精神の中
姫様の国の端だが、ここまで来ると見覚えのある民家や商店がちらほら見える、この見える光景がやはり夢ではなく現実の物と実感して複雑な気持ちになる、それでも国に帰ってこられた安心感もある。
しかしというかやはりこちらに向けられる視線が気になってしまう、壊れた馬車それにのる汚れた服を着た姫様、そしてこの国では基本的に老人しか持っていない白髪の私……。
なんとか自分を落ち着かせながら私は関所に行き、最初はかなり警戒されたが姫様の存在と馬車の状態と仲間の遺品が説得を手伝ってくれた。
事態を早く伝えるために馬ではなく2足歩行の鳥みたいな魔物で馬車を引いて移動することにした、この状態ではどの道私たちが言った方が早く説得力があるだろう。
王都まではまだ距離があり、今日の出来事で2人とも体力を大きく消耗しているどのみち途中で一泊しなければならない、王都までどんなに急いでも2日ほどかかるのだ。
どの道この関所で一泊しなければならないだろう。
少しふてくされている姫様を他の人に任せて私は睡魔に取り憑かれたようにすぐに眠りについた。
突然指を弾く音で気がつく。
「話をしよう」
「は?」
ハイオークを倒した時に聞こえたあの少女の声だ、話をしようというのは今の私の現状を話してくれるという事だろうか、見た目は10歳ほどだろうか黒い目と黒い髪は珍しい。
「あれは今から…あれ何年前だっけ?」
「いや私に聞かれても…」
「そうだよね~元ネタ知ってる人なんて同郷者くらいだしはぁ…」
もう1人の少女声も聞こえた、今度は15歳ほどで自分で言うのもなんだが配色があまり綺麗とは言えない色をしている。
「ここはいったいどこなんだ?」
「ん~なんて説明したら良いかな…」
「とりあえず精神空間で良いんじゃないかしら?」
「直接会うのは初めてですね」
「お前達は、私に一体何をした!」
「私は姫様とやらを助けるように手助けしてあげただけですよ」
「だからといって目と髪の色を変えることはないだろ!」
「えー結構カッコイイじゃないですか」
「あの髪は我がカイラム家に代々伝わる神聖なる赤い髪なんだぞ」
「いやそんなこと言われましてもねぇ」
「そんなこととはなんだ、ってそれより姫様は無事なんだろうな!」
「それはさっき貴女が助けたじゃないですか」
「そ、それはそうだがしかし、姫様を王宮までお送りしなければ!」
「いやでもこっちにも予定があるんですよねぇ」
「そんなことより姫様だろ!」
「そんなこととは失礼ですね」
「失礼なら謝る、しかしこちらも大切な事なんだ……」
「まあ、もうそれはかなわないでしょうね」
「なんだと!」
「だってあなたは既に死んでいるのですよ」
「え…だが私はここに…」
「そこにいる空気と化している本体に吸収されてね」
「いや空気言うなし!」
そいつが原因なのか、この子が私をこんな状態にしたのか?
「貴様かぁ!」
「いやいやいやいやいやいや、あの時既に死にかかってたし回復魔法でどうにかなるレベルじゃなかったし、ああしないと姫様は今頃( ~自主規制~ )されてたかも知れないしで…」
「っ…それは…すまない……」
確かにあのままだったら私は既に死んで姫様も助ける事ができなかっただろう、感謝こそしても怒りをぶつける対象ではなかったな……。
「まぁまぁそれよりこれからどうしますか?、姫様とやらの護衛を続けるのか、学校に戻るか」
「学校?」
「あ、私は隣の国で学生やってます」
「学生だったのか、しかし私は姫様を守り王宮まで送り届けねばならない」
「いや、こっちだって課題やら出席やら危ないし」
「それはお前がちゃんとしていれば問題無かったのでは?!」
「今回てか、今は特別授業枠でよほどのことが無い限り授業を欠席出来ません」
「つまり両者引けない事情があると」
「「ぐぬぬ…」」
フィアは出てきたら話がややこしくなるとして引っ込んでます。




