侵略してイイノ?9話 迷子の母探し
迷子の母探し
「で、あなたの名前は?」
お母さんを探す際に名前がわからないと、何かと不便だと思い名前を聞くことにした。
「あたしは奈美、犬飼 奈美だよ。お姉ちゃんは?」
「私は飯野 珠樹だよ。大丈夫、奈美ちゃん、お母さんの処に連れて行ってあげるよ」
「珠樹お姉ちゃん、ありがとう!」
「頑張って探すよ!」
そう告げると、奈美ちゃんは目をつぶり、何かに集中しているようだった。
「うーん、やっぱりお母さんの場所がわからないよ」
「? 分からないから探すんだよ。それともこの空から見えているのかな?」
と私は少し疑問に思いながら、奈美ちゃんの言葉に質問を投げかける。しかし帰ってきたのは、意外な言葉だった。
「違うの、あたし皆に不思議がられるんだけど、知っている人なら、この町の範囲ぐらい人の気配がわかるんだ。変かな?」
私は驚いた。今は奈美ちゃんを抱えているから確認はできないが多分この子は人より魔力、と言うより奇跡の力の量、奇力が多そうだと思った。
「ううん、変じゃないよ。私だって空飛んでるし。それはそうと、何処でお母さんの居場所は分からなくなったの?」
手掛かりを探すように私は奈美ちゃんに聞いてみる。
「えっと、確か神社の近くだったと思うよ。その後から分からないの」
ってことは、結界に入ったのかな? 近づきたくないけど、しょうがないよね。近くまで行って、下して戻ろう。
「お母さんの位置、大体わかったよ。じゃあ行こうか」
「うん」




