第18話 「1万円」ビジネスの予感
ケンタは、慎重に情報収集を続ける。
「最近、住所を印刷で書いてる人も増えてるの?」
父は怪しむ様子もなく「最近は、ほとんどが印刷だな。」と返答した。
その表情からは、特に拒否反応は感じられない。
インターネットに拒否反応があっても、電子化には拒否反応はないらしい。
「うちも住所は印刷するの?」と続けて誘導する。
父の返答は「印刷してもいいが、住所入力とか大変そうだからな。それに何か専用のソフトを買わないといけないんだろう?」
これも重要な情報だった。父は会社でPC作業をしているので、ソフトは買うものという意識が強いようだ。
実際には、インターネット上で大体の情報やソフトは、ただで手に入るものだし、それができない人間はスキルが低いと見なされる。
ケンタも友達と、フリーの通信アプリを使ってタダで話しているし、モンストやパズドラなどの友達と遊ぶアプリのほとんどは、タダである。
課金は金持ちの子や大人がやるもので、友人同士で遊ぶものに課金を持ち込むのは、なんとなく格好悪い、という意識がある。
ケンタはここまでの情報から、今後の見込みをまとめてみた。
年賀状住所を代行入力する、という「ビジネス」は、大いに見込みがありそうだ。
おそらく200枚程度を入力することになるだろう。
それに年賀状の絵柄製作をサービスでつけても良さそうだ。
郵便局が提供するアプリを使用すれば30分もかからないだろう。
あとは、切り出し方だ。
ケンタは緊張で少し乾いた唇を舐めた。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
初投稿から2日経ったので、アクセス解析が使えるようになりました。
10~20人強程度の方が読んで下さっているようですね。ありがたいことです。
どんな方が読んでいるのか、内訳は気になります。
何か感想や読んだ動機などいただけると嬉しく思います。
ケンタくんの「1万円」稼ごう計画は、まもなく結果がでますが
引き続きよろしくお願いします。