追跡の必要性
「……アレ?」
馬車に追いつくと、馬車は動いておらず、馬車を引いている動物すらない、というか人の気配がない。
よく見ると奥に向かって血の跡が続いており、その跡を追跡しようとすると男性がうずくまっていた、どうやら血はその男性のようで怪我で動けないようだ、もちろんマキナを傷つけた人たちなので放置してさらに続いてる足跡を追う。
「貴女がマキナの友達かな?」
あまり時間が経過していないおかげですぐに追いつけた。
「……っまたぁ?!」
「うお?!」
いきなりユウキに炎を放ってきた、もちろん対処するが一気に懐に踏む混んで拳を入れてくる、さすがにそれは油断していたのでモロにくらってしまう。
「やりますね」
「そりゃどうも」
「相手が女だからって手加減しないから、私も女だし問題ないでしょ?」
ボクシングスタイルでユウキに向かう、目は完全に獲物を狩る目をしておりさっさと片付けるという気が感じられる。
「うん、問題ないよ」
所詮は人間が相手なので適当にあしらって無力化する、戦い慣れているようで少しだけ苦戦したが何とか無力化した、何度か攻撃を受けることになってしまったが大したダメージはなかった。
「いったいどこの部隊よ、こんなに強い人がいるなんで聞いてないわ!」
「いんや、ギルドの方だよ」
「はぁ?! ギルドに捜索される事なんかしてないわよ、依頼主は誰よ!?」
「今回は依頼じゃないですし」
口が悪いのでマキナと一緒に魔法少女をやっているのか疑問だが、最初に炎の攻撃を繰り出した事や身体的特徴が一部で一致しているので間違いはないだろう。
「じゃあ何なのよ?!」
「魔法少女やってたでしょ?」
そう言うと少女は驚きと共におとなしくなる。
「………何、私は化け物として差し出す気?」
先ほどとはうって変わって静かにユウキを睨む。
「はぁ、私も魔法少女やってたんだけど」
ユウキの事を全く信用していない姿に思わずため息が出て来た。
「ウソ、あの黒いのってアナタ?!」
「そう、それでマキナ…青色の子から貴女が攫われたから助けて欲しいって言われて飛んできたんだけど?」
「な、なーんだ、マキナちゃんの知り合いかぁ、もう逃げたりしないからコレ解いてくれない?」
「そのまま運ぶわ」
「へ? ひぁあ」
少女を担ぎ上げて回復しているマキナの所に戻る。
「そういえばあいつらって貴女の知り合いか何か?」
「あぁ、コイツらは私の所のどっかの傭兵かなんかでしょう、乱暴だったし乱暴してこようとしてたからボコボコにしてやったわ」
「あぁそう」
知り合いだったら軽く応急処置なんかするつもりでもあったが、その必要はなさそうだ。
魔法少女じゃなくても十分に強いようです




