表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
六章 悪魔になってイイノ?
124/207

悪魔になってイイノ?7話 隠せなかった秘密

隠せなかった秘密


私は変身を解いて、稲さんを探して、建物の中を見て回っているが、見つからない。外にいないか見てみると、

「珠樹ちゃーん、皐文ちゃーん!」

と探して回っている、稲さんの姿が見えた。急いでそこに向かい、

「ごめんなさいはぐれてしまって……」

と合流した。すると稲さんは、

「こらっ、ダメでしょ! いきなりどこか行ったら。心配したんだからね!」

「ごめんなさい」

私がそう言うと稲さんは少しだまり、

「いいわよ。私もあなた達のこと忘れて逃げちゃったし……で、皐文ちゃんは?」

と周りを見渡している。

「え~っと、さっき神社に戻るって言って帰っていきました」

「そうなの、無事ならいいわ」

そう言うとさっきまで目指していた方向に向かって歩き出した。

「それにしても、小麦ちゃんは何処に行ったのかしら? こんな中で……」

「あの……少しいいですか?」

「どうしたの? 珠樹ちゃん改まって」

「いえ、稲さんは何故こんな町の中、小麦ちゃん探しを手伝ってくれているのかなって思って」

そう言うと、稲さんは少し黙って、

「実は私、小麦ちゃんがどんな子だったか朧気なのよ。大切な子だったっていうのは覚えている。けど……私のスマホのロック画面を見ると六角小麦を絶対探し出す。そう書いているのよ。いつ書いたか分からない。けどこれを見るといつも、探さなきゃ……ってなるのよ。だから探すわ」

「……そうなんですね」

私は迷っていた。彼女が悪魔になってしまったことを話すか話さないべきか。そんなことを考えていると、稲さんが、

「そういえば、小麦ちゃんが助けたってどういう事?」

その話を皆に話していたことを思い出し、そして稲さんも聞いてきたことを思い出した。

「それはですね、私は気絶していたので、聞いた話なのですが、詩織ちゃんが言うには私が気絶していた時に守ろうとしてくれて、その後脱出したらしいんです。だから小麦ちゃんには恩があるんです。その後に会う約束をしていたのですけど……」

「それで悪魔になったのかしら?」

「え?」

私は足を止める。私、小麦ちゃんが悪魔になったって……ああ、あの時、避難所で作戦立ててた時に言ったよね。なら聞こえていたんだ。

「じゃあ、これも小麦ちゃんのせいなのね。だって、神社の人がこれは悪魔の仕業だと言っていたじゃない?」

「違います!」

「じゃあどう違うのかしら?」

稲さんは笑っているが、すごく苛立っているのがわかる。

「えっと、悪魔違いというか」

「悪魔に魅入られる人間て,こんなにたくさんいるのかしら、それにあのライル姉妹、あの二人はどこかで見たと思ったら、私たちを拉致した子じゃない!」

「違い……ます」

「ふーん、まあそっちはいいわ。で、小麦ちゃんがこの町を襲っているでいいのね」

「……違い……ます」

彼女も気丈に振舞っているようだったが、どうやら疲れがたまりイライラしているようだった。だから私は、

「あの……少し休憩を……」

「いいわ」

私がそう言うと彼女は私の永魔のリングのついている左手を引っ張り、

「ど、どこに行くんですか?」

「あなたを小麦ちゃんに合わせてあげる」

とぐいぐいと引っ張る。

「居場所知ってるんですか? 教えてください!」

と言うと、彼女は怖い顔をして、

「あそこにいるじゃない」

と指をさす。その方向には、悪魔が大量にいた。

「あなたと会えば小麦ちゃんも正気に戻るかもしれないわよ」

と笑いながら言う。しかし目は笑ってない。逃げないと! そう思い、スタンガンを袖から出しながら、私は左手に魔力を込めて引っ張った。すると永魔のリングが抜けてしまい、稲さんは悪魔のいるほうへと尻もちをついた。そして彼女は悪魔に切り裂かれ、悪魔と化した。私はおびえ、逃げた。飛び回って逃げた。それが人の目に付くことを忘れて、一目散に神社に飛び込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ