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魔法少女でイイノ?  作者: 月読雨月
五章 戦ってイイノ?
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戦ってイイノ?23話 目覚め

目覚め


目が覚めると私はベットの上で眠っていた。横を見ると、皐文ちゃんが椅子に座ったまま寝ていた。

「あれ、私……」

確か悪魔に麻酔弾を打ち込んでそこから記憶が……。

「あ、珠樹ちゃんだ~、起きたんだ~。よかった~」

と皐文ちゃんが座って寝ている方向とは逆にいた、そして今まで寝ていたであろう、ヨダレの跡がついた代美ちゃんが私に声をかけた。

「……ああ、今起きたようだな。私も少しスリープしていたからそこまで見てなかったが」

と今度は足元から声が聞こえ、顔を上げて足元を見ると、神奈ちゃんが眼鏡を掛けなおしていた。

「というか、神奈と代美はベットから降りなさい。珠樹が狭いでしょう」

確かに代美ちゃんは添い寝していて、神奈ちゃんは足元で座り、詩織ちゃんは上のベットから声をかけてきた。

「何? この状況」

私がポカーンとしていると、皐文ちゃんが起きて、

「あ、珠樹起きたんだ! 良かったー! もうビックリしたんだよ! いきなり倒れるんだもん」

「ご、ごめんね」

と私は皐文ちゃんに謝る。だけど、あることが気になり、

「皐文ちゃん、あの悪魔はどうしたの?」

「うーん、なんか逃げて行ったよ。ふらふらしていたから、麻酔弾は効いたんだと思うけど」

皐文ちゃんの話を聞きながら、私はなぜか代美ちゃんに頭をなでられていた。その代美ちゃんが、

「多分ね~、敵の呪い返しが発動したんだよ~」

「呪い返し? けどあれってなんか、こう科学的なものじゃないの?」

そう神奈ちゃんに聞くと、神奈ちゃんは、

「……いや、あれは魔法と科学の混合した弾だ。催眠魔法に、薬による昏睡を使っている。だから相手はフラフラになりながら逃げたのだろう。そして珠樹に跳ね返しが起こったのだろう」

 神奈ちゃんの説明を聞いて、私は少し納得したが、

「でも、そんな魔法って本当にあるの?」

そう私が聞くと、答えたのは詩織ちゃんだった。

「ありますよ、ハーブと水を使った方法があります。今回はちょっとした呪いに近いものですので、それにより跳ね返ってきたのだと思いますよ」

その話を聞くと、皐文ちゃんが納得いったように、

「だから僕が触っても起きなかったのか」

「そういえば、皐文ちゃんが、他の敵って言っていたけど、どういう状況だったの?」

「あのね~、沈んだ都の魔法使い達がね、悪魔に憑かれてね~襲ってきたんだ~」

「代美、それだとあまりわからないんじゃないかな? 詳しく言うと、僕たちは、珠樹が海中に潜った後に、魔法使いの奇襲を受けたんだ。各自が迎撃にあたって、僕が一人撃破したころかな、神奈から連絡が入って、相手の魔法使いが何かに変形しているって話を聞いたんだ。直後に何かが僕の背後を取って急いで回避したんだ。そしてそちらに向き直るとそいつは悪魔だった。僕に刺そうとしていた物は何かうごめいて、それを念話で神奈に言うと、それと同じものがどこからか飛んできて、相手の魔法使いに刺さり、変化が始まったって言っていて、そんな会話をしている隙に代美のほうに向かって悪魔はそれを投げたんだ。まあそれは代美にぶつかる前に何か、何かにぶつかってはじけ飛んだんだけど、それの破片にぶつかった敵達も変形し始めて、そこに珠樹が帰ってきたんだよ」

「で、敵はどうなったの?」

そう聞くと詩織ちゃんが、

「感染していない敵はすべて倒しました。こちらの被害も船内の傷以外ありません。ただ、悪魔の手先になった者たちはすべて逃がしました。失態です」

「わかったよ、ありがとう。じゃあ、悪魔とエスキさんとプリマさんは遭ってないのかな?」

私が一番懸念していたことを聞くと、代美ちゃんが、

「うん、遭ってないと思うよ~。二人からは目撃証言来てないからね~」

といつものようにニコニコしながら答えた。私は周りを見渡すと、サターンさんとエスキさん、プリマさん、小部屋ちゃん、美智さんがいない事に気づいた。

「ねえ、後の5人は?」

そう聞くと、今度は神奈ちゃんが、

「……エスキとプリマは見回りに出ている。小部屋とサターンは話し込んでいて、その会話に何故か美智も巻き込まれていた」

 「へぇー」

「さっき見てきたら、死んだ目をしていましたが、大丈夫でしょうか……」

と詩織ちゃんが気にしていると、神奈ちゃんも、

「……あの話は私も気になった、だが珠樹の様態のほうが気になったからな、皐文は混乱していて要領を得なかったからな」

と神奈ちゃんはベットから下りつつ言う。すると代美ちゃんも、私の頭から手を放し、

「そうだね~。あの呪いも、軽いものだから~、え~っと、一時間ぐらい寝るだけだから後遺症はないと思うよ~」

それを聞くと、皐文ちゃんは立ち上がり、

「それなら良かったぁ」

胸をなでおろした。そして私はベットから起き上がり、近くにあった、チョコを食べた。

「あ、これって食べてよかったの?」

と食べ終わった後にみんなに聞くと、皆目をそらした。私は後ろから殺気を感じて、振り向くと、

「それ、あ~た~し~のっ!」

と錫杖構えた涙目の代美がいた。

「ご、ごめんね」

とあまりにもおいしかったから、もう一つに手を伸ばしていたようで、

「ああ~! もう怒ったよ~」

錫杖を私の心臓目掛けて突きを繰り出した。

「ご、ごめんねって」

回避した後で手を前に持ってきて、持っていないことをアピールした。けど私の心臓を狙う攻撃は止まず、ぎりぎりで回避していく、そこで皐文ちゃんが、

「珠樹に弁償してもらったら? ね、代美」

と声がかかり、私も、

「うん! 帰った後に絶対買って渡すから!」

そう言うと動きが止まり、

「ホント?」

とこちらにキツイ目で涙目になりながらこちらを睨みつつ、代美ちゃんが聞いてくる。

「本当だよ」

すると代美ちゃんは錫杖をどこかに消して、

「約束だよ~! 箱で3千円だよ~!」

「うん、う、うん?」

確か3千円ってお兄ちゃんが言っていた私の1日の生活費じゃ……、冷や汗がダラダラと流れる。

「これで万事解決だねっ!」

私が固まっていると、皐文ちゃんが出ていく音がした。そして詩織ちゃんも出ていきがてらに、

「そうですね。食べたのは珠樹なのですから、頑張ってください」

「ありがとね~、珠樹ちゃん」

と代美ちゃんも言いつつ出て行ってしまった。残っていた神奈ちゃんが、

「……まあ、少しづつためて買えばいいんだ。帰ってすぐとは言ってないからそこまで気負わずにやるしかないな、まあそのなんだ……がんばれ」

「うん……」


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