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教会の惨劇

「……やってきたわけですが、これはひどい。」

全然ひどいと思っていないような口調でレヴィナが言った。輝夜たちにとってはこのような惨劇の場所など慣れている。具体的にいうと、あたりには死の香りが漂っており、道や家のあちらこちらで人が死んでいた、ということだ。輝夜たちは教会に行くため、紅く染まった道を歩いていった。



その教会についたわけだが。ここでは特に死臭が強かった。輝夜たちが武器を構えている理由は、誰もいないはず(生きていないはず)の教会で台所あたりからごそごそと音がしているのだ。

輝夜たちが一気に扉を開けると、一人の修道女らしき人物がいた。

「……?この村には、私以外の者は生きていませんよ。お帰りください。ここにいてはあなたたちも……」

「うんそうなる前に帰る。ここで何があったか確かめたらね。それとすぐここを去ったほうがいい。じきに警察たちも来るだろうからね。君自身も傷だらけだし、うちにおいでよ。話も聞きたいし。」

警戒心も出さずにこにこ笑って一気に話をしてしまう輝夜に少し驚いたように聞いていた女性はおずおずと、

「私が犯人だとは、思わないのですか?」

「勘だけどね、君じゃないと思う。もし犯人だとしてもどうこうする気はないんだ。警察につかまると面倒くさいことになりそうだし、こちらとしてもあいつらの思い通りになるのは癪だからね。」

少し考えていた様子の女性だったが、結局はついてくることになった。



「で、なにがあったか話してもらえますか?」

レヴィナが話しかけ、女性は口を開く。

「はい。あ、その前に、私の名前はルレスです。すみません、話を戻しますね。

あの教会には、二人の姉妹の吸血鬼がいました。食べ物もろくに与えられず、ギリギリ生きることができることしかされていなかったんです。だから私は自分の食べ物などをこっそり与えていました。何度かそれが見つかって、そのたびに何度も殴られました。この二人の姉妹を異端としてこんなことをしても神は喜ばれないと思ったから、殴られても続けました。あるとき、妹のほうが殺されそうになりました。それを守ろうとして姉はいままでたちきれなかった鎖を断ち切って鉄格子を押し広げ、虐殺を繰り返したんです。無意識のうちに私を見逃してくれたんでしょうか、私一人だけ生き残ることができました。その後二人で連れ立って飛んでいってしまって、どこに行ったかはわかりませんが、北に向かったと思います。」

話終えて、ため息のような息をつくルレス。輝夜は軽く頷くと、

「うん、ありがとう。明日は同じようなところにいくつもりなんだ、ルレスにも来てもらいたいと思う。だから、今はゆっくりしていていいよ。部屋は開いてるから、好きなところを使ってもらって構わないよ。」

「ありがとうございます。」

微笑んで適当な部屋を選んで入っていったルレスを見送って、輝夜たちも部屋にはいる。そういえば、実際にこの出来事が起きたのは、先月の満月の晩だったらしい。もう1つの時は、新月だった。なにか関係があるのだろうか、と考えながら、ふと窓を見た。そして、小さく呟いた。

「明日は満月か……嫌な予感しかしないな……笑うしかないよアハハ……」

もう何か起こると決めつけている状態で、自分の部屋へと入っていった。


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