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【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

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96.本館の夜*


「ここで待ってるから、みんな()る準備して集合ね」

「準備、ってもね~」

「……うん」

「分かった」


「わしは先に上がるぞ」

「ど~ぞど~ぞ」

「そなた、わしの(あつか)いが軽すぎるぞ?」

「はいはい、お休み~」

「まあ、よい」



 本館二階、西のエレベーター前でみんなと分かれる。サキちゃんはエレベーターで先に上がって行く。


「あの~キョウ様、我々はどうすれば?」

「ん? もう寝てていいよ。……あ~急に移転(いてん)したから準備してくるといいよ?」

「では、しばしお(そば)(はな)れます」

「ご不便(ふべん)をおかけします」


 (ささ)打木(うちき)両人は(かた)いね。まったく不自由してないから。新任警護の二人が階段へ向かう。


「では、我らも」

「す、すぐ戻ります」

「うん、分かった」


 気更来(きさらぎ)羽衣(はごろも)、警護の二人も階段を()け下りていく。


「私たちは、もう運んでしまいましたしね~」

「そうだね」

「今夜は、私たちも遊びに行っていいですか?」

「お、おい」


 斎木(さいき)さんが()いてきて歩鳥(ほとり)さんが止めている。


「遊ぶっても何もないし、すぐ寝るよ?」

(かま)いません構いません」

「ま~、ならいいけど」

「やった!」

「……私まで巻き込むな」

「いいだろ。期待してるくせに」

「──ぐっ」


 な~に、こそこそ話してんの?


「お待たせ」

「……たせ」

「別に準備するもの、なかったわ」

「う、うん。上がろうか?」


 幼女たちが集まったので護衛と一緒にエレベーターで五階に上がる。


 部屋に入って応接室からリビングへ。荷物もついでに運ぶ。買った衣類(いるい)が主だけど。


「それじゃ。何する?」

「え~、ここ? 寝室でしようよ」

「もう行くの、寝室?」


 タンポポちゃんが寝室で遊ぼうと(すす)めてくる。


「あの~」

「なに? 斎木さん」


 斎木さんが手を()げる。


相楽(さがら)のニュース・バラエティー、()ましょうよ。昼間の騒動(そうどう)の結果? を()たいです」

「あ~。でも、つまらないと思うよ」

「そんなこと、ありませんて。ね~ね~観ましょう」


 なんでそんなに()すんだよ?


「……みんな、どうする?」

「まあ観てもいいけど」

「うん、観てもいい」

「どっちでもいいけど」


「それじゃ観てみるか……」

「それじゃ、ポチっとな」

「あっ」


 言う間に斎木さんがリビングのテレビリモコンを(さが)しだしてスイッチを入れる。


『──本日は、特別に蒼湖(おうみ)五條(ごじょう)銀行の金庫よりお送りしました。五條店長、ありがとうございました!──』

『いえいえ』

『──また少年Kの続報(ぞくほう)をお待ちください。それでは皆さん、さよ~なら~……』


「ああっ! 終わってる~!」


 番組終了を知り斎木さんが落胆(らくたん)してる。


「そうだね、終わったね~」


 良かった。……けど、また不吉(ふきつ)なことをサガラが言ってる。『続報』って、これからも粘着(ねんちゃく)されるの? ボク。


「心配するな。ネットにミラーされてる」

「──おお! そうだった」


 歩鳥さんが斎木さんに()らない助け船をだしてる。


「じゃ、じゃあボクたち、寝室にいるから……」

「行こ行こ」

「いく……」

「なにしよっか~」

「あ~、飲み物とか洗濯(せんたく)もの、お(ねが)いしとこうかな~」


 っと、遊ぶ前に片付けとかないと。


 リビングに戻って今日着たボクサーパンツとタンクトップ、エプロンドレスとヒモビキニを準備してメイドコールを押す。


「……おぅ!」

「これはこれは……」


 歩鳥さんと斎木さんが携帯の配信に夢中になってる。


「お呼びでしょうか?」

「ああ、この前の──」


 応接室で待ってると年かさの──前、来てくれたメイドさんが現れる。


「──飲み物を六人分。ボクは温かい麦茶で。それと(よご)れものをお願いします」

(かしこ)まりました」


 また、(ささ)げて受けとるメイドさん。


「昨日の、洗濯(せんたく)とかできてます?」

「昨日……でございますか? 着物(るい)はリネンの収納(しゅうのう)(あず)かっております……」

「それでパジャマとか下着は?……」

「おいしくいただきました」


 コラ~、お前もか!


「いや、あげてません。美味(おい)しくってど~言う意味?」

「まさか……下賜(かし)された……と思い……使って……しまい……ました。……で、では、これも……」


 汚れ物に(ほお)ずりするメイドさん。


(あら)って返してください!」

「──うっ!」


 って絶望(ぜつぼう)した顔しないでよ?


「わ、分かったから……早めに返して、ね?」


 パッと笑顔の花が()く。でもその笑顔がトロけてる。やめて~。


「あの……いちおう、お名前聞かせてもらっていい?」

「わたくしですか? 垂水(たるみ)マサゴと申します」

「マサゴさんね、(おぼ)えました」

「ま、まあ~……ポッ」


 いや、頬を赤らめられても……。〝覚える〟ってのは危険人物と記憶(きおく)したんだからね?


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