道中の暇つぶし
数日が経過し、連休の早朝に学校の校門前で待ち合わせをする、ユウキとマキナは遅刻しないように早めに到着していた。
「お母さん…」
「ん?」
「眠い…」
「馬車に乗ったら寝ていいからそれまでなんとか起きてて」
「ふぁー…い」
マキナが眠気と格闘していると遠くから馬車が向かってくる音がする。
「ほら、来たみたいだよ」
「うー…ん、あれって?」
「…は?、ユニコーン?」
向かってくる馬車をよく見てみると引っ張っていたの馬の額に角が生えていた、その馬車がユウキ達の目の前で止まりあまりに装飾の少ない扉が開く。
「おはようございますですわ!」
中から高そうなドレスを身に纏ったミルシアが出てきた。
「「おはようございます」」
ユウキは出来うる限りの貴族流の挨拶を披露する、ユウキはスカートではないので男性の挨拶になっている、マキナは少々ひきつりながら貴族以外で使用される挨拶をした。
「別にこちらに合わせる必要はありませんわ、さ立ち話も良いですが馬車に乗りましょうか?」
ミルシアに促されて馬車に乗り込むと従者がドアを閉める、外で少し物音がした後にゆっくりと馬車が動き始める。
「まさか馬じゃなくてユニコーンとはね」
「馬より断然早いですし強いですわ、殿方さえ乗せなければ近場なら護衛要らずですのよ」
「だから従者もメイド3人しかいないんだね」
「ええ、もちろんこのメイド達も並みの賊程度なら楽勝ですわ、それにランクSが2人いますしね」
「まあね」
確かにユウキ達がいれば余計な人員はむしろ邪魔だろう。
「目的地に一刻でも速く着きたいので少々加速魔法を使っておりますわ、何も無ければあと7時間ほどで到着いたしますわ」
「7時間かぁ…」
「それまで暇ですし、これで暇を潰してみません」
ミルシアが鞄から紙で出来た名刺サイズの紙の束をいくつかのとりだした。
「それは?」
「これはおよそ30年前から貴族の間でブームになっている《名も無きファラオの遺産》ですわ、もっとも今はルールが複雑だったり効果が意味不明だったりで遊んでいる人の年齢が上がって少々減っていますが…」
「まさかここでコレを見ることになるとは…」
「あらユウキは知ってらっしゃるの?」
「まぁ…似たような物を前世で…」
「そうですの、じゃあルールはご存知で?」
「一応ね」
「私も知ってるよそれ」
「え、なんで…」
「お母さんそんなに驚かなくても…忘れてると思うけど私は貴族が多いクラスなんだよ、だから暇な時間とかはそればっかりやっている連中もいるよ」
「まさかマキナ…それにはまってる…?」
「さすがにあれは高いから買わないよ、ドはまりした友達に借りてたまにするだけだし」
「あれは一度本気になったら危険だよ」
「そんなに遠い目をしてどうしましたの、でもまぁ、マキナもできるならば皆でしましょう、そうですわねぇ…ここは私とメイド、そしてあなた方二人でタッグでしましょうか」
「でも私達持ってないのだけど」
「もちろん私のを貸します、なんなら少し改良しても構いません」
「わかった、じゃあ内容を把握するから少し時間ちょうだい」
「構いませんわ」
マキナはミルシアから借りたのそのまま使い、ユウキは中身を半分ほど入れ替えた。
「では準備も出来た所で初めましょうか」
過去に日本から転生者が来てカードゲームを流行させようとしたものの、流通の際にコストがかかりすぎて値段が高くなってしまい貴族には一時的に流行したがユウキの時代では一部しか遊んでいる人がいない物になっています。
今回ミルシアが持ってきた理由はユウキが転生者と聞いてなんとかその筋でおもてなしできないかと調べて出てきたもので両親が所有していた物(現在は遊んでいない)を譲りうけて使用しています。
なのでミルシアはルールは大体しか把握できておりません。




