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大きな愛

作者: 陽菜、陽だまりの中に

【プロローグ】

もうヤだよ。

好きなものには嘘つかないって決めてもう1ヶ月が経った。

そう決めたJK最後の1日。

嘘つかずに新しい世界でスタートを始めた私。

全然うまくいかなくて泣いてばかり。

キミの声聞けたら頑張れるような気がした。

でもなんか傷つく方が大きくて。

いろんな失敗からいろんなこと学んでまた一歩進んで

まだまだ失敗することは多くて。


「素直になれ」なんてそんな簡単に言わないで。


【大きな愛】

あんなこと聞きたくなかったよ。


あんなこと聞かなかったら私は笑っていられたのに。

もう…好きになることだってなかったのに。


どうして。


今日も学校の帰り。

賑やかな学校からだんだん遠くなって


ギューギューな満員電車に私は心を失いそうになってた。

いつものように耳に流れ込むこのお気に入りの旋律は

私の胸をギュって掴んじゃうから


息するのも苦しいよ。


あなたのことを考えて空を見上げた。


「ねえこの空見てる?」


この声ももう届くことはないんだね。

もうこの同じ空の話もあなたには通じないんだね。


あんなに泣いて後悔して

あなたが離れていくことを怖がってた私なのに

もう今じゃこんなになれちゃったよ。


あなた以外の誰も好きになれないと思ってたのに

誰かを好きになちゃったよ。


苦しい。


でもまだね、たった一つ慣れないことがあるんだよ。

まだバイバイできないんだよ。


それが一生のさよならでも

一生のサヨナラじゃなくても


さよならの種類がどんなに違うくても

あなたの笑顔が消えてしまうこの瞬間が怖くてまだ手を振れないんだよ。


パパがあの日あなたを家まで送っていったあの日も。

あなたに手を振っても。


やっぱりあなたが見えなくなっちゃうその瞬間まであなたから目を離すことなんてできなかったんだ。

だってなんか怖いんだよ。


いつ離れていってしまうかを考えたら怖いんだよ。

この私自身の性格すら怖いんだよ


「本当は付き合えたらって考えたんだ」


そういったのはあなたなのに。


「今私が付き合おうって言ったらどうする?」


あなたを失いそうなこの恐怖に押しつぶされそうになりながらも

頑張って言ったのに。


「ごめん」


その返事なのはなんで?


そう思ったよ。

でもあなたを責めることはできなかった。


なにがだめなの?


全部答えはわかってたから。

どんなに辛くても責めることができなかった。


その答えは簡単だよ。

私がまだ女の子らしくないから


私がまだ可愛くないから


なのに…。


「あの時取り合いになって俺がとっちゃったからなあ

略奪しちゃいました」


そうやってまた私の気持ちを弄ぶんだ。


もうあの時の二人には戻れないんだってわかってるのに。

そんなことわかってるのに。


でもそんなことわかってるのに。

どこか嫌いになれないんだよ。


もう何も言わないから

せめてこの気持ちだけは大事にしたいの。


こんな大切なあなたのことを友だちに紹介なんかしなきゃよかったよ。

だって思ってもみなかったんだもん。


私に向いてたこの気持ちがあの子に向いちゃうなんか思ってもみなかったんだもん。


辛いのにあなたの恋のために私のためじゃないのに

真剣に買い物に付き合っちゃう私。


なんか変だよね。


でも心がね本気であなたの恋を応援しちゃうんだもん。

私自身だって逆らえないんだもん。


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