表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ 〜僕はただ穏やかに生きたいだけなんだ。〜



「良いかい、律。音楽は音を楽しむって書くんだ。だから自分が好きなように、楽しみながら弾くんだよ。」




 ピピピ…ピピピ…


 ああ、またこの夢か…。

 最近はあまり見なかったんだけどな。


 最後に見たのはいつだったっけ?

もう半年近く見なかったから、もう見ないと思っていたのに。


 この夢を見ると、忘れたい事なのに、僕の人生で最大のトラウマであり、僕の人生をドン底に突き落としたあの日のことを思い出してしまう。


 何か一つ願いが叶うなら、億万長者になるでもなく、過去に戻るでもなく、僕の記憶からあの日の出来事を完全に消し去って、もうこの夢を見ることがない様になって欲しいものだ。




 6年前、僕は周りから神童と呼ばれていた。

 

 父親がピアニストだった事もあり、僕は物心付く前から当たり前の様にピアノを弾いていた。


 その頃はただピアノを弾く事が楽しくて仕方がなかったから、ご飯を食べる事も忘れてピアノを弾いていた。


 何よりもピアノが好きだったし、ピアノがない人生なんて考えられなかった。


  ー好きこそものの上手なれー


 とはよく言ったもので、僕はピアノを始めてからメキメキ上達していった。


 引けば弾くほど上手くなっていって、僕がピアノを弾いているのを見て嬉しそうにする両親を見る事が、何よりも幸せだった。


 

その頃は、そんな僕がピアノを弾く事が苦痛に感じる様になるなんて思いもしなかった。


 あの日が永遠に来なければ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ