忘れ物
「ねぇねぇ」
「ん、なんだ?」
「なんで召喚されるって分かったの?」
「あぁ、なんて表現すれば良いか分からんが召喚されるのは分かる」
「召喚する人数や人は正確に分かる?」
「分からなくもないが…曖昧にしか分からんよ」
何かを見たようで、歯切れが悪く少し混乱しているようだ。
「どうしたの?」
暫く目を瞑っていたと思ったらいきなり目を開き焦りだした。
「我が、負けた、だと……」
(そんなに先まで見たんだ…)
申し訳ない気はあるが気になるので聞いてみる。
「どうやって負けたの」
「我の攻撃が全く奴に届かず、変な叫びと共に強い一撃を受けてまけた…」
こんなに大きな龍が一撃で負けたりするんだ……。
「このままでは我は屈辱を味わうことになるのか……」
首をがっくりと下げ、全体的にやる気が抜けていく。
「ねぇその未来は変えられないの?」
「どうしろというのだ…、我が何処へ行こうとも召喚されてしまうのだ、わ…我にもう希望など残っておらん、アレでは未来が変えられない」
(どんだけ屈辱を受けたくないんだよ)
「じゃあさ、目の前に小さな希望があるんだけど…」
「それは本当か、ってお前じゃあ何にもできんだろう」
「私と契約してみない?」
何故かその言葉が口から出た。
「おぬしは魔力が無いんじゃろ?我の魔力を受け入れきれず破滅すると思うが?」
ため息をついてあきれながら言われてしまい少し傷ついた。
「どうせほっといても死ぬんだからおんなじでしょ」
「そうか…ならば……」
黒龍は何かつぶやきだしたかと思うと、いきなり腹部に衝撃が走った、見下ろすと黒龍の爪がお腹を貫いていた。
腹部全体を貫かれているせいか、もはや痛みなどもなく、さらに多く血を吐いてしまい意識が朦朧としてくる。
「な…何を…」
「これで契約は終わった、これからよろしく、ご主人様」
先ほどと違って優しく語りかけるような声が聞こえたと思ったら突然視界が真っ白になる。
気がつくとまた草原にいた。
「2回目だな…ここ」
「またあったね~」
「また靄ですか?」
「だって人の形をとるのって面倒だし」
「とれるんだ…、まぁいいやでなんで私はここにいるの?」
「渡しそびれた力を譲渡するために呼びました」
「どんな力?」
「でも君は凄いよ、僕が何にもしてないのにかなりの魔力を持っているのだからさ」
「私には魔力がないハズだけど…」
「それは変な話だね、までもいずれ使えるでしょうとにかく力を譲渡するよー」
「ど、どうも…」
「じゃ、する事も終わったし、サヨナラだ」
「え、待って力の詳細を…」
言葉が言い終わる前にまた視界が白一色になる、目が痛い……。
適当に書いていた事を後悔してる、まとめるのに時間がかかってしまった。




