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僕の妄想が、現実世界に飛び出てきた!?

作者: 七瀬








僕の妄想は? 好きな女の子と僕がイチャイチャしている

如何にも、ヤラシイ妄想だ!

僕の好きな女の子は、学年で一番美人だと有名な女子。

大川原ヒシナ 本当に男女関係なく綺麗な顔だなと普通に思う。

彼女は、僕と同じクラスの2-B組だ!

彼女が、【美人】だからなのか? 

他校の男子も、彼女を一目見にやって来る。

彼女は、そういうのに慣れているのか? 

彼らを見て見ぬフリをして去っていくのが上手いんだ!




彼女は、自分が“美人”だという事を知っているのか?

あまりそんな事も気にしていない様子だ。

周りにいる友達にも、普通に話しかけるし。

僕にも、普通に話してくれる。

彼女は、好きな男子とかいるのかな?

彼女の周りの女友達の数人は彼氏がいたりするのに...。

彼女には、男の影がない。

こんな僕でも、彼女の“彼氏候補に立候補していいのかな?”

まあ、こんな僕に彼女は見向きもしないだろうけどね。

それでも、僕は彼女の事が好きだから。

どうにかこうにかして、僕の事を見てほしい!

こんな願いを叶えてくれるのは、“僕の妄想だけだろう。”

だから、僕は学校から家に帰ると? 真っ直ぐ僕の部屋に行って

僕と彼女のラブラブの妄想を浮かべる事が僕の習慣になった。

妄想の中では、彼女は僕にメロメロなんだよ。

彼女を、僕の言いなりに出来るし好き放題だからね!

僕が主導権をもてる唯一の方法が、“妄想”だったんだ。

だけど? ある時、僕の妄想が暴走し始める。

外の世界に、僕の妄想が飛び出しそうとしたんだ!

そんなの困るよ! 僕だけの妄想なのに現実世界に来られてもさ!


【どうしよう?】




・・・遂に、僕の妄想の中の彼女が現実世界に出てきちゃった!?



『夏樹クン! 会いたかったわーん!』

『ヒシナ、そんなに僕にくっつくなよ!』

『好きスキ大好きよー!』

『・・・分かったから、静かにして!』



僕の母親が、僕の部屋の扉をドンドンし始めた。


『夏樹! 誰かいるの? 女の子かい?』

『・・・い、いや? 誰も居ないよ! テレビじゃない?』

『あぁ~そうだったの! 分かったわ、早く寝るのよ!』

『・・・ううん。』



 *




『母ちゃん、行ったみたいだ!』

『夏樹クン、熱いから服脱いでいい?』

『えぇ!? ダメだよ! ちょっと待って待って!』

『お風呂入りたい!』

『ゲェ!? マジで、どうしようか? もう少し待ってよ』

『うん、分かった!』




僕のイメージするヒシナは、甘えん坊で僕にだけベタベタしたがる

可愛い女の子なんだ。

でも? 実際の大川原は、サパサパしている性格というか?

男に媚びない感じの女の子なんだよ。

見た目は同じなのに、性格は別人の同一人物!

僕は、どちらの彼女も好きだけど? 

今は、僕の理想のヒシナにイチャイチャされるだけで好きなってく。

一生! 僕は僕の妄想のヒシナを愛していくと決めたんだ!





 *




・・・でも? この日。

ヒシナがどうしてもスイーツを夜中に食べたいと言うもんだから

家の近くのコンビニに僕と一緒に連れて行く事にしたら?

そこに、本物の大川原も居て。

二人の彼女が鉢合わせしてしまった!?



『えぇ!?』

『えぇ!?』

『・・・私が、もう一人居る!?』

『夏樹クン! あの子が私のモデルになった子なの?』

『・・・あぁ、ううん。』

『どういう事なの、山田君?』

『・・・あぁ、話せば長くなるんだけど?』

『私は彼が妄想してデキた女の子よ!』

『“妄想?”』

『健全な男の子は、健全な妄想をするわ!』

『山田君、私にどんな妄想したの?』

『・・・い、いや? ちょっとそれは?』

『言えない妄想です!』

『もうー! 何やってのよ!』

『いや? それは、するだろう! 年頃の男子だし!』

『自分で言うの?』

『まあまあ、そんなに怒んないでよ、ヒシナちゃん!』

『でッ! どうするのよ! 私がもう一人居るなんてバレたら

困るわ!』

『そうね! でも大丈夫、もう直ぐワタシ消えるから。』

『えぇ!?』

『えぇ!?』

『夏樹クンに言い忘れてたけど? ワタシとこの世界の彼女が会うと

妄想のワタシは消える事になってるの!』

『えぇ!? そんな事、聞いてないよ!』

『・・・ごめんね』

『最後に、二人きりにしてもらえるかな?』

『えぇ!?』

『妄想とはいえ? 僕は彼女を愛してたからさ!』

『・・・山田君、』





 *



僕は妄想の中の彼女と数時間、思う存分話し合って。

彼女は僕の前から消えた。











・・・でも次の日。

なんと!? 本物の大川原と付き合える事になった。

きっと、僕の妄想の中の彼女が本物の大川原と付き合えるように

してくれたんだと僕は想った。

【ありがとう、ヒシナ。】





最後までお読みいただきありがとうございます。

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