表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
2.5 『古都』へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/204

45.モールからの脱出!*


「こちらです──」


 気更来(きさらぎ)さんの案内で次は洋装店へ移動する。


「こんにちは。蒼屋あおやキョウです。──」


 洋装店に入るとまず、定型の挨拶(あいさつ)で話を始める。店の人も分かったものでドレスを数着すぐに用意してくれた。


 姿見で体に当ててすぐ決める。花が一輪咲いている程度で、デザインはシックに押さえられたもので(そろ)っている。


 三着、内の一着はイヴニングにして決済する。すぐに梱包(こんぽう)してもらう。


「はあ、これで(はじ)はかかないかな? あと……履物(はきもの)とかバッグとか──」


「こちらです」


 気更来さん、優秀。すぐ不足を(さっ)して案内してくれる。


 ボクは、見るなり即決して買っていく。荷物は護衛の歩鳥(ほとり)さんや斎木(さいき)さんにあずけていく。


 荷物持ちじゃないのに荷物持ちにしてゴメンね。


 草履(ぞうり)は歩きにくいので、ローファーのままで移動していく。


「よし! これで良いと思う?」


 気更来さん、歩鳥さん、斎木さんに()く。皆、同意して(うなず)くので撤収(てっしゅう)


気更来(きさらぎ)さん、羽衣(はごろも)さんを呼び戻して、車に戻りましょう」


「了解。ウイ、聞こえるか?──」


 気更来さんが羽衣さんに連絡してくれる。


「こちらです──」


 連絡がついて気更来さんが先導していく。ボクがそのあとを、護衛ふたりが荷物を抱えて続く。


 喧騒(けんそう)()け、お客さんを()って小走りにエレベーターに向かう。


 さすがに人が増えてエスカレーターは危険が増したらしい。


 まだ危険じゃない気はするけど、そこは専門家に任せる。


「羽衣が来ます」


「な、何、あれ?」


 エレベーターにたどり着いたところに、群衆(ぐんしゅう)を引き連れたような羽衣さんが()けてくる。


 ボクたちはエレベーターでドアを閉めないようにしながらそれを待つ。


 羽衣さんが(すべ)り込むようにエレベーターに入るとドアを閉める。


 ゆっくり、動き出して下りていくエレベーター。


 (すんで)のところで暴女たちを振りきった。


「こっわ!」


 羽衣さんの後ろには目を血走らせて追いかけてくる女たちがいた。


 あちこち黒服が(やぶ)れかけた羽衣さんが息を切らして座り込んでいる。


 お疲れ様、と思いつつ頭のショーツに手を伸ばすと気づいた彼女にガウって()えられた。


 ほんに犬になっとりおす。


「ボクのキャミソールは……」


 聴いてみると、逃げ回る内、紛失(ふんしつ)してしまったらしい。苦悶(くもん)の表情で答えてくれる。



「まだこれからです。一階は死霊(しりょう)巣窟(そうくつ)となっている可能性が……」


「ま、まあ、それは可能性で(にお)いを()き散らしてないから大丈夫な気が──」


 気更来(きさらぎ)さんが無闇(むやみ)に危機を(あお)ってくる。


「甘い! 甘すぎますよ。『おとこ』って一言あがると四方(しほう)から囲まれるかも知れませんよ」


「そ、そう?」


 そうかなあ~?


 そう言いつつ背後から羽衣さんの持つショーツを(つか)むが(かか)え込んで放さない。


「一同、生きて帰るぞ!」


「「おう!」」


「……ぉぅ」


 気更来さんの気合いに歩鳥さんと斎木さんが合わせるが、羽衣さんはまだ息が整わず力なく返す。


 しかし、生きてって、それほど?


 そして、ゆるゆるとエレベーターのドアが()く。


 ドアの外は一見、普通のショッピングモールで、そこにいるのはただの買い物客たちだ。


 外へ、出口へ向かって小走りに行く。


 気更来、ボク、歩鳥、斎木、そして羽衣が続く。


 ボクたちの姿が場にそぐわなくて、(ほう)けて見ていた客たちが、徐々(じょじょ)に異様さに気づいて連れの人と顔見合せたり(いぶか)しげに見て判断を迷っている。


「何、撮影(さつえい)?」


(えら)い人……か」


「和服って……もしかして」


「あれ、男性警護士……なんじゃ?」


「おとこ……」


「──男」


「男がいるぞ!」


「うそ、男? どこ?!」


「どこよ? おとこ~!」


 気更来さんのいう通り、男と判断されると一気に騒然(そうぜん)となる。


「もうバレた。我々で進路確保に先行する。後方、キョウ様に近付けるな! 羽衣、行くぞ!」


「「おう!」」


「ウイ!」


 羽衣さんは「ウイ」ってしゃれか? そんな突っ込みしつつボクたちは、小走りして駆け出す気更来さんのあとを追う。


 歩鳥さんと斎木さんは電撃警棒を(かか)げて周りを威圧(いあつ)している。


 それを見て男が居ると確信した女たちが遠巻きに囲んでくる。


「荷物をこっちに!」


 護衛たちの荷物を少し受け持つ。


 二人の(すき)(ねら)って暴女が突っ込んでくる。


 それを警棒で()ぐ二人。


 ()いた隙にまたタックルをかけてくる女。


 まだ個々人的で散発する程度だけど面で来られるとマズいな。


 もう少しで出口のところで前へ回り込んでくる女が数名いる。


 両脇(りょうわき)の二人が間に合わなそう。


「これはやりたくなかったのに……」


 ボクは、注意を()らすよう(ふところ)(かたまり)を投げつける。


 それに気を取られた女を斎木さんが薙いでクリア。


 ボクはもう一つの塊を反対方向に投げて反対側の女の気を()ぐ。


 前方が()いて、そこへ突っ込んでいくボクたち。


 出口のこちらに(じん)取る気更来さんの脇を抜け外へ。


 外側は羽衣さんが出口に人を()せ付けなくしていた。


「羽衣、ゴー」


「おう!」


 ボクたちを追い抜いた気更来さんが羽衣さんに声をかけて(つゆ)払いに駆けていく。


 後ろの出口から「おとこ~!」と(さけ)びながら女たちが殺到(さっとう)してくる。


 それほど大きくはない出入口なので、その追従(ついじゅう)(こわ)くない。


 危機は(だっ)したようだが? 黒リムジンの前に数人の女たちが……。


「下がって。下がらないと実力者行使します!」


「田中! すぐ出る。準備できてる?」


「できてます!」


 気更来さんが女たちを威嚇(いかく)、羽衣さんがドライバーに声をかける。


 少し開けた窓からドライバーが答える声がする。


 車はすぐ発進できるようだ。


「お早く!」


 ボクたちはリムジンの()いたドアへ(すべ)り込んだ。


「発車!」


「了解!」


 エンジンが(うな)りを上げて発車する。タイヤはスキール音をあげる。


 そうして、モールからボクたちは生還(せいかん)? した。


 ふう~、疲れた……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ