キャッチ&リリース
「アレか、一応エゴサとかしておいてた方がいいのかなぁ」
流石にこう何度も襲撃を受けては無視している訳にはいかない。
ダンジョン協会に向かい、ユウキ自身がどういう扱いになっているか軽く調べてもらう。
しかし軽く調べた程度では、どうやら最近問題になっている探索者の行方不明と何か関連があるかもしれないという程度だ。
配信でもそれとなく聞いてみたが、噂程度の情報しか得られなかった。
「んー来た奴らを捕まえて聞いた方が早いか……」
流石に非合法な物だったのでそう簡単には分からなかった、なので近くの飲食店の在庫を枯らした後に適当に繁華街を徘徊してみる。
夜間にウロウロする事でもう1度ユウキを狙っている人を誘い出す。
案の定ユウキを舐めまわすような視線と共に尾行してくる人物が現れた、こうも適当に歩いてるだけで釣られるのでこっちの日本の治安が心配になってしまう。
(これもまた日本の為、なのかな?)
釣られた人達を誘い出してまとめて捕まえてダンジョン協会に差し出しておく、協会の人にかなり驚かれたが同時に行き詰っていた調査が進みそうだと感謝された。
それを3日連続で出来てしまったので真剣に治安を心配してしまった。
「……、あの、私なら縛らみとかそういった物とか無いし、最悪私が指名手配されても元の世界に帰ればいいだけだし、物理的に潰してきましょうか?」
「流石にそこまではしていただかなくても良いですよ! 自分達の世界の事は自分達で解決しますからっ!」
職員の人たちが全力で止めてきた、流石にそうか。
こちらの世界の人が慌てつつ止めて来たので、止めておく、とりあえず何日か連続で繁華街でユウキを狙ってきた人達を釣りだしてダンジョン協会に引き渡す事を繰り返しておく。
流石に1週間も続ければ繁華街の治安も心なしかよくなっているような気がした、襲撃して来た人の中にはいきなり銃撃してくる者も現れたがそれらもしっかりと回収して引き渡しておく。
そして1週間もすれば職員達も慣れたようで、淡々と処理していった。
「うーん、流石にここまで襲撃してくるってどうなのよさ?」
「そうですね、流石に申し訳ないです……」
ダンジョン協会の引き渡し際に職員に愚痴ってみたが、ユウキとしてもどうしようもない事は分かっているので本当にただの愚痴だ。
「このまま襲撃続くなら実力行使しますからね、最悪地図が書き換わるような事態になっても知らないですからね、私一応地形的意味が変えられますからね」
「き、肝に銘じさせておきます、しっかりと報告しておきます」
毎日犯罪者を処理しないといけない職員達もうんざりとしていたが、ユウキもユウキで日本の為とやっていたが、流石に気持ち悪い視線を向けられ続けていたのでユウキもうんざりしていた。
ユウキを狙っている側の視点は今回考えている敵の情勢的に描写が長くなりそうなので、今回の異世界ダンジョン編ではユウキ視点でお送りします。




