1枚では無い岩
「ダンジョンの国以外の所有は認められてないって聞いてるケド?」
「ソレにそこまでの強制力はねぇよ、それで、俺達のシノギをご破算にしてくれた落とし前はァ、きっちりつけてくれるんだろうなァ?!!!」
「別に悪い事してないしー、何も無くていいんじゃね」
「ふざけてんじゃねーぞォ、クソアマ!!!!」
どうやらいともたやすく逆鱗に触れたようで拳を固めて突進してくる。
「スタン?」
ユウキ的には向かって来る男の強さがわからなかったので、とりあえず軽めに電撃を出して麻痺させてみる、イメージとしてはスタンガンやスタンバトンのような物だ、ちなみに攻撃名が疑問形なのはとりあえずやってみたかったにすぎない。
「グエっ」
ユウキとしてはとりあえずの簡単な攻撃だったが、男性側にはかなり効いたようで動けずに倒れていた、それを見た取り巻きの男性達もビビったのか警戒して近づいてこない。
「私は検索で出てきた近くのダンジョンを攻略しただけ、OK?」
「お、OK……」
これ以上ユウキを刺激するとこちら側の身が危険だと判断したのか、倒れた男性を担いで撤退していった。
「やっぱりミナミは治安悪いな……」
「ミナミ?」
「この周囲の事かな、ほら、都市の中心部から少し外れた治安の悪い所とかあるじゃん、そんな所」
「うーん、そこまでかな?」
「ま、この国にしては悪い所かな」
「え、じゃあこの国ってめっちゃ治安いいじゃん、え、スゴ」
「だよねー、改めてスゴいわこの国……」
治安の良さに改めて感心しつつもホテルに戻り、ダンジョン協会へ連絡を入れておく、ダンジョン協会側が答えづらいようでハッキリしない回答だけ返ってきた。
「なんか面倒事に巻き込まれるヤツだよぉー、カルラさー、もしかしてソレ込みなの?」
(可能性の1つとしてあったと言っておきます、もしかしたら関わらずに終わる可能性もありましたし)
「え、何? 面倒事? カルラさんは何て?」
「だろうねぇ、コレは解決か何かしらしないといけないだろうねぇ……、ダル」
(こっちの日本も美味しいご飯ってたくさんあるんですよぉ、それはおいおいお友達に口利きしておきますし……、あどうやら成長と後腐れなく退場するために必要だったみたいですよ)
「いやさ、誰と話してるのさ、まるで未来が見えるみたいだけど?」
(いやぁ、何て言ったらいいんでしょうか、どうやら位が上がってたみたいで、そういった方々と連絡がとれるようになりまして、私はまだ分からないのですが、ユウキの未来を見てもらっているんですよ)
「えっ、誰ぇ?!」
「お母さんどうしたの?」
「あーうーん、とりあえず美味しいご飯がいろいろ食べられるようになったけど面倒な敵と戦う事になった」
「えー……」
実際のミナミはここまで悪くないですよ?




