表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

第二十五話「絶望」

大きな水槽・・・『メインカプセル』

それは主に生命維持装置の役割を持つ。

生物の力を最小限に抑え、細胞の劣化を遅らせる成分の液体が入っている。


その横にある小さい水槽・・・『サブカプセル』

素材を微粒子に分解し、生命維持装置に送り込む役割を持つ。

微粒化に必要な物質を含めた液体が入っている。


サブカプセルの蓋が開く。

眠る春子を液体の中に入れ、ウィィン・・・と小さい音をたて、閉まった。


「・・・始めるか・・・」

リックハートは、数人の研究者たちに指示を始めた。


________________________


皇之助は夢を見ていた。


うっすらぼやけているが、目の前に痩せこけた女性がいる。

自信が無さそうで、いつも目を合わせず下を向いて


(・・・懐かしいな・・・)

ぼーっとその夢に身をゆだねていたが

(・・・峰子)


「!!!」

皇之介は飛び起きた。


急いで周りを見回す。

そこはひんやりとした空気とジメジメと臭気が漂う地下牢。

愛刀は奪われたようだ。


「こんな牢屋に俺が黙って入っていると思うな!!」

皇之介は鉄格子に近づき、ふぅ、と一度息をついてから、


「せええええい!!!」

鉄格子を一発殴った。


鉄格子は大きな衝撃とともにいとも簡単に崩れる。

この城の地下牢がもろかったわけではない。

皇之介はこの程度朝飯前の怪力の持ち主なのだ。


地下牢を脱出し研究室へ走る。


周りから悲鳴や怒号が聞こえ、何人もの兵を殴り倒し・・・。

「また眠らされてたまるか!今ならアイツは研究室から離れられないはず!!」


__________________________


春子は目を覚まし、身動きがとれないことを察した。

何かの液体の中に沈められているが、不思議と息は出来る。


目の前はガラスの壁。

白衣をまとった研究員が数人、バインダーを見ながら機械を操作している。

声は聞こえない。


(父ちゃん・・・)


中心にいるのは、あの赤い恰好をした術士。

(あのひとが、むらにこなければ・・・)


一筋涙がこぼれ、続いてぽろぽろと、大粒の涙を流し続けた。


その時。

ドアが勢いよく吹き飛び、父親が部屋の中に飛び込んできた。


(父ちゃん!!!)



声は出なかった。ごぼごぼっと、口から大きな泡が出る。

目の前にあるガラスの壁に両手を当て、父に気づいてもらおうと必死にあがいた。


「春子を返してもらうぞ!!!」

邪魔な研究員を殴り倒し、皇之介は叫んだ。

リックハートは慌てることなくゆっくり振り返り・・・



「もう遅い」



春子が入っているカプセルを見つけ、飛びつく。

ガラス越しに娘と父の手のひらが重なり、目が合う。


その瞬間




____父ちゃんたすけて




春子が光り砕け散り、粒子になった。


春子の細胞は瞬時に管を通り、メインカプセルの中のハルカに移植された。


「やったぞ・・・!」


ヘドロの体内にたくさんの小さな光が輝いている。

リックハートはその光を浴びながら 期待の眼差しでハルカを見つめた。


「なんで・・・なんで・・・」

皇之介はへたりこんで


「なんでだよおおおっ!!!」

春子が入っていたカプセルを殴り、割った。

カプセルの破片が飛び、中の液体が床に溢れる。


「見つけたぞ!」

兵士がぞろぞろと現れ、皇之介を拘束しようとしたが。


「そんな奴は放っておけ。今はそれどころじゃないんだ・・・」

メインカプセルのヘドロに異変が起こる。

キラキラと輝く光りは一層大きくなり・・・。


「春子・・・」

皇之介は茫然と光を見ていた。



メインカプセルの扉が開く。

そこには・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ