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【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

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93.みそぎの予行*


「あの~(まわ)り、人が集まってて(こわ)いんですけど~?」

「何ですか、あなたたち。これは神聖(しんせい)儀式(ぎしき)(の予行)なんですから。下がりなさい」


岩居(いわい)さんだけズルい。私たちも検査をお手伝いします」

「ダメです。これからヌルヌルしてあそ──お体を(きよ)めなければならないのです。下がりなさい」


 サザレさん、いま本音がもれてませんでした?


介助(かいじょ)が一人二人は必要でしょう? お願いします」

「……仕方ありませんね~」


 いや、そこで折れないでほしいんだけど?


「ちょっと待って。介助なら(ささ)さんと打木(うちき)さんにお願いします」

「「「そんな~」」」


 羽衣(はごろも)さん、斎木(さいき)さんたちが悲鳴をあげる。


「我らでよろしいのですか?」

「そ、そのような大役(たいやく)を?」


 そんなに狼狽(うろた)えなくても……。


「あなたたちが一番信頼(しんらい)できますから」

「キョウ様……」

「なんと(うれ)しいお言葉」


 聞いた笹さん、打木さんが感泣(かんきゅう)してる。それほど?


「私たちもず~っとお(まも)りして来ましたよ?」

「そうだそうだ」


 気更来・羽衣の両名が()(とな)える。


「私たちはマキナ様、直々(じきじき)依頼(いらい)を受けて護ってるんだ」

「そうだそうだ」


 歩鳥(ほとり)斎木(さいき)のご両人も反論する。(らち)()かないな……。


「分かった。順番ね? まずは笹さんと打木さんにお願いするから。これ決定」

「「「くっ……」」」


 護衛・警護の四人がしぶしぶ退(しりぞ)いて……笹さん打木さんの後ろに並ぶ。


 女性陣──たぶん使用人館で働いてる人たちも並んでいく。あの~、今じゃないから、のちのちだからね?


「ちょ、ちょっと~。妻を(あら)う、のは──」

「…………」


 タンポポちゃんが異論(いろん)を上げるけどサザレさんのひと(にら)みで(だま)り、すごすご湯船に戻っていく。


「はぁ~……サザレさん。続きをお願いします」

(かしこ)まりました。では笹は右半身、打木は左半身をお願いします。わたくしは下半身を重点的に……」

「「「ズルい!」」」


 周囲から非難(ひなん)の声があがる。


役得(やくとく)です!」ってサザレさん、言い切ったよ。


「あ、あの~。スポンジ、とかじゃないんですか?」


 ブラックボトルのソープを手に取り両手でこねている。


「素手の方がよく感じますから」

「はあ……そうですか……」


 何を感じるんだ。異物(いぶつ)のこととかだよな。


「で、では……参ります……むふ~」


 大きく息を()くと(おそ)る恐るヌルヌルの手をボクの下半身に……。その手つきがやらし~んですけどぉ。


「そなた、なぜワシに知らせぬ?」


 そんな風呂場にサキちゃんが乱入してくる。


「あ、忘れてました」


 なんか引っかかってたけどサキちゃんの(こと)だったな。なんやかやで知らせるのを忘れてたわ。


「忘れるとは何事じゃ」

「マサキ様、お静かに。今、大事なところを──大事なところです」

「お、おう。そうか?……」


 サザレさんが一喝(いっかつ)するとサキちゃんの語威(ごい)が一気に落ちる。


「わしもヌルヌルやってみたいのじゃが?」


 何言ってんの、この人。


「ご遠慮(えんりょ)ください。儀式(ぎしき)(予行)の最中(さいちゅう)です」

「そ、そうか……」


 毅然(きぜん)とするサザレさんに(しお)れるサキちゃん。サザレさんはサキちゃんにも強権を持ってるよう。


「あの~、もうそろそろ良いんじゃないですか?」

「そうですか? 念入りにやりませんと」

「そうなんですね……」


 そんなに、くちゅくちゅやられると()みるんですけど?


 そんなことより、サザレさんの表情がヤバいんですけど……大丈夫かな。


「サザレよ、やりすぎではないか?」

「そんなことは……はっ! わたくしとしたことが……」


 サキちゃん、グッジョブ! サザレさんが正気に戻ったよ。


「笹さん、打木さん、ありがとう」

「「いいえ」」

「貴重な経験をいたしました」


「サザレさん、次は?」

「泡を流したあと、お湯で体を温め、お()しものを着付けます」


 もちろん、ボクはされるがままらしい。


 シャワーで(あわ)を流してもらうと浴槽(よくそう)()かる。そこまでサザレさんの介助つき。


「どうってこと、なかったね」

「そう思うか? 後ろを見よ」

「えっ?」


 洗い場の女性のみならずお湯に浸かる人たちまでボクを見ている。


「どういうこと?」

「そなたの(にお)いじゃ。それが女を(たかぶ)らせる」

「そう? それほど、でも……」


 (となり)のサザレさんを見たら、また顔がヤバくトロけてた。


「……サザレさん?」

「はっ! 申し訳ありません。わたくしも()れているつもりでしたが……」


 (かぐわ)しい香りとキョウ──つまりボクの匂いが混じって何とも自制(じせい)()かなくなるらしい。


 サザレさんとサキちゃんが居なかったらヤバかったのか。


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