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創造魔法はチート魔法でした!(仮)  作者: 作者はどうやらシカバネのようだ
第1章 旅立ちの章
14/16

成功と彼女らの過去

今回は結構長めですが、途中で妹の方の過去になっています。



13話


「はぁ...はぁ...つ、疲れた!」


魔力をあんな早さで持って行かれたんだ息が荒くなっても仕方がない。

それよりも、今気にしなきゃいけないのは...


「ふ、2人?」


そう、2人いる。


2人とも白髪(はくはつ)で多分姉妹なのだろう。姉?かもしれない女の子は、妹?かもしれない女の子を必死に守るように後ろに隠した。


妹?の方は、周りをキョロキョロと見回した後、安心したのか気を失ったようにドサっと倒れた。


2人とも顔色が悪く、血の巡りも良くないように感じる。


「え、えーと...あのー聞こえてるかな?」


「あ、貴方も私たちを虐めるの?」

咄嗟に、変な事を聞かれたので「へ?」としか言いようがなかった。


しかし、姉?の方は、それを図星と捉えたらしく

「やっぱりね!私でこいつを殺してやる!」

と、物騒な事を言ってきた。


「ちょっ!何でそうなるの⁉︎」


しかし、彼女には抵抗する力も無いようで立ち上がった瞬間ヘナヘナと倒れる。


「ちょっ、大丈夫か?」


「くっ....妹には...手を出させないんだから」

そう言うと、意識を失った。

「.....何で敵だと思われたんだ?」



取り敢えず、当初の目的は達成したので森からは抜けようと思い、2人を担ぎ上げようとすると...


「....!耳が....」


考えても見たら、俺はケット・シーのイメージをしていたのに肝心の猫耳が無い。


それもそのはず彼女たちの頭から生えていたであろう耳は切られたような、生々しい傷跡があった。


それに、体を全身に打撲や骨折など生きるのが辛そうな体をしていた。


「....もしかして、さっきの言葉は聞こえなかったかもな...」


多分この姉妹はとても酷い差別か何かを受けていたんだろう。

そう思ったシュウは残り少ない魔力で『リペア』を掛ける。


すると生々しい傷跡は無くなり、何も無かったように猫耳が生えてきた。

内出血していた体も取り敢えずは治ったようだ。


「取り敢えず、夜も明けてきそうだし孤児院に向かおう…一応耳は治したけどこの子達俺の従者になってくれるかな?」


そう言えば、召喚する理由ってステータスに知識のある奴を目的としていたんだけど忘れてたな〜

しかも何だ隠密系に将来有望なのがいいって...何考えてたんだろうあの時の俺...きっと魔法を使う事に夢中になったんだろうなぁ


そんな事を考えながらもシュウは、2人を肩に抱えて、孤児院に向かおうとする。




孤児院に向かおうとする迄は良かったが、肝心な説明ができない。

別にこの子達なら戦争孤児で何とかなるだろうと思っている。

しかしだ、俺が夜森に行ったという説明ができない。と言うわけで、まずはステータスを確認。


「『ステータス』」


〈MP〉550/2500




えーと...2人の召喚に1500魔力を消費して、リペアに10消費してるな...いきなり魔力が無くなったから怠さを感じたけど今はそうでも無いし、この魔力量くらいだったら小屋でも作れるな


今日1日は小屋にでも住んでもらって明日の朝戦争孤児を見つけたと言って孤児院に入れさせるか...


うーん、まずは、小屋を作る為には..土で固めるくらいでいいか。どうせ、1日の辛抱だし。




取り敢えず、土をかまくらのように作るイメージ

「『ストーンロック』」

森の柔らかかった土は、岩のように硬くなり子供なら4〜5人入る広さを作った。

因みに、消費魔力は0....どうやら繊細なイメージをすると消費魔力は0まで持ち込めるかもしれないという仮定が出てきた。


「さてさて、取り敢えず本格的に朝になってきたから帰らなきゃ」


2人を中において、孤児院へと向かおうとすると。

「......んんっ」

妹?かもしれない方が起きてきた。


「起きたのか、取り敢えずは身体中の怪我を治しておいたから安心して欲しい。」


不意に声をかけられビックリしたのか、驚いた表情をして、終いにはなぜか泣いていた。


「....ふっ...ひっぐっ....えぐっ...」


「え⁉︎ちょっ⁉︎大丈夫か⁉︎」

「だ...大丈夫...です。」

俺が声をかけると、少し安心した表情を見せ、泣き止んだ。

「そうか、じゃあ俺は少し離れるけどすぐに戻ってくるからそれまではそこの子と一緒にいてくれ」


そんな事を言いつつ、俺は安心させたいと思い少しの間頭を撫でる。

撫でたら少しビクッと体が跳ねていた。


「ああ、ごめん撫でられるのは嫌だったか」


「い、いえそういうわけじゃ無いんです。ただ初めてこの髪に触れられたので」

「触っちゃいけなかったかな?」

「逆です、この髪のせいで酷い目にあってきたので...」

「...そうか、でも俺はいいと思うぞその髪、純粋に君達の髪は綺麗だし」


少し恥ずかしかったのか頰が赤かった。

「そ、そんな事言ってくれたのは初めてです...あ、あの!....名前を聞いてもいいですか?」

「俺の名前はシュウ、後そんなに畏る必要は無いよ、たぶん同い年だし」


「私の名前は、シリエラです」

「早速だがシリエラ、俺は少し用事があるからここでゆっくりと待っといてくれ、じゃあ後でな」


そう言い、俺は森を後にしようとしたが


「い、いやっ!」

途端にシリエラが俺の袖を掴んでいた。その手は震えていて顔は不安な表情でいっぱいだった。

「あ....ごめんなさい....」



そんな顔をされたら、出るに出れないじゃないか



「いや、やっぱいいや!もう朝だから今行っても怒られるだけだろうし、その代わりとは言ってはなんだけど、今迄どんな風に過ごしていたか聞かせてくれないかな?」


俺がそう言うとシリエラは、


「はい!」


今度は、嬉しそうな表情でいっぱいだった。





--------------------


side:シリエラ


私の名前はシリエラです。私はあまり昔の記憶がなくいつもお姉ちゃんと一緒にいました。

私が住んでいたのは小さな村でした。


覚えているのは村人達がいつも私達姉妹を虐めてくる事だけでした。虐めの原因は、私達の髪のことらしいです。

私の髪は、昔勇者の冒険をお供していた人の1人で、勇者達は魔王を倒したものの、その白髪の人に不意打ちで殺されたらしいです。

それから、この付近では白髪の人を忌み子と言っているようです。

両親も私達の事を忌み子と言って嫌い、最初は最低限の食事を与えられていたものの、だんだんそれすら与えてはもらえませんでした。

お姉ちゃんは、私と同じ髪なので虐められていましたが、森の中に入って木の実を集めて私に分け与えたりと、必死になって生きようとしていました。


時々、身体中がボロボロになって帰ってくる時もあり、その時は転んだと言って誤魔化していましたが今思えば、村人達に虐められたんだと思います。


私は、私の事を思ってくれるそんなお姉ちゃんが大好きで

「私も手伝いたい!」と言うと。

お姉ちゃんは、「シリにはまだ危ないからダメだよ」と言います。

私達は双子なので歳は変わりません。

お姉ちゃんができるなら私もできると思いこっそりとついて行きました。


しかし、そこは森ではありませんでした。


森を抜けた先にある馬小屋のような所にお姉ちゃんは入って行きました。


私はそこで何をしているのか知りたくなり、近くに寄って見ました。


そこには、鼻がツンとするような臭いと私よりも少し上ぐらいの子供と、沢山の大人達の死体でした。


私は目眩がし、そこから離れようとしました。しかし、後ろから男の大人に捕まってしまいました。


「てめぇ、見ねぇ餓鬼だな...丁度いい、旦那が子供の死体も欲しいって言ってたんだ。こいつにしよう」


お姉ちゃんはすぐに異変に気がつき、それが私の事だと知ると


「その子は私の妹なんです!お願いします!何でもしますからその子には何もしないでください!」


私はとても悲しくなりました。私はただお姉ちゃんの為に手伝いたかったのに逆に困らせる事になるなんて。


「ライズ、放してやれ」

不意にそんな声が聞こえました。


「し、しかし旦那は餓鬼の死体が欲しかったはずじゃあ」


「ふん、そんな忌み子の体なんて触るだけで僕の手が穢れる。それよりもここら辺じゃあ見ないケット・シーの餓鬼か...ライズそいつらの耳だけを持ってこい僕は先に研究所に戻る」


「へい、わかりやした」


最初私はこの旦那と言う人のお陰で助かると思いましたが途中からとんでも無い事になりました。

「い、いや!」


私は怖くなり、男の人から逃げ出そうとしました。

「うるせぇ!」


男は私を思いっきり蹴り、私は飛ばされてしまいました。


「シリ!」


お姉ちゃんは涙目でした。きっとさっきの話で私と同じように怖くなったんでしょう。


「ごめんね...お姉ちゃん」私は、そう言いました。

男が近くのテーブルからナイフを手に取って私を地面に押し付け私の耳を....そこからは何も覚えていません。


目を覚ましたら、お姉ちゃんがいました。


顔はやつれていて、目の下はクマがはっきりと分かるほど出ていました。


お姉ちゃんは口をパクパクさせ何か言っているようですが何も聞こえませんでした。


ズキッときた頭の痛みに思わず頭を触れると包帯に巻かれている事と、耳が無い事に気付きました。


よく見るとお姉ちゃんにもありません。


私のせいなのにお姉ちゃんは、いつものように優しくしてくれました。


わたしのせいでお姉ちゃんが傷ついた事を知ると思わず泣いてしまいました。


それから数日後、村人達はいきなり私達を殴ってきました。

そんな事は、いつもと変わりませんが今回は村人全員ででした。当然20〜30人に殴られれば、気絶をしてしまいました。


私達が起きると、そこには温かいスープが鍋に入っていました。

普通はそんな事は滅多にないので、怒られる事を覚悟でお姉ちゃんを起こし2人で一緒に食べました。


私達が呑気にスープを食べていると、村人達の姿が1人も見えませんでした。

いつも石を投げる近所の子も、いつも殴ってくる村の男達も...


しかしいない原因は、はっきりとわかってしまいました。


村の入り口には、赤い体をし、ツノを生やしたオーガが立っていました。


オーガは私達でもしっている凶悪な魔物です。


村人達は、何故か魔物が来る事を知っていて私達を囮にした事を知りました。


しかし私達は、危険な事に敏感になっていた為すぐに森の中へと逃げました。


オーガは足は速くは無いですが食事も充分に与えられていない私達はすぐに追いつかれました。


お姉ちゃんは、私を庇うように前に出ていましたが、体は私にも分かるほど震えていました。


私の心臓もお姉ちゃんにも聞こえているんじゃ無いかと言いたくなるほどバクバクと、音がなっていました。


オーガが私達に手を伸ばそうとした瞬間、突然私達の下から、綺麗な光が現れました。

オーガはその光に思わず手で目を覆い隠していましたが私は、何故かその光に暖かさを感じました。


その光に私は、"お願い!助けて!"と、言いました。


その願いは聞き届けられたのか、オーガがいた筈の場所には私達と同じくらいの歳の子がいました。


もしかしたら、近くにいるかもと思い辺りを見渡しましたがオーガは見当たらなかったので、すぐに意識を手放してしまいました。



私が起きると、小さな部屋のような所にいて、丁度男の子が出ようとしていたところでした。

男の子は、私に

「起きたのか、取り敢えずは身体中の怪我を治しておいたから安心して欲しい。」


私は、心底驚きました。

この先、一生聞こえる筈のなかった音がきちんと聞こえた事。そして、この男の子が治したと言っている事に...

私は思わず泣いてしまいました。

私が泣くと彼は、心配そうな表情をし

「え⁉︎ちょっ⁉︎大丈夫か⁉︎」

と聞いてきました。私は、

「だ...大丈夫...です。」と、言った。


彼は、突然手を伸ばしたのでやはり殴られると思い思わず体がビクッと反応しましたがそんな事はしないでむしろ私を安心させるためか私の頭を撫でてきました。

私はまた驚きました。


だって、この髪のせいで虐められてきたのに、平然と触っているからです。


彼の手は、私の心を癒すように優しく触れそっと撫でていました。

その手は、最初見た光の時のように暖からを感じました。

しかし、彼は私が体を震わせた事に何か思ったのか

「触っちゃいけなかったかな?」

と言い、手を離しました。私はその事に大変名残惜しさを感じました。

話していくうちに、彼はシュウという名前だという事を知りました。

そしてシュウさんがどこか行こうとすると、とてつもない不安感に襲われました。

「い、いやっ!」

私は心の中で呟こうとした筈の言葉が出てしまいました。その後は、わかっていました。助けてもらったのに、口出しをしたんです。


また殴られるんだ....

しかし、シュウさんは一瞬困った顔をしましたがすぐに


「いや、やっぱいいや!もう朝だから今行っても怒られるだけだろうし、その代わりとは言ってはなんだけど、今迄どんな風に過ごしていたか聞かせてくれないかな?」

シュウさんは出来るだけ優しく私の言葉に応えてくれました。

私はそんな優しく声を掛けてくれたシュウさんにただただ

「はい!」

と笑顔いっぱいで答えただけだけど、シュウさんも嬉しそうな顔をしていました。


私は、これまでの経緯を話しながら心はシュウさんの事でいっぱいでシュウさんの事を考えると胸がドキドキしました。

これが、昔一度だけお姉ちゃんと一生に本の中に出てきて読んだことがあった恋というものなのでしょうか。


Twitter始めました。フォローしてくださる方は是非お願いします。

後、日間ランキングに投稿?したと思うんですがちゃんとできてるのかなぁ?(´・_・`)

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これからも 「創造魔法はチート魔法でした!(仮)」を よろしくお願いしますm(_ _)m
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