関東突入
「ついにカントー地方に来た、初めて来たなぁ……」
ユウキの前世も含めて関東地方に来るのは初めてなので少し感慨深い、教科書や知識でしか知らない関東平野を見て謎に感動してしまった。
ダンジョンの出現により、関東平野全体に人間がいる状態ではなくなったので、いくつか木が生い茂っている所もあったりと前世と違う所がある。
それでも平野と言われるとおりに遠くまで見渡せる。ユウキが平野を眺めていると、ユウキを双眼鏡か何かで見つめている視線と目があった。
「見られてるねぇ、☆!」
とりあえずファンサービスしておく、するとユウキに向けられた視線が引っ込んだ。
近くのダンジョンで優奈を鍛えながら東京のダンジョン協会へ向かう。和歌山のダンジョン協会から貯めに貯め続けた素材を全て放出した、協会側は総動員で対処して当日中に支払いをしてくれたので、さすが日本で1番大きい協会だと驚いていた。
その日はそのまま良さげなホテルで宿泊し配信でダンジョン協会での成果等を報告したり、適当に雑談したりしてその日は終わった。
「それじゃあ、行きますか!」
ユウキ達は今東日本最大のダンジョンである、新宿ダンジョンに来ている。新宿ダンジョンは1階から強力なモンスターが出現し迂闊に侵入もできなくなっている。
そんな普通なら入る事すら制限がかかるような新宿ダンジョンだが、ユウキ達は問題なく入場してから配信を始める。
:こんにちわー
:新宿ダンジョンってそんな危険な所よく行けるね
:やっぱりこういったダンジョンだよねー
:新宿ダンジョンってマ?
:まだやってたんだ
「ドウモ、今回はタイトル通りに新宿ダンジョンを攻略してイクヨー、てか新宿ダンジョンの情報が全然ないんだけど」
:そりゃ高難易度だし
:だれも10階以降に行けてないからね
:そりゃあ新宿ダンジョンだし
「あーなるほどね、そんなに前人未到なのね」
:あの世界的な探索者でも攻略を速攻で諦めたからなぁ
:あそこは生半可な気持ちじゃ行くべきじゃないからね
:1階だけでも探索できたら十分だからねぇ
「え何、そんなに難しいの?」
:とにかくモンスターが強い
:あと初見殺しとかも多いね
:それに環境が過酷でどれだけ装備を全領域に対応しないといけないとかね
「それは、随分手ごたえがありそうだね……、まぁなるようになるでしょう」
新宿ダンジョンの入り口付近にはモンスターの気配がないのでそこでの挨拶も済ませて奥に進んでいく。1階に出現するモンスターは確かに強いが、これまでで十分に鍛えてきた優奈でもなんとか対処できる程だ。
「いいね、ちゃんと強くなっているよ」
「そりゃあんなスパルタだったら誰でも強くなるって……」
優奈のスパルタ教育はカットします。




