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第二十六話「覚醒」

直視できないほどのまぶしい光りが放たれ、徐々にその光りはおさまり…

カプセル内部は排水が行われ、液体が床面から流れ出ていった。


扉が、開いた。


そこには 人間の姿を取り戻したハルカが立っていた。

開いた扉から、一歩、二歩、外へと歩き出す。


「ハルカ・・・俺が、わかるか?」

ハルカはリックハートの方を向き、答えた。


「リックハート・・・?」

「そうだ・・・俺だ。実験は成功したんだな・・・!」


春子とそっくりな顔、春子と同じ遺伝子の存在、

ハルカ・・・。


「実験・・・?成功・・・?」

ハルカは首を傾げ



次の瞬間、近くにいた兵士の首を手刀で斬り飛ばした。

何が起きたのか誰にもわからない。そこにいた人間全員が唖然とする中


「ねぇ!私強くなった!?」


無邪気に問う。

リックハートは苦痛と驚愕の表情でハルカを見つめた。

「ハルカ・・・!!!」


「私、強くなった気がする!」

研究室には兵士は20人はいたであろう。

首をもぎ、腹を潰し、壁に叩きつけ、部屋にいた人間を次から次へと殺した。

皇之介と、リックハート以外は。


「ねぇ、私強くなったよね!?これならみんなの役に立てるでしょ!?」

軽快にステップを踏みながら、嬉しそうに言う。


皇之介は叫んだ。

「リックハート、どういうことなんだ!!こんなの聞いてねーぞ!!!」

リックハートも微動だに出来ず、混乱し呟いた。

「俺にも・・・わからん・・・」


そんな二人などお構いなしにハルカは

「ねぇ、私もっと頑張るよ!そしたらほめてもらえるよね?認めてもらえるよね!」

自身の頬に血まみれの両手をあて、さも嬉しそうに ウフフ と笑う。


「ここはもうお掃除終わりだね!他の部屋行ってお仕事するぞー!」

血と臓物でまみれた研究室を出て行こうとした。


「春子!落ち着け!」

皇之介はハルカの前へ立ちふさがった。

「バカ!!死ぬぞ!!」

リックハートが近くまで駆け寄る。


「構わん!!ここで止めなくて何が父親だ!!」


ハルカは皇之介をじっと見つめ・・・

皇之介はハルカをじっと見つめ・・・


「あなたは、私の一部を愛してるの?」


皇之介は、散り散りの肉片となる覚悟だった。

わかっている。

さすがの俺でも、今のままでは彼女の力には敵わない。

「・・・ああ。父親としてな・・・」


ハルカは少し寂しそうに言った。

「いいなぁ、私にもお父さんがいたっけ・・・。こんな私でも、お父さんだけは愛してくれたんだ」


ハルカは皇之介の眉間に人差し指をあてた。


来る・・・!!

皇之介は散る覚悟をした。




「あんまり眉間にしわよせると、せっかくの美形が台無しよ?ほ~れ、しわ無くなれ~。つんつーん」


ハルカは、じゃあね~!と楽しそうに手を振り、皇之介の横を通り部屋を出た。

「お前・・・なんで無事なんだ・・・?」

「わからねぇ・・・」

頭部を粉砕される覚悟だった為、皇之介は安堵の息をついた。


「とりあえず追いかけるぞ!!」

皇之介とリックハートは研究室を後にし、ハルカを追いかけた。


「あっちだ!」

ハルカは中庭にいた。

陣形を組んで飛び掛かる兵士たちを、ハルカは上機嫌に鼻歌を歌いながら、いとも簡単に殺していく。

時に笑った。まるで殺戮を楽しんでいるかのように。


皇之介は目の前の光景に現実感が得られない。

これは悪い夢ではないのか・・・?


「春子・・・!」


自分の娘と同じ顔の、自分の娘と同じ遺伝子を持つ女性、しかしその姿はまるで鬼女・・・。


ハルカは振り返って皇之介を見ると、ニコッと笑ってみせた。

あれほど心を温かくさせた、あの笑顔が今では・・・。

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