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私とエロにゃんのビミューな関係のエピローグ

 エロにゃん受付嬢こと、岩下淑子さんは、今でも私と一緒にお酒を飲んだりすると、上京した時のこと、頼りにしていた夫、輝夫さんと病室でお別れした時のこと、息子、星輝くんの小学校の入学式のことの三点セットは必ず話します。


 でも、話に感情が入り過ぎてくると、その後、とても信じられないような不思議な話を始めます。

 そんな時、私は決まって彼女にこのように言います。


「宇宙人ですって? しかも夫の霊が地球侵略のエイリアンを倒したって? それから何ですって? 幽霊対決? あんた、変な小説読み過ぎてない? 頭の中でホラーとSFとコメディーがごっちゃになってるよ」


 そして、こう付け加えます。


「ねえ。エロにゃん。その話、私以外の人に話さないほうがいいよ。ねっ」


 しかし、話を熱心に語る彼女の目を見ていると、どうも私まで疑いを感じなくなってしまうので、気を付けて彼女の目は見ないようにしています。


 今日もまた、エロにゃんは感情が昂ぶってその話をして、満足そうにしていました。


「華ちゃんだけだなあ。何でも本音で好きなこと言えるのって」


「エロにゃん。それって私が鈍感ってこと?」


「違う! 違うってば! そういう意味じゃなくって……」


「いいんだって。エロにゃんも私も同じ。お互いお騒がせ人間ね。気を付けないとね……」


 今日も大好きな、『しょこらモンブランのロールケーキ』を頬張りながら、私とエロにゃんは似た者同志、仲良しこよしです。

 

 別れ際、小走りに私のもとを離れて行きながらエロにゃんは言いました。


「ねえ。華ちゃん。あたしこれから、愛する輝夫の霊とホテルでにゃんにゃんするから、明日は休むわね。会社の受付ヨロシク!」


「なにぃ? 嘘つけこのう!」


「ばれたかぁ。あのね。エイリアンと幽霊の話。半分ウソ。でも半分よ。残りは全部本当。ごめんね、ごめんね~~。はは」


「全部嘘っぱちだろう。こんにゃろ!」


 私はむきになって叫びます。


 その時、何故か怒りが笑いへと変わって、ぷっ、と吹いてしまいました。


 気が付くと、エロにゃんの夕空に響く無邪気な笑い声を、沈みかけている太陽が耳で捉えて、まるで私の代わりをしてくれているかのように真っ赤になっていました。


……今日はゆっくりお風呂入って早めに寝ようっと。明日は忙しいものね……


 足の速いエロにゃんは既に夕陽の下で米粒のようになっていました。


……あなたは信じます? この話。私はエロにゃんの話、やっぱり信じることにします。但し、くれぐれも半分だけね……


== 了 ==

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