妖怪による被害
「……最近、妖怪絡みの事件が多くないか?」
うんざりしたように言うスナイパー。それもそうだ、輝夜や忍び影、レヴィナだってうんざりしている。レヴィナがここに来たおかげで、妖怪たちの動きがわかるようになり、警察たちの動きも把握できるようになったからだ。まず、レヴィナの事件。輝夜がやったとはいえ、レヴィナの足跡などは残っている。そのため、警察などにはレヴィナがやったことのようになっている。
二つ目は、この町から一時間ほどの村で起きた事件だ。村の全員が殺され、四肢が引きちぎられている者、首が千切れている者など、刃物の断面ではなく、腕力で無理矢理千切れたようになっていて、教会の地下深くにあった牢屋では、1つの牢を除いたすべての囚人までもが殺されており、その残ったひとつの鉄格子は押し広げられたように大きく歪んでいた。そしてそこの牢屋には小さな手形があったという。そのため、何か力の強い子供の姿をした妖怪の仕業だ、ということになった。
三つ目は、山奥の村で起きた。二つ目の事件の村と同様の殺され方で、違ったのは、一人だけ刃物で殺されている女の子がいたことだった。他の村の全員の顔が恐怖で歪んでいるのに比べ、その少女は安らかに笑っていたという。その少女の側には、鬼ユリと呼ばれる大きな赤いユリが三本まとめて置かれていたそうだ。
輝夜にはこの二つの事件の犯人までとはいかないが、動機程度なら少しだけ理解できた。あえてスナイパー、忍び影、レヴィナには言わなかったが、この三人にも理解できたようだ。まぁ警察たちには理解できなかったようだ。そのアホな警察たちにもできたことと言えば、輝夜たちの家をばらさないこと。そうすれば輝夜たちの家周辺に大混乱が起こること間違いなしだからだ。
「あのバカ妖怪たちはなにやってんのかねぇ……」
輝夜がため息と共に呟いたとき。
ドンドンッ!
「もう頭痛い。」
「「「同感」」」
輝夜がため息混じりにドアを開ける。そこには妖怪の面々。
「最近妖怪絡みの事件が多いんだけどよ……」
「知ってるよそんなこと。さっさと帰れバーカ。」
「んだと!?」
ギャアギャアと騒ぐ二人。その口喧嘩の途中で、輝夜の目に蛇妖怪が写った。他の二人は輝夜と蛙妖怪の口喧嘩に気をとられていた。蛇妖怪もそうだったのだが、その表情は哀しそうだった。
「……しゃーねーな、わかったよ帰りゃいいんだろ!」
「ああそれでいいんだよ。」
フン、と勝ち誇ったように笑う輝夜。くるりと踵をかえして帰っていく蛙妖怪の後ろにため息をつきながらついていく蛇妖怪にそっと耳打ちした。
「明日、その真相を確かめに行くつもりだ。君の考えと私の考えは同じでね、後は私たちに任せてくれよ?」
「……なぜ、私の考えがわかった?」
「顔に出てた。」
「……誰も見ていないと思って油断してしまったな……」
苦々しい表情をして他の妖怪たちを追っていく蛇妖怪を見送った後、家に入った輝夜は仲間たちと明日の計画を話すことになった。その結果はこうだ。
・明日は二つ目の事件の現場に行く。
・明後日は三つ目の事件の現場に行く。
レヴィナの情報によると、夜になって妖怪たちが戻ってくるのを恐れて現場は手付かずのままのようだということがわかった。蛇妖怪に一応は話したが、妖怪たちが動くのを止めてくれることを願うしかない。
明日に備えて早く寝ることにした輝夜たちは、それぞれの部屋に戻り、寝始めた。
次は二つ目の事件の真相を暴いていきます!




