暇つぶしもほどほどに
「……ねぇ、コレを真っ黒にできない?」
いつの間にか無造作に積まれたワゴンから汚れが目立つ白色のドレスを見つけてきた。
「こちらはさるご令嬢がとあるお茶会にて盛大にお食事をかぶられまして……、その際に脱ぎ捨てられた物でして、汚れは全て落ちましたが色がどうしても落ちなくてですね、近々廃棄する予定だったものでして、黒染め程度でしたら可能ですが、本当にこちらでよろしいのですか?」
「うん、デザインは良いし問題は色だけど黒が一番似合うから染めればいいかなって、おk…いいかな?」
「まぁいいけど」
「じゃあ決まりね、それでどれくらいでできるの?」
「そうですね……、黒でしてたら明日には仕上がりますよ」
「そう、じゃあ明日にまたくるわ」
そういってユウキの腕を掴んで店から出て行った。
マキナの速足につられて屋敷に帰ってきた。
「汚れてたけど良い感じの見つけたね」
「……うーん、いろいろ妥協したんだよねぇ、私の記憶にある物は古いっちゃ古いし国も違うから合ってるかどうかわからないけど、なんか嫌だった」
「なにが嫌だった?」
「うまく言葉にできないんだけど、あんまりあのお店と関わりたくないなぁって思ったんだよね、まぁ今回だけだろうからさっさと済ませて出たかったの、あでもあのドレスは色はともかくデザインは本当に良いと思ったからね」
「そうなんだ……って待てよ、あと3日しかないのだからコッチに合わせる必要なくね?」
「ウッ……」
いきなりの指摘で素早く顔をそむけた。
「……なんでそんな反応するのかな?」
「い、いやぁ……」
「ちょっとレティさんに聞いてくるね」
「まってまって!!」
確か服装に関してはレティが指摘した事が発端でドレスを買いに行ったので、何故マキナが慌てだしたかも含めて聞きに行こうとすると、いつになく必死でユウキを引き留めようとする。
「レティさんの忙しさに乗じて何か吹き込んだな?」
「えっと、はい……」
「……うんまぁドレスとかは基本的に苦手っちゃあ苦手だけど必要なら着るしマキナが着て欲しいならこんどからちゃんと着るからさ、あんまり回りくどい事はしないようにね」
「……うん!」
「それはそうとレティに確認とるしギルド経由で確認とるからね」
「はーぃ……」
レティに確認をしてみるとそもそも忙しくて確認を怠って指摘した事を謝ってくれた、後日ギルドに確認を取ったが別にドレスを買う必要は無かった。
翌日にドレスを受け取りに行った、店員は本当に来たのかと驚いていたようだが一応は用意していたようでドレスとしては破格な安価になっていたのでありがたく購入しておいた。
手を加える必要があるけどお得になることありますよね




