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【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

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97.警護たちの反目*


 マサゴさんが引き上げるのと前後して警護の(ささ)さんと打木(うちき)さん、気更来(きさらぎ)さんと羽衣(はごろも)さんが移転の挨拶(あいさつ)に来る。


「引っ越し、終わりました」

「同じく。シフトはどうすれば(よろ)しいですか?」

「シフト……ってなに?」

「え~、六人態勢(たいせい)になりましたので三交代で二四時間警護できます」


 あ~~。まあ、警護するならそうなるのか~。相変わらず(かた)いね、笹・打木コンビ。


「別に好きにすれば良いよ? 夜は必要ない。どっちかって言うと昼間もあんまり必要ないしね?」


 (やかた)にいるうちは、警護の必要性を感じないんだけど。


「じゃ、じゃあ、私たちが~夜の警護を~いたしますぅ。むふぅ」

「いや、今言ったよね? 夜が一番必要ない、って?」


 羽衣さん、鼻息荒くなに言ってんのさ?


「す、すみません。こいつ、夜になると元気になるんで」

「夜ならば我らが適任(てきにん)寝所(しんじょ)(まも)りなら任せてもらおう」

「うむ。その通り」


 羽衣さんの自分()しを気更来さんが止めると、笹さん打木さんが立候補(りっこうほ)してくる。


「いや、寝床の番どころか夜は()らないデショ?」

「いえ、この半日お(そば)にいて、夜こそお護りしなければと思いを強めました」

「そうです。御身(おんみ)(おびや)かす危難(きなん)がすぐ側にあると感じました」


「そんな、大げさな~──」

「「大げさではありません」」

 ずずいっと二人が(せま)ってくる……。圧が強いし暑苦しい。羽衣さんは(つめ)()んでる。


「わ、分かったよ。今夜だけお二人に御願いする」

「ちょっと待った~! 言い出したのは私だよ? ぽっと出は(だま)っててもらおうか」

「ウイ、いい加減(かげん)にしろ」って気更来さんが止める。


「何おう? やはり、こやつらは信用なりません。キョウ様、即刻(そっこく)! 解任(かいにん)をお(すす)めします」


「そっちのも、バディの手綱(たずな)も取れんのか? 喜多村家警護の名折れだ」

「な、なに~?」


 気更来さんがなじられると激昂(げきこう)する。なんでこ~なってんのよ?


「「キョウ様! ご決断(けつだん)を」」

「キョウ様、長──くもないけど仲良くやってきたじゃないですか?」

「ちょっと~、(おそ)いよ」


 しびれを切らしてタンポポちゃんが呼びにくる。後ろに歩鳥(ほとり)斎木(さいき)の二人も顔を(のぞ)かせている。


「ごめんごめん。夜番(やばん)をするってさ~」

「あ~なるほど……。これは勝負で決めるしかない、わね~?」


 勝負ってまた穏便(おんびん)にすまなそうな気がするんだけど?


「それって……」

「ゲームよ!──」


 ──やっぱり。


「──(脱衣(だつい))ゲームで勝負して勝ったものを夜番にすればいいのよ」


 ほら、警護たちが困惑(こんわく)してる。それに──脱衣って幻聴(げんちょう)がしたんだけど、気のせい?


「そ、それで、どんなゲームをするので?」

「もちろん、(だい)富豪(ふごう)、しかないわ」

「「「大富豪?」」」

「そうよ。決まったら寝室に集合」


 いや、勝手に決めないでよ。タンポポちゃんが寝室へ進んでいく。


「「「おう!」」」


 警護たちもタンポポちゃんに続き、(いさ)んで部屋の奥へ向かっていく。やれやれ。


「タンポポちゃん、警護たちを()き付けてど~するのよ?」

「不平不満を()き出させて今のうちに(うれ)いを晴らしておくの」

「ほ、ほう……なるほど?」


 う~む、一理(いちり)ある、かも?



「では、始める前に。ルールは分かってる?」

「だいたい、は」

「知ってます」


 また、ベッドのヘッドボードやサイドテーブルを(さぐ)ってカードを取り出す。


 ジョーカーを(ふく)めて五三枚でやるらしい。一番強いのは(エース)。次に(エンプレス)(クイーン)(ジャック)、10……最下位は2。


 ジョーカーは(エース)凌駕(りょうが)し、ワイルドカードとしても使える。


「じゃあ、キョウ、シャッフルしてディール」

「え? うん」


 ちょっと待ってよ。なんでボクまで参加してるのさ?


「これって一体?」


 ことの成り行きが分からない護衛、歩鳥さんと斎木さんが声をあげる。


「キョウを()けたゲームよ?」

「違う! 夜番──夜の警護の担当をゲームで決めるんだってさ」

「それって、我々も参加できませんか?」


 歩鳥さん、斎木さんまで参戦したいとか。物好きにもほどがある。


「ダメ。誰が進んで夜の(いこ)いを勤務(きんむ)で過ごしたいのかワケ分かんない」


 カードを切って配り、手配を見る。まあ始めは札がバラけてるね。


「じゃ、キョウから」

「そう? んじゃ、ホイっと」

「あ! キョウ……あんたって大富豪、知らないわね?」


 手札からスペード2を出したらタンポポちゃんに(なげ)かれた……。


「え? 知ってるよ」

「勝ったことは?」

「たまに勝つ、けど?」

「はぁ~~」


 タンポポちゃんに盛大(せいだい)なため息をつかれた。なんでよ~?


 そのため息の通り、あまり優位(ゆうい)にゲームが進まず、なんとか平民で一回目を終える。


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