ゴーレム作成3
持ってきた肉を冷凍庫に入れてからまた作業にもどる。
「えーー…っとぉ」
今度はノートに書いたものをまとめてみる。
「これをこうしてああすれば、って言ってたらできる奴らが本当にうらやましいすぎるよ、いったいどんな計算が瞬時に終わってるんだよぉもう!」
いつものように毒づきながら更にノートを黒く染めていく。
それからユウキは4日間、寮から出ずにひたすらノートに核から出てきた情報を書いていく。
「終わったぁぁぁああああ!!」
ようやくノートに書く作業が終わったようで思わず大声を出す。
「あとは作るだけ、ちょっと行ってくるね」
そう言ってから窓から飛び出すまであっという間だった、夜に叫んだためいきなりの大声を聞いてマキナが「ミュ!」と驚いたが落ち着いたあと周りを確認する頃には既にユウキは荷物を持って飛び出していった後だった。
ゴーレムの核を調べいると出てきた図形や文字を眺めていると素人目でも解る文字列あり、それらを並べてみると一件の住所が出てきた、そこはここからもそれなりに近くの街の中にあったため早速行ってみることにした。
到着したのが明け方なこともあり門前払いをくらいかけたがノートを見せつけると態度が一変し、腕をつかまれて室内に引き込まれてしまい何をされるのかと思うとゴーレムの核を作らされ、完成まで一週間拘束されてしまい外と一切連絡がとれなくなってしまった。
ゴーレムに核の作り方は魔法陣を空中に展開することと前世の記憶のおかげで簡単な動きならできるようになった。
ゴーレム制作からようやく解放され急いで寮の窓から帰宅したユウキは言葉を発する前にマキナに抱きつかれていた。
連絡が取れずに申し訳なく思いつつもとりあえずリビングに移動してマキナが抱き付いたままソファに腰掛ける。
「あのう…」
ユウキが話かけるが返事がなく寝ている。
ちょっと離そうとしたら骨が砕けるほどの強い力でつかまれる。
「ちょっ…いたたたたたた痛い痛い痛いって、ごめんね」
マキナを寄せて頭を撫でると力を緩める、疲れが溜まっているためユウキはマキナにくっついた状態でベットに移動しそのまま就寝した。
一晩中マキナに拘束されたまま身動きとれずに朝をむかえてしまい体ががちがち固まり右腕に至ってはマキナが枕代わりにしていたのもあり凄く痺れていて動かしたくない。
さすがに朝になればマキナの拘束もゆるくなりベッドから脱出する。
「そういえば…」
ユウキは服を脱ぎなんとなく龍化してみる、そのまま龍化すると服が破れて使い物にならなくなるので普段は肘から先を龍化させているが今回はほぼ全身を龍化させている、ただし完全な龍化ではなく大きさは人間の時と同じである。
その龍になった状態で手足を動かした後に人に戻る。
「やっぱり龍化すると痺れが無くなってる……便利」
固まった体から回復しそれからシャワーを浴びたあと朝食を作りマキナを起こし行き朝食を食べ、久しぶりに教室に向かう。
ちなみに冷蔵庫は空っぽになっていた。
ユウキは2週間ほど無断欠席をしている、そのせいで教室に入ると一人を除いて(誰?)みたいな視線を感じる。
そんな視線に気にする事なく自分の席である最前列の真ん中の席に座ると慌てたような足音がこっちに向かってくる。
「アーノイドさん、まさか師匠の所に特定して突撃するなんてさすがですわ!」
勢いよく机を叩き目をキラキラさせてユウキを見ている。
「あの人知り合いだったんだ、それよりも核を返すよありがとう」
核を受け取った少女は核をじっくりと見つめていると一瞬少女の目が光った。
「確かに…私のですわね」
どうやら少女は核が自分の物かどうか解るらしい。
「わかるんだ」
「えぇ、簡単な仕組みですけどね、それより師匠からいろいろ聞いておりますわ、ゴーレムが完成したそうですわね、さっそくみせてくださいまし!」
ゴーレムをメインにする予定はないので実は設定を深く考えていなかったりします。




