調整後の戦闘
ユウキが攻略を再開しようとすると、明らかに今までとは違うモンスターが現れた。
「ああいう変なオーラを纏っているのが、対私用のモンスターなんだってさ」
この世界のモンスターは基本的にオーラのような物を纏うなんて事はない、なのでいきなり現れた異様なオーラを纏ったモンスターに、視聴者達はもとより監視の為に見ていた様々な勢力が混乱に陥っている。
ちなみにユウキ達がいる地点は全てが未知で初見なので全てのモンスターに名前すらないので、トカゲっぽい115階に出て来たヤツとか蟹っぽい130階ヤツなどの特徴と階層でまとめられている。
基本的にモンスターの命名は初回発見者がするものではあるのだが、いかんせん数が多く、ユウキがそんな事を知らないのでダンジョン協会などでそういった意味でも混乱も起こっていた。
「とりあえず攻撃してみるか」
ユウキがオーラを纏ったモンスターに今まで通りに攻撃をすると、堅そうな部分に命中してそのまま無散してしまった。
「普通に強くなってるな……、じゃあ本気だね」
ユウキがアイテムボックスから剣を取り出して跳ねるようにしてモンスターに切りかかり、切断面が爆発した、それでもモンスターはまだまだ動けるようでユウキに反撃をしようと牙を向ける、ユウキは開いた口に雷撃を放つとモンスターは口を開けたまま沈黙した。
「倒した、かな? 確かに少ししか切れなかったし動きも早いし、数が多かったらキツいかも」
「あの、アーノイドさん用になったとはいえ普通に倒せているのが異常なんですが!」
「だね~、でもこの調子だったら攻略しながらコメントに反応は難しいよ?」
「そのために私達があるから安心してね」
マキナが自信満々に答える、どうやらこうなる事を予期していたようだ。
「私と優奈ちゃんでコメントに反応するからお母さんは戦闘しつつ私達の質問とかに答えてね?」
「あーそれなら何とかいけるかも?」
「じゃあそれでやって行きましょう、コメントの人たちも今度はちゃんと読んで答えるからね」
マキナがカメラに向かってあざとくウインクする、それだけでコメント欄が盛り上がっていたのでマキナはちょろいなと思いつつ配信業の文化についてちょっと感心したようだった。
「それじゃあ質問とかある人はコメントしてね!」
ユウキよりもマキナの方が配信者には向いているようですね。




