第十三話 ハリアー川撤退戦 両端のコボルト達
オッターハウンド要塞は、北東部に存在するウィペット要塞と同じく、コボルト技師のレオンベルガーが、クレリアの原案を元に構築した要塞である。
この要塞は移動が困難な密林の北部に位置する対オーク族の最前線基地であり、ウィペット要塞以上に強固なものとするべく、技師達の情熱の力で様々な新しい改良が施されたこの要塞は、首都であるラルフエルドの楯としての機能を担っていた。
「シバ。ここで治療できる奴は治療した。無理な奴はラルフエルド行きだ」
「有難う。ご苦労様、コーラル」
「礼は必要ない。別にお前のために働いているわけではないからな」
医務局へ説明を聞くために訪れていたシバに、白衣を着こんだ長身のエルキー族の青年、コーラルは不機嫌そうに答える。コーラルはモフモフ帝国がエルキー族に救援を求めることがなかったため、不介入の立場を取る長老から戦闘に参加することを禁じられていた。
仕方なく、彼は医者としてオッターハウンド要塞に詰めることにしたのである。
「悪いが建物一つ、病床用に代えさせてもらったぞ」
「構わないよ。必要であればコーラルに任せるから」
要塞の医務局は他の建物よりも大きめに建てられており、清潔さが保たれている。だが、余裕をもって作られた病床も、足りなくなりつつあった。
コーラルは更に負傷者が増えることを見越して病床を増やし、コボルトの看護隊でも見れる者と、自分が見なくては判断出来ない者とに区別して、負傷者の治療を続けている。
姉のターフェ程ではないが医学に精通しているコーラルは、多くの負傷者の命を救っていた。だが、彼は本質的には戦士であり、自らの手で戦えないことに鬱々と日々を過ごしている。
先ほどからの不機嫌そうな表情は、シバを苦手にしていることもあるが、その辺りの事情にも原因があった。
「不満そうだね」
コーラルの心を見透かしたようにシバは微笑む。
「オーク族はエルキー族にとっても敵だ。帝国が単独で戦う必要はなかった」
「うん。そうだよね。短期的に見れば」
「本当に嫌な奴だな。長期的には違うというわけか」
邪気のない笑みを向けるシバに、コーラルは嫌そうに呻いてから腕を組み、下を向いて思考を巡らせる。しかし、彼には理由は思いつかなかった。
それだけ、エルキー族との共闘は被害を減らすという点で魅力的である。
エルキー族の長老達が積極的に動くかは難しいところだとは彼も思っていたが。
「わからんな。だが、あの女が何も考えていないわけがないか」
「効率の良いことが全て正しいとは限らない。というところかな?」
「ふむ……まぁ、成り行きを見させてもらうさ。で、お前は出るのか?」
コーラルは肩を竦めて小さく笑みを漏らした。
シバは弓と剣で武装しており、服の上からは革製の鎧を身に着けている。
「タマに言われてね。『男を見せろ』って」
「あのイノシシ……余計なことを」
「コーラルのお蔭だよ。戦いに復帰出来る戦士が増えたから」
シバはくすくす笑い、コーラルは舌打ちをする。
「オッターハウンド要塞の守備兵を連れ、クレリアの撤退を支援する」
「わかった。要塞の事は心配するな。後、お前は怪我をしても治療しないからな」
「ようは怪我をするなってことだね。有難う、コーラル」
顔を真っ赤にしてコーラルは抗議しようとし、途中で止めてゴホンと咳払いをした。
そんな彼にシバは決意の込もった真剣な表情を向ける。
「クレリアを助けてくるよ」
「ああ。行って来い」
しっしっと追い払うようにコーラルは手を振り、シバは吹き出して彼に背中を向けた。
一方、ハリアー川の対岸では、紅に染めた革鎧に着替えた小柄なハイオーク、グレーティアが退屈そうに切り株に腰を掛けてふて腐れていた。彼女の役割はあくまで、北部の守備である。
自領ではケットシー族の指揮官、クーンが執拗に工作を続けており、彼女の部下達はその対応に掛かりきりになっていた。では、彼女が指揮している戦力は何か。
「効果はあるんだろうけど、暇すぎ!」
「仕方がありません。この戦力では」
幼さも残るグレーティアに傍に控えたコボルト、バセットは淡々と戦闘が厳しい理由を上げていく。彼女達が攻勢に出られない最大の理由。それは、彼女の指揮する兵が、バセット達を除いて非戦闘員に武器を持たせただけの見かけ倒しであるからであった。
「奴らを引き付けているだけでも、味方の助けになります」
「それはわかってるんだけどさぁ。もっとこう……がぁーっと行きたいのよ」
「危険すぎま……何かありましたか?」
座りながら我儘な子供のように頬を膨らませていたグレーティアの表情が一瞬で変化する。彼女は川の向こうに視線を向け、目を細めていた。
「空気が……変わった」
「敵に変わりはありませんが……」
「統治に関しては頭は廻るのに、こういうのには鈍いわねぇ。いかんねそんなことじゃ」
グレーティアは呆れて溜息を吐きながら、二本の剣を腰に付けて立ち上がると、彼女よりさらに小柄なバセットの頭をぽむぽむと叩く。
「敵の頭が多分変わったのよ。ま、勘だけどね」
彼女は自分に対して絶対の自信を持っていた。小柄ながらも、生命力に溢れた彼女は、つい先ほどまでのつまらなさそうにしていたことを忘れ去ったように、期待に満ちた笑みを浮かべている。
「早速偵察に行くわよ」
「しかし、戦闘は……」
「大丈夫大丈夫! 真面目だなぁ……バセットは。心の余裕も持たないと」
気分屋な面はあるものの彼女の統治は公正であり、また、種族で差別もしないため、北部では人望は高い。小柄な身体で精一杯胸を張っているグレーティアの姿に、非戦闘員のはずの者達も、武器を手に引きずられるように興奮した様子で立ち上がった。
「無理はしなくていい。挨拶したら撤退よ」
「グレーティア様……」
「バセット。あのハイケットシー以上に、戦士達に覚悟を決めさせられる奴は誰がいる?」
グレーティアの問い掛けを受け、バセットは思考を巡らせる。元魔王候補でもあるハイケットシー、ブルー以上に人望を持っている敵の幹部。
『剣聖』キジハタとタマは南部の戦線で戦っており、カロリーネは元部下はともかく、他の戦士達の士気を上げるには不足である。そして、クレリア・フォーンベルグはガベソンでフォルクマールと睨みあっている。
純粋な能力だけならエルキー族だが、彼等は公式にこの戦争への不干渉を宣言しており、帝国にいるエルキー達も戦闘に参加することはない。
「まさかっ!」
「さぁ、みんなで拝みにいきましょうかっ! 可愛いと噂の皇帝様の顔をね」
戦士の顔付きになった部下達を見回すとグレーティアは満足げに頷き、バセットに川を渡るための詳細な計画を立てさせた。
北部国境付近、ハリアー川の南側ではグレーティアの予想通り、オッターハウンド要塞の守備兵、百名ほどを指揮したシバが、直接救援に向かいたい思いを抑え、ブルーと交代して待機していた。
彼自身が最前線に行かない理由は、三つある。
一つは、切り札を使わないシバの指揮能力がブルーよりも遥かに劣ること、二つ目は、ブルーの部隊は諜報隊であり、彼らは留まるよりも動く方が力を発揮すること。
そして三つ目、最も大きな理由は、シバが命を落とせばクレリアも死ぬという点にあった。シバが最前線に立てば敵は全戦力を持って彼だけを殺せばよく、そうなった場合、クレリアの計画を自らの手で壊しかねない恐れがあったからである。
彼は自分の弱さを自覚しており、どれほどの焦燥感を抱えていても我慢することこそが、クレリアを助けることになると信じていた。
もちろん、そのような素振りは自らの民には見せない。
それは彼がこの五年で身に着けた、魔王候補としての『仮面』であった。
「シバ様、敵襲です!」
「……落ち着いて射撃。川沿いに障害物を作るから」
一瞬びくりとシバは身体を震わせ、小さく深呼吸してから命令を下す。
彼の魔法は土の精霊に呼びかけるもので、他者を傷つけることは出来ないという制限がある。その分、それを補うほどに『使える』魔法ではあったが。
戦闘に限れば、シバの魔法は援護にしか使い道がない。彼自身はそう考えていた。
「せ、先頭はハイオーク、グレーティア! 来ます!」
「コボルト隊はハイオークに集中。決して一名では当たるな」
グレーティアはシバが魔法で作った1m程の壁を易々と飛び越え、それを止めようとしたゴブリンやコボルトを両手の剣の柄で殴りつける。
続けて自分に迫る矢を軽々と打ち落とし、シバを見つけると恭しく一礼する。
悪戯に成功した少女のような邪気のない笑みを浮かべながら。
「皇帝! 戦闘を止めなさい。戦いに来たわけではないわ。無駄な死者を出すのは好みじゃないの。私はあんたの顔を見に来ただけだし」
一足で飛び掛かられない位置でシバは用心しながら、彼女の真意を測る。
帝国の戦士達は弓をグレーティアに向け、ゴブリン達はシバの周囲を固めているが、彼女は一向に気にする風も無い。
両軍の戦士達はどうするべきか悩み、至近距離で武器を向け合いながら困惑していた。
「バセット、あんた達も武器を下ろしなさい。言ったでしょう。挨拶だって」
「……本当に挨拶するだけですか?」
「他に何があるの?」
壁を迂回し、川を渡ったバセットは諦めたように弓を降ろして溜息を吐く。
「いいよ。だけど、距離は取らせてもらう」
「物わかりのいい相手で助かるわねー」
ふむふむとグレーティアは頷くと、上から下までよくシバを観察する。
食い入るように真剣な表情で、なめまわすように。
「私より低い身長……女顔、サラサラの髪……ほっそりした子供みたいな……カツラを被せれば、私のお気に入りの服が似合うかも……?」
「それで、こんな無茶までして、何か用?」
意味の分からないことを呟いているハイオークに、シバは怪訝そうに視線を向けて、問い掛けると彼女は嫌そうに顔をしかめ、シバを見つめ返した。
「あー。そうそう。いやね、うちのバセットが変なことを言っていたから、皇帝さんにも話を聞きに来たわけですよ。何故、君はオーク族に降伏しなかったのかなって。フォルクマールなら別に皇帝さんも殺さなかったと思うけど?」
「唐突だね。どうしてそんなことを聞きに?」
「だって気になるじゃない。夜眠れなくなったら肌が荒れるし? 答えてくれたら帰ってあげるわ」
不敵な笑みを浮かべ、腰に手をあて、グレーティアはそう言って胸を張る。
シバはバセットに怒りの表情を向けて弓を向けているコボルト数名に止めるよう命令すると、少し考えてから頷いた。
ここで乱戦に持ち込んでも勝てるかは不明瞭。勝てても被害は大きい。
相手が約束を破れば……相応の対応を取ればいい。
「僕はコボルト族の魔王候補だよ。族長に選ばれたのはあの事件のせいだけど、それでも僕にはコボルト族の仲間達への責任がある」
「バセットは降伏して戦争を終わらせるのが、弱っちい仲間を護る道だと考えていたらしいけど?」
グレーティアは隣に寄っていたバセットを親指で指す。
シバとバセットの視線が絡む。その光景をグレーティアは見逃すまいと目を細めて見つめていた。それこそが彼女の挨拶の目的の一つでもあった。
「グレーティア。コボルト族は確かに弱くて臆病だ。だけど」
シバの瞳に怒りの色は無い。ただ、哀しみだけがそこにはある。
バセットも感情を動かすことなく、淡々とした表情で彼と視線を合わせている。
「その臆病であるはずの僕達の仲間が、たった一名でもオーク族に抗うことを望んでいる限り、僕は逃げるわけにはいかない」
シバは思う。
クレリアと偶然出会わなければ、今のラルフエルドの姿はない。
だが、彼女と出会わなくても、最後まで戦っていただろうと。戦うといっても逃げ回るだけの無様なものだったけれど、それでも。
「馬鹿よ。貴方は」
ぽそっとバセットは呟く。
「悪かったね。僕が君の案を拒否したばかりに、嫌なことをさせて」
「貴方もいずれ仕留めて上げるわ」
パイルパーチで生まれ育ったシバにとっては幼馴染でもあるバセットは、完全に自分と違う道を選んでしまった。そう思うと、彼は込み上げるような辛さを感じる。
帝国の皇帝として、彼女を許す選択肢は恐らくないし、彼女も最後まできっと戦うだろう。モフモフ帝国に従わないコボルトの旗頭として。それが彼女の考えるコボルト族を救う道だから。
コボルト族が生き延びる芽が出た今、バセットが考えていることをシバは正確に理解していた。
だからこそ、彼は哀しんでいる。
オーク族と戦えるようにまでモフモフ帝国が成長してしまったからこそ、最早、バセットと和解することは二度と出来ない。
どちらも、コボルト族の仲間のことを考えた結果なのにと思う。
バセットがシバに降伏を促したのも一度ではない。魔王候補を巡る戦いが始まった時、その展望を一早く予想し、彼に毎日のように必死で早期の降伏を促していた。
最後は縋りついて涙を流しながら。
結果として彼女の予想通りに死の森の魔物達は争い、屍を重ね続けている。
シバにも何が正しいのかはわからない。
それでも、彼は自分の理想の帝国をみんなと築けることだけは信じている。
「なるほどね。そうなると当然帝国は降伏しないわけね」
「勿論だよ」
「答えてくれて有難う。帰ったらよく眠れそうだわ。私はあんたみたいな意地を張った馬鹿は嫌いじゃない。中々魅力的よ。皇帝さん」
感心するように話に耳を傾けていたグレーティアは、楽しそうに笑うと、引き上げるために腕を上げ、合図を送った。
「次は戦場でね」
「今まさにここも戦場だと思うんだけど」
苦笑いしながらシバはグレーティアの背中を見送る。
彼女の部下達も、駆け去っていく彼女に慌てて後をついて行った。
「あれが北部のハイオーク、グレーティアか。みんな、防衛の対策を練ろう。あれだけ素早いと、下手な準備じゃ隙を突かれてやられちゃいそうだ」
シバは呆気にとられている部下達に、彼女の対策を取るように指示すると、西の方角に顔を向ける。その表情には僅かに気遣う色が交じっていた。
対岸に戻ったグレーティアは部下から身体を拭くための布を受け取り、形の良い唇をすぼませて、下手な口笛を吹きながら機嫌良さそうに微笑んでいた。
それとは対照的にバセットは不機嫌そうに傍で座っている。
「何故あのようなことを」
「けじめは付けておかないと。あんたもやり易いでしょ。私もやり易い。とりあえず、裏切ることはないとわかったわけだし」
「お疑いでしたか」
「さて、どうかなぁ~?」
切り株に腰掛け、顎を手に乗せてニヤニヤと笑うグレーティアに、バセットは真意を掴むことを諦め、溜息を吐いた。
「質問を変えましょう。敵はどうでしたか」
「やだなぁ。そんな怖い顔しないでよ。私も初めは殺すつもりだったのよ? でも、やり合ったら、まず、負けていたから……ああ、シバ君と一対一なら負けないよ? だけど、あの子は『命令』を躊躇わないでしょうから」
「そうでしょうか」
「ええ。間違いなくね」
後ろで髪をくくっていた紐を外し、コボルトに梳いてもらいながら足をバタバタ動かして、「奴等、なかなか手強い」と、低い声でコンラートの真似をしながら笑った。
『命令』、それは魔王候補が部下に絶対の命令を与える切り札である。
その命令に、魔物は絶対に逆らうことが出来ない。その命令が、命を落とすものだったとしても。
非戦闘員が交じるグレーティアの軍では、決死の帝国軍にはまず勝てない。
彼女自身も多勢に無勢になってしまう。初めの二、三名の相手で察したからこそ、グレーティアは襲撃を諦めて一芝居を打ったのだ。部下を死なせないために。
「我ながらいい機転よね。うんうん。これで敵も下手に動けないだろうし」
「行き当たりばったりというのです。それは」
「まあまあ。私もあんな面倒な相手とは思わなかったのよ。折角、可愛いのに。あわよくば捕獲して、着せ替え人形にして遊ぼうと思ったのになぁ」
残念残念とグレーティアは首を横に振り、帝国からかっぱらってきた軍用弓を手に、面倒くさそうに立ち上がる。
「バセット、これの使い方教えてよ」
「いつの間に。構いませんが、敵はよろしいのですか?」
「倒すのはまだ無理。一両日のフォルクマールの動き次第ね。それまで暇そうだし」
小柄でハイオークとしては非力なグレーティアだが、器用さではコボルトにも負けない自信が彼女にはあった。弓は使ったことがないが、練習すれば行けるだろうと考えている。
その重要性も身を以て体験することにより、肌で感じ取っていた。
「そういえば、あの子、何だか昔のフォルクマールに似ているわね」
「そうなのですか?」
「弱っちいのに、責任感だけは一人前。全部抱え込んで……ちょっと、甘いところもあって……ああ、でも、眷属がいるんだっけか。そこは違うわね」
「はい。氷のように冷酷な恐ろしい女がいます」
氷って、そうかなぁ? とグレーティアは首をひねり、そして笑う。
「フォルクマールも、そんなのがいればもっと違ったのかもね。私はカロリーネの姉さんと違ってあいつは嫌いじゃないけど。ほんっと暗いけど案外優しいとこもあるし」
髪を後ろでくくり直しながら、グレーティアは昔を懐かしむように目を閉じる。
「誤解されてるけどいい奴だよ。伸び悩んでた私に助言をくれたし。それにすっごい賢いんだ。馬鹿兄貴を東部に送ったのだけは失敗だったけど。爺様を送っていればね……」
「まさか眷属になっても良いと?」
少しだけ驚いてバセットはグレーティアを見た。
カロリーネはそれこそ蛇蝎の如くフォルクマールを嫌っていたし、コンラートもそれ程、フォルクマールに就いては触れていない。
他のオーク族の噂も悪いものばかりである。だけど、彼女に嘘を吐いている様子はない。というよりは、彼女は嘘を吐かない。
グレーティアは落ち着かない様子で、弓を持ったまま指を絡めながら答える。
「え……? わ、私は別に構わないんだけど、私みたいなのじゃあいつは疲れるだけでしょうね。ほら、あいつって理屈っぽいじゃない? 私はあんな頭良くないし……役には立てそうにないなぁって。あ、でも立候補したら案外? なんて言ったりして。あはは。どうかな?」
「私はお会いしたことがないので、何とも言えません」
照れくさそうに笑うグレーティアに、バセットは困惑してそう答えるしかなかった。
北部戦線は双方に被害を出さず、こうして膠着状態に陥ることになる。
同時刻、ガベソンでは静観を止めたフォルクマールとクレリア・フォーンベルグがついに本格的に戦いを始めようとしていた。