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【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
4.本家からの再出発

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197.護衛たちの忠言


「護衛たちに説明して参ります」と陛下の下を離れ、ミヤビ様たちの居なくなったドアまで行き開く。

 外ではミヤビ様や笹さんたちが話し合っていた。


「笹さん──」

「キョウ様、今夜はここに泊まるとは、どう言うことですか?」


「──それね。夜、遅いので泊まって、朝帰れば良いって、陛下が。部屋を用意されてるみたいだから、笹さんたちも休んで」

「納得できません」


 ボクも納得できないけど、(こら)えてよ。


「そうなんだよ。でも、サキちゃんもマキナも……、泊まってくれば良いって……」

「そんな……薄情な。強制ではないのです。我々と帰りましょう」


 笹さんたちは、帰ろうとしてくれるのに、家のみんなは止めてくれないってどうなの?


「でもね、陛下のご意向に家のみんなが反対しないんじゃ仕方ないよ」

「キョウ様が、お可哀想すぎます」

 同情してくれる護衛たちが(いた)く嬉しい。

 雲行きが怪しくなったミヤビ様は、退散していく。


「別にお話してお慰めするだけだから、取って喰われるワケじゃなし。みんなも休んで」

「それは……、あわよくば、食べるお心算(つもり)です、きっと」

 声を(ひそ)めて打木さんが言う。釣られて護衛たちが集まり、ミヤビ様の護衛勢と距離を取る。


「食べる? いや、食べはしないよ? 野獣や鎮守(ちんじゅ)(ヌシ)じゃあるまいし」

 心ならずもボクもこしょこしょ(しゃべ)る。


「はあ~……、そうではなくですね。キョウ様、食べるとは、女が男を…………」

 耳に口を寄せゴニョゴニョ、食べる(﹅﹅﹅)の意味する(たと)えを教えてくれる。

 ひや~、食べるってそう言う暗喩(あんゆ)だったのね。


「まさか、陛下も良人(おっと)のある身。そんなこと考えてない、と思うけど?」

「甘い! 甘すぎます。どうしてミヤビ様の他にお子がいらっしゃらないと思います?」


「さあ、授かり物だから巡り合わせが悪かった、とか? 激務ですれ違い、時間が合わなかった、とかじゃない?」

 人様の家庭の事情なんて知るワケないよ。


「少し正解です。殿下を成すため、大層励まれたと聞き及びます。その所為(せい)皇配(こうはい)※は……」

 ゴクリ……。皇配って連れ合いだよね? その方がどうしたって?

(※皇配:女帝の配偶者)


「──ダメにおなりに」


「ダメって、それ、どう言う意味?」

「夜の営みがダメになった、と(まこと)しやかに言われております。殿下がお生まれになってからも努力なさったそうですが……」


「ご苦労なさったと?」

「──胸が膨れました。」

「胸が? 確かにローブの上からも御立派だと分かる。陛下の血の片鱗(へんりん)がミヤビ様にも窺えるけど。それが?」


「──お姿を見るのも忌避(きひ)されるように成られて……。随分とご無沙汰なのです」

「ああ~、そう言う……」

 一般的に男は、胸の大きい人を嫌う傾向があるね。それに反してボクは……。


「──キョウ様は、その、胸の大きな(ひと)をあまり(いと)って居られない様子」


「まあ、世間一般ほどでも無い、と思うけど?」

「──何事に()いても、そこに触れてはなりません。ましてや物理的になど(もっ)ての外。キョウ様が大きい胸を厭わぬと分かろうものならば……」


「分かろ……ならば?」

「──聖殿、すなわち(こう)家に取り込まれてしまいます」


「ああ、それなら大丈夫。ミヤビ様がご出産の暁にはホフ?とか言う(うば)の職位を(たまわ)る予定だから」

「はあ?……、何ですか、それ」


 あれ? 初床の時、お子のお世話が出来るよう、ミヤビ様にお願いしたけど、笹さんたちは居なかったっけ?


「──それで、ミヤビ様のご懐妊は報告されたのですか?」

「それは、なんとか回避できたよ。単なる体調不良と思われてる、たぶん。でも……」

「──でも? 何ですか?」


「朝には典医(てんい)って言うお医者さんに診てもらうらしいから、その時、発覚するかも」

「──時間の問題ですか。決してキョウ様からご懐妊に関わったなどと(おっしゃ)らないでください」


「それは、勿論」

「──苦渋(くじゅう)の極みですが、しばらくお(そば)を離れます。(よろ)しいですね? 決して大きい胸は気にならないと察知されませぬように」


「……分かりました」


 笹さんたちは、宿泊する所へ連れて行かれた。

 ボクは、部屋に戻って陛下の下に。勧めるに抗えず、陛下の隣に座る。


 それからマキナとの出会いや、喜多村でのミヤビ様の様子など当たり障りの無いよう話す。


「座っていると腰が(しび)れる……」


「激務でお疲れなのですね」

「そうだのう。娘が(うらや)ましい」

 そう言い、腰に手を当てさすったり、体を傾けたりする。


「──普段、腕の挙げ下ろしもせぬからの、肩も()るのじゃ」

 そう言って、背伸びに合わせて両腕を伸ばす。おお……、伸びに合わせてローブを押し上げるお胸様が如実になる。


「執務では、肩に負担がかかるのでしょうね?」

「そうなのだ。朝の勤めの後、棒っきれを振っているのだがなあ……」


 両腕を振るたび、ぶるんぶるんと震えるお胸様に目を奪われそうになる。ここは気付かぬふりだ。


「陛下は、武術の覚えも、お在りなのですね?」

「──そうだのう。文武に携わらねば人の上には立てぬ(ゆえ)(たしな)む程度じゃが……」


「それは……、不断の研鑽(けんさん)に頭が下がります」

「──それ程でもない……。時にそなた、肩や腰を揉んではくれまいか?」


「……えっ? それは……、下賤(げせん)なるわたくしが玉体に触れるなど、(おそ)れ多ございます」

「──卑下するでない。()其方(そなた)に何の違いがあると言うのか? いや、在りはしない」


「しかし……」

「──この凝りが(ほぐ)れれば、すっきりと快眠できると思うがな。頼む」

 そう言うと、ボクの右手を両手で(つつ)み込んで陛下は頭を下げる。


「お止めください。頭をお上げください」

「──頼む」

 手を引こうとしてもびくともせず、困ってしまう。


「分かりました。不慣れでございますが、陛下の()いならば是非(ぜひ)もありません」

「──そうか。ぜひ、頼む」


 ソファーから立ち陛下の後ろに回る。陛下は、ローブをはだけ両肩を(さら)す。


「では、参ります」

「うむ」

 薄衣(うすぎぬ)(まと)った肩に手を当て揉んでみる。これは……固い。すっごく凝ってる。


「ふう~~。んふぅ~~……」

「い、如何(いかが)です、か?」


「はあぁ~、(たま)らぬ。これは()い」

「そう、です、か?」

 首すじから肩へ順に揉む。力を入れるたび、びくびくと陛下の体が震える。かなり効いているみたい。


 陛下の(もだ)える声を聞きながら揉み解していると、ドアの方から呼び掛ける声が……。


「客室の準備が調(ととの)いました」

「予定変更じゃ。寝所を調えよ」


「失礼します……。あの、寝所、で、ございますか?」

 ドアを開け隙間(すきま)から(のぞ)き込み侍女が()く。


「──そうじゃ。此方(こなた)はキョウと申す賓客(ひんきゃく)じゃ。マッサージが秀逸(しゅういつ)でのう、寝所で揉んでもらう(ゆえ)、速やかに用意せよ」

「畏まりました」

 侍女さんは、(おび)えたように飛ぶように退く。


「キョウよ、済まぬが腰も頼めるか?」


「はあ……。この際、腰もお揉み致しますが」

「よし、移動じゃ」

 そう言うや、立ち上がり部屋中を移動して入口とは別のドアから隣へ移る。そこには巨大なベッドが据えられた寝室だ。

 侍女たちがベッドを整え、香を()いていて甘い(かお)りがする。


「少し減光せよ。すぐに休む。キョウに寝間着を」

「「「畏まりました」」」


「えっ、えっ、え~~っ?」

 腕を抱える侍女たちに(あらが)えず、部屋の奥へと導かれて行く。

 小さなドアに着くと、その向こうはクローゼットになっている。


「あの、これは一体?……」

(ねや)※に相応しいお召し物に致します」

(※閨:ねま。寝室)


 年かさの侍女が答え、若い侍女に素早く着物が脱がされていく。

 あまりの速さに抵抗する(すき)もない。


 脱がされた衣は、年かさの侍女が抱えてまとめている。


浴衣(それ)ではない。キョウ様はお若い。スウェットになさい」

「はい」


 若い侍女が浴衣を手に取ったところ、年かさの侍女が変更を指示する。

 下着姿に()かれたボクにスウェットが着せられる。あっと言う間だった。



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