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119.初・露天*

【ご注意】中盤あたり、BL風味です……。



 タオルにボディーソープをつけ泡立て子供たちを洗っていく。


「ひゃっ!」

 それを真似(まね)てレニ様が背中を洗ってきている。


「申し訳ありませぬ。びっくりされましたか? 義兄上(あにうえ)

「い、いや、それほどは。ひと声かけてくださいな?」

「は、はい。で、では……」

「いえ、ご自分を洗ってください」


 タンポポちゃんたち、おとなしいな、と思ったらレニ様が近くにいるからか。


「しかしこれは、ぬるぬるでは無いのでは?」

「わ、分かりました。湯衣(ゆい)を脱ぎます」


 (「「「)   (うおお~~っ!) (」」」)

 な、なに? 地響(じひび)きのような重低音。


 見回すと羽衣(はごろも)さんとか斎木(さいき)さんが目を()らす。


 ボクを見てたのか。でも、さっきの(うな)るような音は?


 (ささ)さん打木(うちき)さんは湯浴み着で外側を向いて警戒してる。誰も露天風呂に攻め込んで来ないって。


 気を取り直し、幼女たちを洗っていく……。レニ様は、我関せずとボクを洗ってる。


「はい、終わり~」

「ありがと」

「うん。では、レニ様」

 タンポポちゃんまで終わらせて、次の番だとレニ様を呼ぶ。


()ですか? そんな勿体(もったい)ない」

「ぬるぬるしたいんでしょ?」

「もう堪能(たんのう)しましたが?」

 ボク、堪能されちゃってたらしい。


「そうですね。でも洗っていただきましたから、お返しです」

「そなたら、ズルいぞ。知っておれば、わらわも洗ったものを」

 ミヤビ様が浴槽から文句をつける。これって競うものじゃないんですけど……。


「しょうがないですね。レニ様のあとに──」


 って言った途端(とたん)、ミヤビ様がお湯から上がろうとする。


「──まだです。レニ様が終わってから、です」

「そ、そうか……」

「湯冷めしちゃいますよ?」

「う、うむ。そうだな……」


「ささ、こちらに」

「う、うむ……」

 レニ様を前に呼んで、たっぷりソープを含ませたタオルで首、背中、腕へと洗っていく……。


「ふっ……うっ……くう~……くふっ……」

「レニ様、一々(いちいち)身体をくねらせないで。洗いにくいです……」

「し、しかし……あ、義兄上(あにうえ)……はあ~……」

「しょうがないですね~。これくらい我慢できないと次の段階(ステップ)に行けませんよ?」

「つ、次の……段階?……」

「そうです」


 前腕(ぜんわん)と胸にソープを()りレニ様に密着する。そうして体全体でレニ様のお腹や胸にこすりつけてゆく……。


「ふあ~……はあぁ~……らっ……らめぇ~……ガクッ」

「あれ、レニ様?」

 身悶(みもだ)えして()えていたけど、いきなりレニ様が脱力する。ぬるぬるでは身体を上手く支えられない。けど倒れるのだけは身体全体で(おさ)えこむ。


「もしも~し?──」

 顔を(のぞ)き込むと半開きの口と(まぶた)(ほう)けている。これって、気絶してる?


「──レニ様? レニ様?……失礼します」

 身体を支えながらレニ様のほっぺをペチペチ(たた)く。


「ハッ! ()はいったい……」

「気がつかれましたか?」

「あ、義兄上(あにうえ)……ええ~っ!」

 あっ──また、気絶した……。目に生気が戻ったと思ったら間近のボクの顔を見て白目を()いてしまう。


「これ、ど~しましょ?」

「しばらく、放っておくしかなかろう」

「じゃあ、ミヤビ様、抱えるの手伝ってください」

「う、うむ……」

 ミヤビ様と一緒に抱えて浴槽(ようそう)()ける。


「終わりましたか?」

「えっ? う、うん」

「で、では、私も、洗ってください」

 羽衣さんがボクの前に背中を向けて座る。予想を裏切(うらぎ)らない提案をするね。


「いや、この前洗ってあげたよね?」

「いえ、あれはキョウ様で私が洗ったのでノーカンです」

「そなた……護衛どもを洗っておるのか?」

 ミヤビ様がもっともな(こと)を聴いてくる。


「いえ、洗っておりません。彼女たちが私で洗ってるのです」

「それは……どう(ちが)うのだ? 同じと思うが」

「ああ~、私が洗うか、私で洗うかの(ちが)いです」

「そなた、なにを言っておる?」

 まあ、そうだよね。頭に疑問()が浮かんで(しか)るべし、です。


「ミヤビ様、こう、です!」

「おい、ウイ……」って気更来(きさらぎ)さんが止めるけど羽衣さんは止まらない。


 また、ボディソを塗りたくってボクの手で身体をこする。


「ほらほら、キョウ様の子種をここが待ってるんです。切なくて切なくて毎夜、(うず)くんです」

 そう言い、下腹にボクの指を立てて押し込む。


 おお、確かにすごい腹筋だ。じゃなくて、(おく)(かたまり)を感じる。これが子宮?


「も、もう半月すれば春期(しゅんき)が明けるから楽になるよ?」

「ダメです。秋に子種を(さず)かる確証もないでしょう?」

「うっ、それは……」

「ウイ、やめろ!」

 再度、気更来さんがとめる。


「キョウよ、そなたはこんな(こと)を認めておるのか?」

「いえ、認めてない、です」


「少し警護たちを引き()めねばならぬのではないか?」

「……はい」


 まあ、そうなんだけど……。それを聞いて、みんなが(しず)んでいる──


「じゃ、じゃあ、緊縮(きんしゅく)する前に子種を」

 ──訂正(ていせい)。一人を除いて沈んでいる、そんなところへ、こちらにつながる道を車が近づいてくる。


(だれ)でしょう……」

「うん?」

「見て参ります」

「同じく」

 笹さん打木さんが先立って車を迎える。さすが、職務に忠実だね。


「あの者たちなら、許せるものを」

 ま、まあそうだけど。ミヤビ様、ごもっとも。


「キョウちゃん、置いていくなんてひどい」

「うん、そう」

 若いメイドさんに(みちび)かれタマ・水無(ミナ)の二人が現れた。



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