戦闘は片手間に
マキナがコメントを呼びかけると、支離滅裂なものからちゃんとしたものまで多種多様に書き込まれた。
「えっとどうしよう対処しきれないかも……」
「あの、マキナさん、一応配信用の機能として、質問のみを抽出して順番に表示する機能があるんですよ」
優奈が配信用アプリの説明をしてマキナが感触を確かめる、使い勝手がいいのかすぐに使い方を覚えて使用し始めた。
勢いよく機能を使って質問を表示させる、いろいろなオプションがあったようだがマキナはあえてそれらを無視する。表示される質問は一度配信者に表示されてから配信画面に表示されるので不都合な質問や同じような質問は弾けるようになっている。
もちろんユウキは戦闘しているの最中なのでマキナが大声で読み上げる事になる、大声を出すので当然モンスターがやってくるのだが、マキナも戦えるので問題なく対処できている。
「それじゃあ最初の質問は、コレ」
:なんでそんなに強いのですか?
「なんでってそりゃあ生きるためだし、特別何かしてたとか無いけどなぁ……」
「はい、参考になりませんでしたぁ、次!」
:さっきの別人格みたいなのって何?
「私でも説明が面倒だから多重人格でいいよ、今やそうなってるし」
「それって大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫、仲が良いから変な事は、現在進行形だわ……」
「えっと次!」
:多重人格なら分身して別行動とかできないの?
「分身ができる前提なんですね……」
「まぁ分身も含めてできなくもないけど、単純に能力が半分以下になるんよ」
「それだけ強ければ半分でも十分では?」
「いやまぁ、筋力とか魔力とかは別にいいんだけど、思考力も下がるんよ」
「それはかなり不便ですね」
「実際それで痛い目にあったからね……、だから答えとしては出来るけどしない、だな」
「そもそも分身とかが必要な場面が無かったってものあるよね、次!」
:何で天使族と悪魔族と繋がってるの?
「それはさっき出てきたのがその両方にツテがある存在だからだね、正直私もわからん、ただのお友達繋がりですよ~……だそうだ」
「だそうです、次!」
:人を殺した事はある?
「仕事ならあるよー」
「えっ?!」
「そりゃあどうしようもない犯罪者とか戦争中だったりするからね、次!」
:親子って本当?
「さっきも言った気がするけどまぁ、血縁とか無いけど親子だよ」
「うん、そうだね、次」
こうしてマキナとユウキがモンスターと片手間に優奈のツッコミを交えつつ質問を処理していった。質問が多かったおかげで200階層に到着するまでユウキ達は退屈する事はなかった。
無知を装って質問を考えるのって難しいですね




