表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
3.喜多村本家に居候

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/194

49.喜多村家の本館へ*


 スイングドアの先の廊下(ろうか)迎賓(げいひん)館と違って新しい(つく)りだ。


 壁紙の()られた壁に所々にある窓はサッシで仕上げられている。


 その廊下を経て本館らしきところへ着く。(さかい)の扉は開けっ放しになっているから、たぶんそう。


 日中は利便性が優先で、開け放たれているのかも知れない。


 本館の廊下は黒い木でできた骨組みに白い漆喰(しっくい)()られた壁で、迎賓(げいひん)館と似ている。


 造りも迎賓館と同じだろう。


 物珍しくて見回していると、あとから付いてくるサキちゃんの視線が目に入る。


 (うら)めしそうにボクの手を見ていた。皆に手を引かれているからだろう。


 一つ目の部屋はホールタイプの部屋。


 こちらも食堂にしたりしているのか長いテーブルが()えてある。


 使った様子は(うす)いので各自の部屋で食べている方が多いんだろう。


 反対側にはエレベーター、階段、食器( だな)の部屋。


 その(となり)に小さな部屋。長テーブルが据えられていて、荷物も散見する。


 使い込まれた感じで、使用人たちの休憩室にも使われている物置なんだろうか?


 進んで警備室があり、その先には玄関ホールというかエントランス。


 エントランスの地続きに小さな門があり、そこはシューズラックが並んだ小部屋になっている。


 まあ、下駄(げた)箱の部屋だね。


 そこから抜けるように(もう)けられた小さな門があり、その先にも小部屋が(こしら)えられている。


 そこはクローゼットになっていて、そこで脱いだコート・外套を預けるみたい。


 そこら辺りの向かいにトイレがある。その隣には脱衣場になっていて奥にはお風呂がある。


 それを確認したボクを、風呂へ引き()り込もうとするタンポポちゃん。


 ()ごうとしてるアリサちゃん、脱ごうかためらうマナちゃん。


 君たちどうして、そうも風呂に入れたいんだよ。


 脱衣場で(ひざ)を突き合わせて座り、懇切(こんせつ)に説明・説得を重ね、夜のお食事の前に一緒に入ることで妥結(だけつ)をみた。


 その様子を見ていたサキちゃんが苦笑い。


 そして、やっぱりある遊戯室(プレイルーム)、規模でかい。そこには子供たちが遊べるようなものはなかった。


 リズム系ビデオゲームがあったけど、まだ皆には早そう。


 その先の(はす)向かいに大きめの部屋がある。そちらは小規模なシアターのよう。


 先に進んで、また階段とエレベーターがある。


 その先は行き止まりで、勝手口らしきものがある。ドアを開けて外へ出てみると遊歩道になっているようで、緑あふれる庭につながっている。


 階段に戻って上の階に登ってみると居室が並んでいる。


 先へ歩いて行っても同じような造りの部屋のよう。


 中ほどまで行くと「ここが私の部屋」とタンポポちゃんが教えてくれる。


「ほぅ~……ってマナちゃん?」


 ボクが入って行こうとするのをマナちゃんが止め、手を引っ張って行く。


 引っ張られて行った先がマナちゃんの部屋らしい。


 ちょっと見ても同じような部屋だ。


「ちょっと~ちゃんと見ていきなさいよ~」とタンポポちゃんが追いかけてくる。


「次はアリサの部屋」と自分の部屋へアリサちゃんが引っ張って行く。


 各部屋を(のぞ)いみて、タンポポちゃんの部屋に戻ってくる。


「さて、何して遊ぶ?」と、タンポポちゃんが訊いてくる。


「まだ、見て回ってないよ?」


「もう何もない」


 アリサちゃんが即答した。


「三階があるでしょ? 階段があったから」


「三階より上はダメだって」


「そうじゃ、止めておいた方が()いのぅ」


 ボクはまだ上があるから三階へ行くんだと思ってたんだけどダメらしい。タンポポちゃん、サキちゃんが止める。


「そうなんだ」


「そうなの」のタンポポちゃんと「そうなのじゃ」とサキちゃん。


「分かった。それで部屋で遊ぶのね。何して遊ぶ?」


「おままごと」と(いたい)けな声がそろう。


「バカねぇ、家族の修羅しゅらがトレンドよ?」とタンポポちゃんが反論する。


「どんなトレンドだ」とは言うまい。


「ええっと、おままごととは?」


 おままごととは? 昔やったかも知れないけど覚えてないな~。


 ここは訊かねばなるまい。


「私たちが会社から帰ってくるとキョウが出迎(でむか)えて、一緒に食事して、一緒にお風呂に入って、一緒に寝るの」


 具体的だね。まあ、ボクは、ごっこ遊びじゃなく実地に()ませてるけどね。


「分かった。出迎えれば良いのね?」


「みんな、カバン持って部屋の外へ」


 うなずく皆。思いおもいカバンやポシェットなどを持って部屋のドアの外へ行く。


「そなたは、子守りができるな」


「えっ? そうですか?」


 懐疑(かいぎ)的にサキちゃんに返すと、そうだとサキちゃんが言って(うなづ)いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ