情報収集
ライが調べた報告を受ける。
あの日の入学パーティーで、やはりイレギュラーな事が起こっていた。
ジャスミン伯爵令嬢という、1人の女性があの日、アーサー王子にぴったりと付き添っていたようだ。
そして、マリアンヌ公爵令嬢と対面したようだった。
こちらでも調べてみたが、ジャスミン嬢は、攻略対象の婚約者の令嬢ではなかった。
いわゆる、彼女はモブだ。
けれど、アーサー王子を狙う、その女豹のような眼は、まさしく狩るつもりなのだろう。
モブなのに、表舞台に出てくる自信があるというならば、もしかしたら、私と同じ転生者かもしれない。
これは、要注意だな、、、。と思いながら、引き続き、ライに監視を頼んだ。
私は、アーサー王子との接触は避けないといけないが、ジャスミン伯爵令嬢の動向が気になるので、ライに報告させよう。
まだ、情報が少な過ぎる。確信出来る程ではないので、様子を見る事にした。
入学2日目。
学園に到着した私は、クラスに入り、座席の確認をした。ジャスミン伯爵令嬢とも、マリアンヌ公爵令嬢ともクラスは違う。
2人共、トップクラスで同じクラスだ。
成績と爵位のランクでの組み分けだろう。
そして、このクラスは2年生であるアーサー王子や義兄との合同授業がある。
彼らもトップクラスだからだ。
間違いなく、2人はそれも考慮してこのクラスになれるよう行動したのだろう。
この授業でまた、何かあるかもしれない。
ちなみに、義兄が男爵令息なのに、トップクラスに入れたのは、勿論、成績が良いからなのだが、それプラス、バーミリオン男爵の裏での何らかの手引きもあったからだろう。
男爵家の動向もまだまだ注意しておく必要がある。
私はスキルアップクラスで、いわゆる中間クラスだ。特にこのクラスは専門分野の選択科目が多いクラスで、私はこのクラスに入りたかったので、とても嬉しかった。
攻略する気がなかったので、今後の自分の将来の為に決めた。
しかし、トップクラスの動向も気になる。
ここの動き次第で私の未来も決まるからだ。
こんな筈じゃなかったのにな。
トホホ。泣
今は、ただ、ライにお願いするしかない。
待つだけは、歯痒いな…。と溜息をつきながら思った。