冒険者ギルド 「サービス」
「冒険者ギルドの建物内」
冒険者ギルドの建物内には結構いろいろあるイメージがあります。親交を深めるために酒が飲めたり食事できたり。同業者との関係が重要であり、毎日命をかけている冒険者にとってはこういうものがないとストレスを発散できないでしょう。冒険者ギルドの建物のことを「酒場」と呼ぶ場合もありますし、なろうに限らず、一般的な冒険者ギルドの建物のイメージに酒場があるようです。
ちなみに、冒険者ギルドには図書館から研究室みたいな設備まで揃っているようです。そんなものを一つの建物に入れたらさぞカオスなことになることは想像できます。この機会に、どんな設備があるか考えてみます。
①ギルド職員の控室
カウンターの裏に当然あるべきものでしょう。所属する冒険者の名簿や依頼などの書類が置いてあったりしてあるはずです。休憩用にお茶が飲めるようになっているかもしれません。
②冒険者の集会所
冒険者ギルドに入ったらすぐここに入るはずです。各所には机が用意され、ロビーには職員が立っていて、依頼を受けたり完了報告をしたり出来ます。机は待ち時間を過ごすための物で、おひとりさまのものから、パーティ用の大きなテーブルと種類も多いほうがいいです。
食堂としても機能しており、夜には仕事を終えた冒険者たちがほっと一息ついて疲れをいやす場として利用します。ギルドをあげてお祭り騒ぎすることもあるかもしれません。楽しそうです。
③厨房
食事が出来るのならそれを調理する場所ももちろん必要です。通常の飲食店が店を構えるのは不公平なので、ギルドが直々に運営していると思われます。巨大な樽にビールが詰まっていたり、各種食材が並んでいる色鮮やかな光景が想像できます。中世なので衛生的な食事が味わえるかは分かりませんが冒険者の胃袋に頑張ってもらえばたいして問題ではないでしょう。
④書庫
モンスターについての研究成果がまとめられた書庫です。自由に出入り出来たら防犯上よくないので、出入り口では本を盗んでいないか確認するために受付が立っているか、またまた魔法でなんとかするかで対処する必要があります。本を読むところも専用のスペースを設けて、紛失しないようにしているかもしれません。
全ての本が揃っているか定期的に点検するのも職員でしょう。大変な仕事です。
⑤売店
冒険者が欲しい武器、防具、各種道具を取り扱う店です。しかし、さすがにこんなものまでを冒険者ギルド単体で管理するのは難しいので、商人・職人ギルドの店をギルドの横に開店させるほうが無理がありません。商人・職人ギルドからすれば、冒険者のお客を独占できるのでうれしいところです。(これについては別の回で考察します)
⑥一般人用窓口
冒険者ギルドに依頼を出したい人が入るほうの裏口です。個室が多くあり、静かな空間で手続きが出来うようになっているはずです。冒険者になりたい人の面接もここで行うことになるでしょう。
⑦倉庫
単純にギルドが保有するお金をしまう金庫があったり、普通の冒険者が自由に閲覧してはいけない本がしまってあったり、ギルド運営に関わる重要書類などの大事なものが納められるところです。魔法とかでガッチガチにガードが張ってあり、関係者以外立ち入り禁止ゾーンとなっています。
それ以外だと、普通にペンやら紙やらインクやらと備品が置いてある倉庫もあるでしょう。
⑧宿泊施設
二階にはたくさんの個室があり、とりあえず一夜を越すことは出来るようになっています。徹夜で作業した職員が眠るためにあったり。(そんな時間に外をうろつくなんて犯罪に巻き込まれる恐れ大です。中世ならなおさら)緊急事態に冒険者が仮眠をとるためにあったりです。
これは正直あっても使う機会少ないですし、管理大変ですし、なくてもいいと思います。別に宿屋に泊ればいいですし。
⑨あんなことやこんなことなど、いかがわしいことをする場所
命をかけて戦う兵隊のストレス発散のため、軍隊には必ず……な人がついてきたというのは有名ですが、さすがに冒険者ギルドにこれはさすがに……。
あっても本当に管理大変ですし……。別になくてもいいんじゃないでしょうか……。どういう仕組みのギルドにするかは自由ですが……。
⑩研究室
文字通りモンスターについてなど様々な分野を研究するところです。現役を退いた冒険者が自身の経験を生かしてやっていることでしょう。規模にもよりますが、結構なスペースをとることは間違いないので、別の建物にしておく方が無難です。
以上。とりあえずよくありそうな施設を集めてみました。これを全てぶち込んだら完璧にカオスな建物になるので、研究室とギルドは別の建物にしてみたりとかはしておいたほうがいいです。
……なんか冒険者ギルドはブラック企業で汗臭い男どもの巣窟のはずなのに結構楽しそうなところになってしまいました。まあ、こんな世界に行きたいなをテーマにする小説ならこれもいいでしょう。
逆にリアルを追求して、誰もがファンタジー世界になどいきたくないと思えるような小説もおもしろそうです。
現在の風潮からして人気を得るのはかなり難しいでしょうが。
続いて冒険者ギルドの初心者講習についてです。
ホントウニボウケンシャギルドハブラックナノカ……?
「新人にも優しい冒険者ギルド」
新人の冒険者を訓練して、基礎体力の充実や技能の習得、戦闘の知識を与えて将来有望な冒険者の戦死率を下げるのが訓練の目的でしょう。ですがそれをわざわざ実施することはあるのでしょうか。冒険者は標的がモンスターなだけの傭兵。実際の傭兵が訓練を受けるなんてことはほとんどありません。それは冒険者も同じはずなのです。
第一、冒険者はかなりの人数がいる可能性が高いです。傭兵や冒険者は、屈強な肉体さえあれば誰でも出来る仕事。平凡な人生を定められた農民が一攫千金の夢を見るためにこの世界へ介入することもあるでしょう。冒険者が増えればそれだけ一人当たりの負担が少なくなるが、それだけ儲けも減る。冒険者ギルドの運営は難航して、リストラが始まる。
そうして、基本性能が高い人しか冒険者になることは出来なくなる。もちろん訓練なんて必要ないほどの強者が揃い、訓練が必要な程度だったら冒険者になることすら出来なくなる。そんな時代がやってきてしまいます。
受けられる依頼がなくて生活に困る冒険者の物語なんて言うのもなかなか面白そうですが、そんな作品は少ないです。てか見たことないです。なろうでの標準的な冒険者ギルド像について考えるので、今回はギルド像を二つに分けてみます。
《パターンA》 訓練制度がある冒険者ギルド
・冒険者は傭兵と比べるとかなり人気のない職業であり、人が多すぎて困ることはない。
・冒険者の実力はピンキリで、実に様々なランクで分けられる。
・冒険者一人ひとりが重要な財産であるため、戦死させないよう気を使われる。
《パターンB》 訓練が必要ないギルド
・肉体さえあれば出来るのでかなり人気。人が多すぎると依頼不足になって困るため、厳しい試験で実力のない物はふるいおとされる。
・一定以上の実力を持った集団で、互いに実力を高めあう意識が強い。
・しょうもない理由で戦死なんてありえない集団なので、訓練などは必要ない。
パターンAがゲームやなろう小説でよく扱われるシステムでしょう。少しずつ強くなっていくのがランクシステムで明確に分かるためであり、主人公のことを「あの人がAランクの〇〇さんだ!」みたいにさせるのが容易だからでしょう。この場合だと、冒険者になりたい人が殺到しないようにする理由を考えることが必要です。そうでないと自然にパターンBのギルドになってしまいます。
訓練では、知識がない主人公に自然に知識を与えられる有効な手段であり便利です。訓練をこなすと身分証明書にマークがつくみたいなシステムも憧れます。冒険者ギルドの施設と言い、訓練制度と言い、中世と言うブラックの塊みたいな時代にここまでの良システムはむしろホワイト企業です。死んでも何の補償もないからブラックだと言うのは現代の感覚です。
命かける仕事選んだ以上それくらいは許してあげて!
次回はギルドで働く職員の皆さんについてです。