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第21話 「1万円」の仕事の契約
夕食時、ケンタは父から仕事についてOKをもらった。
契約成立ということだ。
しかし、母との口約束を翻されて懲りていたケンタは
約束は紙に書いておくものだと学んでいた。
紙には、仕事の内容と条件に付いて父と話し合いながら決めたことが書かれた。
住所入力は父と母の年賀ハガキ200枚。
裏の図柄も作成。
プリンターは家庭のものを使う。
プリンターのインク代は費用にいれない。
期間は週末の2日間。
報酬は1万円で、終了時に受け取る。
あとは、ケンタが仕事をこなすだけだ。
と、ケンタはこれまでのように楽観的に考えていた。
仕事は、作りだして契約してからが本当のスタート。
その意味をケンタはこれから思い知ることになるのだった。