表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみに心奪われたまま  作者: 松石愛弓
8/19

しもべたちは、鬼瓦が借りている消費者金融へと案内してくれた。

俺は、従業員に顔を覚えられたくないためマスクを付け、店内に入った。


「鬼瓦道世を見つけた。身柄を引き渡すから、田辺陽菜の署名の入った書類を返せよ」

まだ気絶しているふたりを従業員の前にごろりと寝転がせると、従業員は何事があったのかと驚いて書類を出してきた。


俺は目の前で粉々に破り捨て、

「ふたりで作った借金だと言ってたから、ふたりから徴収するように。もう、田辺陽菜に関わるな」

と言って睨みつけ、その場を去った。




──これで陽菜は大丈夫なはずだ…

ひと仕事やり終え、緊張の糸が解けたような気分で、俺は空を飛んでいた。


「おまえたちのお陰だ。ありがとうな」

しもべたちに御礼を言うと、しもべたちは嬉しそうに、それぞれの寝床へと姿を消した。

心の綺麗な、可愛いやつらだ。


これで今夜は安心して眠れそうだ。

陽菜に早く伝えてあげなくちゃ。

でも、眠ってたら、起こすのは可哀そうだしなぁ。



マンションへ帰ると、陽菜はまだ起きていた。

ドアが開く音を聞きつけて、玄関まで走ってくる。


「諒ちゃん!大丈夫だった?ケガはない?わたし、心配で…」

「もう解決したから、大丈夫だよ」

「もう解決したの?!」

「鬼瓦さん見つけて、消費者金融に届けてきたから」

「え~~~っ!こんな短時間で?!どうやって?!」

「さぁ~、どうやってかなぁ~?」


そんなこと、言えるわけないだろ? 

陽菜姉の、かわいい幼馴染でいたいのに。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ