表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/194

82.チャリ──なんじゃと?*


「『ピンポンパンポ~ン』ご来店の皆様にお知らせします。ただいま暴徒(ぼうと)が店内に侵入しようとしております。落ち着いて階上へ移動をお願いいたします。繰り返します。ただちに買い物をおやめになり整然と──」


「くっ! 外は突破されそうじゃの~。キョウよ、煌国(こうこく)の存亡はそなたに掛かっておる。覚悟するのじゃ」

「そんな問題? なんか(こと)を大きくしてない?」

「はっはっはー」


 一度言ってみたかった、とぶっちゃけるミヤビ様。あのね~?


 やむなくスリングを取って試着コーナーに(こも)る。


 外では悪巧(わるだく)みが(ささや)かれている。聞きたくないけど聴こえてくる。


「それで、キョウに着せてどう突破すると言うのじゃ?」

神騎御輿(チャリオット)で行きます!」

「おう! あれか?」


 羽衣(はごろも)さんの言葉に気更来(きさらぎ)さんが(わか)って感嘆(かんたん)する。なんだよ、チャリオットって?


「チャリ……なんじゃと?」

「意味わからん……」

不双(ふそう)語でオーケー?」


 歩鳥(ほとり)さんと斎木(さいき)さんは理解できず不満をもらす。


おお雑把(ざっぱ)に言うと騎馬(きば)戦の騎手(きしゅ)をキョウ様にやっていただく」

「大雑把っていうか、そのまんまだ」

「早くそう言え」


「それじゃ馬の頭が密着(みっちゃく)度が高くて不公平だ。それに三人しか支えられなくて一人あぶれるだろ」

「待てまて。誰が三人で馬をやると言った?」

「騎馬戦の馬は三人だろ?」


「機動力を高めるため四人で馬をやる」

「なるほど……それなら……」

「どっちにしろ頭二人が得じゃないか?……」

「……う~ん」


 なんて低レベルな論争(ろんそう)なんだ。それに騎馬戦って何。学校の体育祭とかでやるアレか?


「地の利で喜多村警護の我らが頭なのは当然」

「待て! お(そば)(はべ)る我らに頭は任せろ」

「そなたら、どうでもよい。それで突破できるのであろうな?」


「もちろん。キョウ様のお姿を目にしたものはその神々(こうごう)しさに吐血(とけつ)して戦意喪失(そうしつ)すること間違いない! たぶん」

「「たぶん、かよ!」」


 羽衣さんの言い分に歩鳥さん、斎木さんが突っ込んでる。吐血ってなんだよ! ボクって血を()くほど見たくないってこと?


「ま、まあ、屋上に逃げてもジリ貧だ。キョウ様の威力でなぎ倒そう」

「仕方ない」

是非(ぜひ)もなし」

「破れかぶれ」


 ちょっと~、いま看過(かんか)できない言葉があったけど?


 しかし、こんな姿を見せたからって威圧(いあつ)できるかな? むしろ呼びよせるんじゃあ?


 姿見で確認する……。あ~、自分でもくらくらする。


「ほんとにやるの?」


 カーテンのすき間から顔だけ出して()いてみる。


 着替えておいてなんだけど……。食い込んでるし、はみ出てるしスケスケだし……死にたい。


「ちょ、ちょっと見せてみよ──ふぐっおっ!」

「ミ、ミヤビ様?!」


 倒れかかるミヤビ様を護衛が支える。


「何やってんです……うぐっ!」

「おいおい──ふぬぅううっ!」

「お前らオーバーなん──ぐはっっっ!」

「なんだよ~、ヒドい! 着替えさせといて!!」


 ボクを見てみんなが倒れた。


「た、確かに……これは……最(キョウ)……最終兵器(スーパーウェポン)。いや、完殺兵器(リーサルウェポン)、じゃ」

「そんなに~?」


 こんな姿(さら)したんじゃ、ますます外を歩けなくなる。「あの」に「痴態(イタい)」って付けられるよ?


「歩鳥、斎木よ。頭は任せる。とても我らでは……」

「ダイジョブか? 後ろを取ってもかな~りヤバめ、だぞ?」

「くっ。頭の()くに任せて付いていくだけだ」


戸隠(とがくし)角師(かくし)。我らの露払(つゆはら)いをせよ」

「はっ! (おお)せのままに」

御意(ぎょい)!」

「我らも加えてください」


 ミヤビ様が直参(じきさん)の護衛に(ちょく)を下すと、特殊部隊な人たちも加わると表明する。


「そうか、やってくれるか?」

「「はい! お(まか)せください」」

「では、頼む」


 護衛の二人がミヤビ様にひれ伏し、特殊部隊な人たちも(なら)っている。


 やっぱ、やるんだ、ね?


「じゃ、じゃあ出るからアッチ向いてて……」


 他所(よそ)を向いたのを確認して試着コーナーから出る。でもコレって支払い終わって無いけど良いのかな~?


「斎木」

「おう! 歩鳥!」

「おう! やるぞ」


 変な気合いの元、護衛の二人が並んで(かが)む。


「やるか」

「おうよ!」


 その二人が後ろに伸ばした手を(うつむ)いた喜多村警護の二人が取る。


「じゃ、じゃあ……乗る、よ?」

「おう!」

「バッチこい!」

「や、優しくお(なが)い、します……」

「いや、それはおかしい。まあ、いいけど」


「キョウ、きれい」

「キレイ……」

「ちょっと、写真を……」

「タンポポちゃん、やめて。見たら悶絶(もんぜつ)。いや、悶死(もんし)できる」

「ちぇっ、一枚だけ」


 一枚だけでもヤ~~!


五神(ごしん)合体! 神騎御輿(チャリオッツ)・ア・ゴー‼」


 四人編成の馬に乗ると羽衣さんが変な掛け声をかける。


 それもやめて?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ