表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/194

68.お休みの儀式*


「決まったわ!」


 ベッドで立ち上がったタンポポちゃんが宣言する。


「うん。それで何すればいいの?」

「お……」

「お?」


「お休みの……」

「お休みの?」


「お休みの、キス、する!」

「……それで?」


「──それで、って何よ」

「いや、キスともう一つは?」


「もう一つ……。ちょっと、どうする?」

「ん~??」

「わかんない……」


 幼女ーズが、また話し合いだした。決めたのは一つだったらしい。


 ちょっと、埒が明かなそう……。


「──分かった。もう一つは今度にしよう。暗くするからベッドに入って」

「わ、分かった」

「うん」

「分ったわ」


 部屋を暗くしベッドの前で最後の一枚を脱ぐ。ヘッドボードにローブやシャツとまとめて置く。


 それを見て、皆も(あわ)てて脱ぐ。皆は脱がなくてもいいからね?


 まあ脱ぐのはいいけど、そこら辺に放り投げるのはやめて。


 一つひとつ拾い集めて、みんなのシャツやキャミソールとまとめておく。


 かけ布団をめくってベッドに入る。みんな、そんなに見られると恥ずかしい。


 並んだ皆の真ん中へ移動する。


「一番は、タンポポちゃん?」

「そ、そうね。──」


 珍しく考えている。


「──いや、アリサが一番だったからアリサ」

「えっ? わたし」

「じゃあ、アリサちゃん──いや、アリサ、お休みなさい」


 チュッと音を立ててほっぺにキスした。


「はぅあ~。でも、ほっぺじゃなく、お口にして?」

「おませさん。じゃあ……お休み」


 軽く(くちびる)に唇を添えるように口づける。


「ふんぬぅあ~──」


 脱力してアリサが眠った……。眠ったの?


「じゃあ、マナちゃんもお口?」

「うん」

「じゃあ、お休みなさい、マナ」


 マナちゃんにもチュッと口づける。


「んふぅ~」


 マナちゃんも満足して眠った……よね?


「はい、タンポポちゃん、こっちへ──」

「う、うん──」


 タンポポちゃんをボクの上で抱きかかえる。心臓の激しい鼓動に合わせて体が跳ねている。


「タンポポ、お休み」

「お休み、キョウ。──」


 タンポポちゃんにも軽く口づける。


「──ふにゃ~」

「あらら……」


 タンポポも即行、眠った。眠った……んだよね?


 昼間と同じ体位でボクたちは眠った。地味にタンポポちゃんが重いけどね。



 蒸し暑くて目覚める。当然、分かってたけどね! 皆を起こさないようベッドを脱ける。


「キョウ……おしっこ……」


 しまった、起こしちゃったか。寝る前にトイレ行っとけば良かったね?


 でも、もらす前にちょうど目覚めて良かった。


「トイレ、行こうか?」

「うん。もれる」

「ええっ? たいへん」


 服を着せて……と思ったけど、かなり切迫してたみたい。キャミソールを被せて、ボクもローブを羽織る。


 マナちゃんをトイレに連れて行く。もちろん、抱えて小走りする。


 トイレの個室に入るとマナちゃんを降ろす。


「キョウも一緒」

「一緒って……一人でできるよね?」

「こわい……」

「もう、しょうがない」


 便座に座らせよそを向く。おトイレが豪華でふたりでいるのに充分広くて良かった。


 でも、ローブの袖を握られてあまり離れられない。


「終わった?」

「うん」


 水音が途絶えたので聴いてみる。


「ちゃんと拭いた?」

「拭いてない」

「ちゃんと拭いて?」

「キョウが拭いて?」


 いや、それは、ちょっと……。


「ボクが拭いていいの?」

「うん」

「分かった……」


 ……はあ~、なんか保父さんになった気分だ。


 適度にまとめたトイレットペーパーでマナちゃんのあそこに当てる。


 三回ほど繰り返すと、湿り気が無くなった。


「はい、終わり。帰ろうか」

「うん……。だっこ」

「あー、はい」


 マナちゃんをだっこして部屋に戻ると、ベッドの近くでアリサちゃんが足踏みしてた。


 まさかの二連続か。体が冷えてボクもしたくなってきた、おしっこ。一応、アリサちゃんにも聴いてみる。


「アリサちゃん、もしかしておしっこ?」

「うん、キョウ、連れてって」

「分かった。マナちゃんは寝ててね?」

「うん」

「じゃあ、アリサちゃん、何か着て」

「分かった」


 マナちゃんをベッドに上げ、アリサちゃんが着る間にペットボトルを(あお)る。


「妙な味なんだよね~、これ」

「キョウ、もれる~」

「はいはい」


 アリサちゃんを抱えてトイレに急ぐ。


 そして、またトイレから(のが)してくれない。


 夜のトイレはこわいからね~。寝る前のトイレを失念(しつねん)した自分を(うら)む。


「終わった?」

「うん」

「ちゃんと、拭けた?」

「うん」

「じゃ、返ろう」

「うん」


 アリサちゃんを抱えて部屋に戻る。


「キョウ、遅い!」

「どうしたの? タンポポちゃん」


 部屋に戻るとタンポポちゃんまでベッド横で足踏みしてた。


「おしっこ……」


「まさか」ってあるのね? 十才(とお)は一人でトイレに行ってよね?


 タンポポちゃんに肌着を着るよう言って、またボクはペットボトルを(あお)る。


 ん~、まずい。


「着たわ。早く早く!」

「トイレまで我慢できる?」

「ギリギリ」

「分かった」


 またしてもタンポポちゃんを抱えてトイレへ急ぐ。


「外にいるから終わったら教えてね?」

「うん」


 タンポポちゃんを個室に押し込む。はあ~、深夜のトイレに二人っきりって緊張する。ボクもおしっこしよ。


「キョウ、いるの?」

「いるよ。隣でおしっこしてる」

「そ、そう」


 静寂の中、長い沈黙。夜のトイレはやっぱり怖い。


「終わったわ」

「あ、うん。ボクも終わるから、ちょっと待って」

「うん……」


 ん~、なんか残ってる感じだなあ~。まあ、もう出ないし、いいか?


「お待たせ。返ろうか?」

「うん」


 二人、手をつないで部屋へ返る。


 部屋ではマナちゃん、アリサちゃんが待っていてくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ