが補填は要る。マーキュリー頼んだ」
「英雄の扱いが荒いわね。けど、分かったわ」




