釣れた大物
「………ヨシ!」
以前貰っていた端末を試しに使ってみると早い食いつきが良かったので早速ギルドに向かう。
「ちょっとギルドの方に行ってくる」
「こっちのギルドになんかあったか?」
「コネがあったわ」
「……本当にどこで作ってきたんだそれは?」
「まぁある意味特権かなぁ」
「いいさ、上手く行くようにしてくれよ」
「はいよー」
ギルドに到着して早速コーヒーを注文して端の方に座ってのんびりする。
「高いな……」
一口飲んでみるとその値段の理由が少しわかった、ユウキはこのギルドでは貴族の関係者だと認識されているので貴族用の高級な方を渡されたようだ。
予想外の出費に少し気分が落ち込んでいるといきなりギルドが慌ただしくなり、職員達は大慌てで中いる人達を誘導始めて貴族用のスペースを確保している、ユウキは端の方にいたおかげで眺めるだけで済んでいる。
身なりの良い男性がギルドに大慌ての様子で勢いよく入ってきた、恐らくあの人物が端末で連絡を取った人なのだろう、喫茶コーナーにまっすぐ進み軽く見まわした後にユウキに恐る恐る近づいていく。
「……貴女が、掲示板の」
若干息切れしつつ慎重に言葉を選びながら話しかけて来たので端末を取り出して書き込みの画面を見せる。
「あ、あぁここでは何だ、場所をうつそ、移しましょう。
「そうですね」
貴族の男性がギルド職員に指示を出して厳重そうな奥の部屋に案内してもらう、他の居合わせた人達は身なりの良い貴族が今まで見たことが無い程に慌てていたので、ユウキは一体何者なのだろうと言う視線で遠巻きに見ていた。
「……思ったより早かったですね」
「今までにない危機となれば動かない者はいませんよ」
部屋に案内されて2人きりになったが貴族の男性はどう話かけるべきか悩んでいたので先にユウキから話始める。
「それはまぁ、そうですね」
「それで必要なコネというのは一体どういった繋がりが必要なのですかね」
「あー、その詳しくは分からないんだけども、今はテレジア・ラミアスさんの依頼を受けてこの国に来ております」
テレジアの本来の名前はもっと長いのだがユウキは聞きそびれており知らなかった。
「テレジア・ラミアス……」
貴族の男性はその名前に心当たりはあるようだが、いまいちハッキリと思い出せないようで自分の世界に入っていった。
「あぁ失礼、そのテレジアさんについてはいくつかお聞きしても?」
「大丈夫ですよ」
ユウキの記憶にある限りの情報を開示すると貴族の男性は何か繋がっていったようでわかったようだ。
守る物の危機になると予想外の力がでる事ありますよね




