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入学前日

あれから、約半年が過ぎ、私はバーミリオン男爵家に保護され、その後、正式に長女となった。



バーミリオン男爵には、息子と娘がいる。

男爵家は義兄が継ぐようだ。



娘のミリーは私の1つ年下だ。


バーミリオン男爵はこのミリーに王子か公爵、侯爵あたりの息子に嫁がせる為、学園での出会いに期待していたようだ。


しかし、ミリーは、男爵領の隣の子爵領の長男と恋に落ちてしまった。

男爵はミリーを溺愛しているので、ミリーは、男爵の思惑通りにはせず、先日、子爵の長男と婚約した。



そこで、私に白羽の矢が立ったのだ。



ベージュの髪のバーミリオン男爵に初めてお会いした時、一瞬、戸惑いを見せたが、その後こう言われた。



「お前は、バーミリオン家の駒だ。私は男爵などの爵位では終わらない。何としてでも爵位を上げてみせる。私は、お前の婚姻を利用する為にこの家に迎えたのだ。お前には、その男を誑かす瞳がある。それを利用し行動しろ。」



母は、アリエルを身籠もった後、すぐに男爵家から、姿を消したのだが、今になって呼び寄せた理由がコレか。


一瞬戸惑いを見せたのは、私のピンクダイヤのような瞳を見たからだろう。この瞳は母譲りだ。



ゲームでは魅了の魔法の瞳と言う設定だったが、私の瞳には魅了の魔法の効果はない。


母の瞳には魅了の力があった。

男爵は、この目を持つ母に一目惚れしたのだと古株の侍女から聞いた。



ゲームでは、学園生活の途中で、魅了を発眼する。

しかし、そのきっかけがどうしても思い出せない。

学園生活の中で、思い出したらいいんだけど。



しかし、入学初日の王子とのフラグを折ろうとしてた私にとって、バーミリオン男爵の思惑は、中々邪魔になる事だった。



王子とのフラグを折り、王子に無関心でいると、すでに学園に入学している義兄にバレてしまうだろう。



義兄の出方もまだ分からないので、まずは、すぐフラグを折らずに、様子を見る事にしよう。



「入学初日にハンカチを落として、王子が拾うフラグ、折るつもりだったのになぁ。まぁ、お礼を言った後のヤバ過ぎる王子の笑顔を見れるのは嬉しいけどっ!」



出会いはともかく、その後の急接近は避けなくてはならない。



明日の入学に備えて、準備を始めよう。




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