表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~  作者: ペロリネッタ
4.本家からの再出発

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

188/194

188.怪しい検査


 羞恥(しゅうち)プレイで(もてあそ)ばれた(あと)、お尻にチクっとしてから数瞬、意識が途絶える。


 いつもの慣れた感覚。目が覚めると終わってる……はずなんだけど……。


「……御館(おやかた)様も厄介(やっかい)なことを…………」


 何やら(ひと)(ごと)が聞こえる。……アヤメさんかな?


 それにしても何も見えない。手足も拘束(こうそく)されていて動かせない。


 どうなってる?


「アヤれしゃん?……」

「ん……んんん?! あちゃー、起きちゃった?」

「あの~、うこかしぇ、ないんらけろ?」

「あああ、もうちょっと眠っててね? プシュッとな──」


 え……ええ?……。また注射された……。作業が長いんじゃないの?


「──薬の耐性が上がっちゃってる? 全く余計なこと、してくれたもんだ……」



 次はスッキリと目覚める。それにつれ速やかにアヤメさんが拘束を解いてくれる。


「あの~、途中で目覚めたようなんですけど?」

「ゴメンゴメン。ちょっと調整に手間取って」

「調整?って何です? 搾精(さくせい)ですよね?」

「あ~、うん。搾精のついでにナノマッスィーンの調整を、少し」


 その巻き舌は、もういいから。搾精台から体を起こしてワンピースを着る。


「それで調整って何?」

「筋肉パラメータを上げて運動能力を向上、寛容(かんよう)度と能天気(のうてんき)度も少し上げて~──」

「寛容度は良いとして能天気度、って何さ?」

「聴いちゃう? それ聴いちゃう?」


 なんかイラッとする。寛容さは上がってないよ、たぶん。

 拉致(らち)ののちに()こうとして聴けなかったんだけどボクの体、どうなってるの?


「これから色々と女を経験してキョウちゃんが壊れないように。あと、また不測の事態が起こっても対応できるように」

「色々、経験って言ってもマキナ姉妹だけだよね~?」

「そうかな~? ミヤビ様とか警護の(みんな)とか……やっちゃったよね」

「うっ。それは……」


 もうあんな事、起こらないと思う……んだけど……。あの時、ウイさんを慰めるためにゲームって聞いて安易に受け、気づいたら警護のみんなと……。


 直接的な行為は自覚がないけど結果は(みだ)らなパーティー、乱ナントカをやらかしてたんだな……。今さらだけど。


 まあ、それは置いといて、どうして警護の件までアヤメさんは知ってるんだ。


「妊娠してお腹が大きくなるとマキナ(ねえ)の他、みんな相手してくれなくてもて余すよ、性欲」

「……そんなことは」

「精子・精漿(せいしょう)を増産するようバッチリ繁殖(はんしょく)パラメータも、上がってるから~」

「なんて事してくれてるのさ!」


「だって、御館(おやかた)様の命令なんだもん」

「なんだもん、じゃないよ。元凶(げんきょう)はサキちゃんか! 文句、言ってやる!」

「言っても無駄(ムダ)だよ? きっと。野に(はな)ったらキョウちゃん、襲われまくって気が触れるかもしれないのを防ぐ対策もあるんだから」


「そうならないための警護でしょう?」

「そうかな~? 警護に世話になればなるほど、そちらの面倒(﹅﹅)もみないといけないよ、ね?」

「うっ……」


「うちのメイドたちや下働きが薄給(はっきゅう)(つか)えてくれてるのは何故(なぜ)だと思う?」

「それは……」


「喜多村家に広めよう、竿(さお)しま──ムグッ」

「それは言っちゃダメ」


 (あわ)ててアヤメさんの口を(ふさ)ぐ。下品だよ?


 でも、そうか~。身の回りに女の人ばっかりなんだから許容しないといけないか……。


「まあ、我慢は良くないよ。下半身が爆発する前に誰かに相談して」

「爆発?……そんな……冗談、だよね?」

「喜多村のナノマッスィーンは優秀だから。…………」

「巻き舌はいいから。いつから、その(ろく)でもないモノにボクは(おか)されてたの?」


 そう聴いた途端、アヤメさんはそっぽを向く。


「さあ、(やかた)に帰ろうかな~?」

「ちょっと、聴いてるんだけど?」

「急いで?何かやるんじゃなかったの?」

「そうだった~!」


 くそ、誤魔化(ごまか)された。ナノマシーンの投与は、キタムラGHジェネラル・ホスピタルに避難した時が怪しい。


 でも健康状態は、それより前と変わらなかったと思う。


 もっと前から……マキナとの婚約以前にヤられてたと見るべき。いつからだろう……。思い至らない。



 疑心(ぎしん)暗鬼(あんき)(かか)えながら母屋(おもや)に戻る。


 急いで三階の部屋に戻ると応接室に仁王立ちのレニ様が待ち構えてた。手拭(てぬぐ)いで頬冠(ほっかむり)し座敷ほうきを逆さに持っている。


 持ってるのが薙刀(なぎなた)じゃなくて良かったよ。それにしても時代掛かり過ぎじゃない?


 その後ろのソファーには、マキナと共に非難とも同情とも取れない複雑な顔の幼女~ズが座って迎えてくれている。


 あちゃー、一番()けたかった状況になっちゃってる。どうしてくれるのアヤメさん。


 当の本人はボクを送った(あと)、病院にとって返しちゃったんだよね……。アヤメさんの所為(せい)に出来ないじゃないか。


「レニ様……本日は御日柄(おひがら)も良く──」

「良くありませぬ、義兄上(あにうえ)。相変わらずミヤビ様の具合が(かんば)しくないと言うに本日は何をしておいでか?」


 抑揚(よくよう)を抑え淡々(たんたん)とした物言いで背後に般若(はんにゃ)幻視(げんし)しそうです。


 レニ様の(かげ)で「そうだ~」っと言い出し兼ねない気勢(きせい)で幼女~ズが(こぶし)を突き()げている。


「えっと、あの……その……顔を見せんとして居りましたが、些事(さじ)に追われ難渋(なんじゅう)し、参ること(かな)わず、何とも申し訳のほども御座(ござ)いません」


「そうですか……。何やら街に出て居られたとか」

「は、はい……義姉妹を見送りに行っておりました」

「それにしては時間が掛かりすぎでは、ありませぬか?」

「そ、それは……そう、遠路ゆえ()き帰り道が混んでおり帰還が遅れ──」

「レストランとやらで馳走(ちそう)を食したとか? えらく遠回りしたものであります、ね~?」


 ぐっ……バレてる~。レニ様の後ろでマキナが手を合わせて(あやま)ってる。


「ちょっと……マキナさんの職場訪問も兼ねて、ですね、どんな所か見て置いたほうが良い、かな~、なんて……」

「それでどうしてアルバイトなどと言うことに?」


 そこまで話しちゃったの~? どうするの収拾(これ)……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ