喪失した影響
ギルドに到着すると中に人はいるものの全員が疲弊している様子だった。
「……あ、アーノイドさん、いらっしゃい」
職員の人たちも少しぼーっとしているようでユウキを認識するに少しだけ時間がかかったようだ。
「アーノイドさんは昨日のアレ平気だったのですか?」
「いやいや、たまたま調査で遠くにいた事と別の事に集中していたお陰ですよ、それでもしばらく本調子が出せそうにないです」
「ですねぇ、一応周辺の魔物や盗賊なんかも活動が鈍っているのである意味安全っちゃ安全なんですけどねぇ……」
「そうですねぇ、私なら何とか動けますけど、他の人たちはどうですか?」
「えっとですねぇ、戦闘関係は恐らく全滅かと思います、申し訳ないのですが有事の際はお願いします」
「わかりました、あそれから怪物の件は解決したと思われます、証拠が討伐の際に消滅してしまって証明できないのが残念な事ですが……」
「え……、あぁあのアレです、大丈夫ですよアーノイドさんが嘘を言うとは思いませんから、この1週間ほど来なければ完了という事にしましょう」
「そう言っていただければ助かります」
ギルドではあまり機能していないので簡単な書類だけ済ませてから後にする、状況が状況なのでそのまま食べられる食材を買って宿に戻る。
「ただいまーっていないのか」
戻ってみるとマキナが居なかった、もしかするとあの魔法少女の所に行ったのかもしれない、下手に刺激して敵対しても面倒なだけなのでマキナから何かしらのアクションがあるまで放置することにする、怪物の件は解決したのでもう魔法少女に変身する事はないだろうし別に気にしなくていいだろう。
「お母さん、助けて……」
「何があった?!」
買ってきた食料も食べ終わった頃に傷だらけでボロボロになったマキナが体を引きずって帰ってきた、それをみたユウキはすぐさま治療を施す、幸いにも傷は浅い物ばかりで骨折などは無く全身を複数個所打撲している、それと明らかに体力が大きく減っており、それが原因で前進に渡って怪我をしているようだ。
またフィアが周囲に及ぼした影響で戻ってくるまでに誰にも相手にされないまま帰ってきたのだろう。
「どこ?」
「南西、マークした……」
「OK、ゆっくりしてな」
「ん……」
こんな時は魔法があって本当に助かっている、もしなければ包帯を巻いて安置させるしかなかったので安心してベットに置いておける。
「さて、やるか」
マキナをこんな事にした者に容赦なんてする必要はない。
「まって……」
「大丈夫、すぐに帰ってくるからね」
「そうじゃなくて友達がいるの、同じ歳くらいの……」
「わかった、その子も助けてあげるから安静にね」
「うん……」
やる気や集中力が出ない時に無理に働くとロクな事にならないですよね




