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【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

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78.煌家と喜多村家*


 (とうと)きお方って……サキちゃん、もっと分かりやすく言ってよ。


「そなた、食事中になんじゃ。携帯なぞ触りおって……」

「すみません。ちょっと早急(さっきゅう)に調べないといけないことが……」

「あとにせよ。携帯は逃げぬぞ?」

「あ、はい……」


 サキちゃん、なんでこんな時に居ないのさ。


 砂を()むような気持ちで食事を終え、検索サイトにアクセスする。


煌家(こうけ) ウィキ〟っと。


「家系図、嫡出子、二十代なかばだよな……。ええっと……その年代には……煌太女(こうたいじょ)羽徳(はのり)様?」

「なんじゃ?」


 声の方を向くとミヤビ様がいる。返事して欲しくなかったわ~。


「なんでもありません」

「その名を、人前で呼んではならんぞ。お忍びゆえ」

「は、はぁ~?」


 お忍び? (きら)めく純白のスーツに仮面舞踏会の仮面して「お忍び」?


 ご自分もじゅうぶん発展的とお見受けいたします。


 ああ~今度は頭、痛くなってきた……。


「何なに……ご学友に……喜多村(マキ)……()……」

「そなた、(たましい)が抜けたような顔をしておるぞ?」


 ()って欲しくなかった名前が見えた。


 今度は〝喜多村 系譜(けいふ)〟で検索してみる……。


〝その源流は五條(ごじょう)家に(さかのぼ)り……(略)……次第に勢いを失くし、傍流(ぼうりゅう)であった喜多村家が商業界で隆盛(りゅうせい)(ほこ)り……(略)……五條といえば喜多村家を指すに(いた)る。


 元は堂上(どうじょう)家で摂政(せっしょう)関白(かんぱく)輩出(はいしゅつ)、華族の流れを()み(略)──〟


「あかんでしょ」(✳️ダメでしょう)

「何がダメなのじゃ」

「いえ、喜多村家ってすごい……お貴族様だったんだと」

「わが国に貴族など居らん」

「まあ、今は、そうなんでしょうけど……」


 そんな家の人が、なんでボクを(ひろ)ったの? 


 それに、五條……。なんか聞いたことある名前。気のせい、だよね? 字が違うし。


「まあ、考えても仕方ない」

「そなた、何やら燃え()きておるぞ?」

「はい……。(はい)のようになりました」

洒落(しゃれ)か?」

「はあ、そうですね。皆はこのあと、何がしたい」


 気持ちを切り替え、みんなに今後の要望を()こう。


「買い物?」

「う~ん……」

「お菓子?」


「だいたい、買い物でいいか。二階のファッションフロアーでうろつこうか? ボクも服を(そろ)えたいし」

「分かった」

「うん」

「うろつくのであれば、各階を回って下りて()かぬか?」

「それもいい」


「あまり長居すると迷惑がかかるので今回は服だけにしましょう」

「そうなのかや?」

「仕方ないわね?」

「分かった」

「うん」


 皆の同意を取り付けた。あとは……


気更来(きさらぎ)さん、まだエスカレーターで行けそう?」

「おそらく」

「じゃあ、出ようか?」

「うむ」

「「は~い」」

「うん」


 食事の精算になって、(おご)ると豪語(ごうご)した羽徳(ハノリ)──ミヤビ様はお付きのサイフ(だよ)りだったようで、代わりにボクが(マキナのサイフで)支払った。



「皆、あまり離れたり遠くに行っちゃダメだよ~」

「分かってるわよ」

「うん」

「大丈夫、大丈夫」

「わらわが選んでやろう」


 それは御免(ごめん)(こうむ)りたい。ファッションフロアーに下りて、普段着やナイティーを物色する。


「そなた、あちらに下着があるぞ?」

「取りあえず、パジャマ、部屋着が欲しいので……」

「ならば、あとにするか」


「少年Kは、普段着や寝間着を物色しております──」


 まだ居たんだ。ひつこいな、サガラ取材班。


「──是非(ぜひ)とも、試着された方が良いです。そのお姿をカメラに収めたいのです」

「なんでそんなこと、しなきゃいけないの?」

「そりゃもう、K様がお()しになったなれば(ばく)売れですから──」


 ちゃんと取材許可もらってある、と宣言する。もう、サキちゃんの仕業だ、決定。


 勝手に許可したからってボクが聞く必要はないからね?


「──それにお召しの物は、こちらの商店から譲渡(じょうと)されるそうですよ?」


 ピクッと(まゆ)が上がる。


 何だって~。ぐぬぬ~。誰がそんな()()なんかに……釣られちゃった、てへっ。


 試着コーナーの前、照明とスチルカメラマンの前で一人ファッションショー(まが)いをやらかした。


 着替えて出て、撮影。部屋に戻って着替えて出る、のルーチンワーク。


 ──死にたい。


「良いヨ~良いですヨ~、笑ってキョ──K様」

「遠藤、ちゃんと撮れてる?」

「もう、ばっちりです!」

「よしよし」


 サガラは護衛の作る(さく)の外で近くに寄らせない。


「こちらをお持ちください」

「あれ? 新品の服?」


 撮影が終わると未開封のパッケージを渡される。


「試着した服は?……」

「スタッフが美味しくいただきました!」

「返せ!」


「そなた、乗り乗りであったではないか?」

「うっ」


 そうなんだ。イヤイヤやってたけど、カメラマンが乗り乗りに乗せるので(しま)いにはポーズなんか取ってた。


 サガラ取材班は次に行った下着コーナーまで付いてきて、ボクを口八丁手八丁で転がして、また試着ショーをさせられた。


「そなた、これ! これ!」


 煽情的(エモーショナル)な下着をミヤビ様が選んでくる。


「キョウ、これも可愛い」

「これ」

「これも、これも」


 幼女ーズもピンクや紅い下着を見つけて持ってくる。


 試着した肌着は死守するつもりが、手放さないとタダにならないと泣く泣く渡した。


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