え、黒いあの子は何者?!
(思ったよりも恥ずかしいなコレ)
こみ上げてくる羞恥心に少し笑いがこみ上げてくる。
「はー……っ?!、沈め!」
早々に身を隠したいために一瞬で終わらせようと攻撃をしようとすると無意識のうちにマジカルと言いかけてしまった、何とか抑える事に成功したが、これから攻撃をする時にはこういった事にも意識を割かないといけないので戦闘は難しくなるだろう。
何はともあれ一撃で怪物を切り裂けたので出てきたマジックポイントを回収してその場から急いで撤退する。
「強い…」
今目の前にいる怪物は明らかに今までの物よりも異質で、せっかくマキナちゃんと仲直りして改めて協力して行こうと約束した矢先だった、ラブリーボルケーノでも煤汚れを付ける程度でマキナちゃんの水牢獄も意味をなしてなかった。
「ねぇこれ以上の技は無いの?」
「そんなのこっちが知りたいっプ」
私達を魔法少女にしたこの変な生き物は自分達をいきなりひらひらな衣装に着せてよくわからない魔法攻撃を使えるようにしてそれであのよくわからない怪物と戦えだなんて、最初ははーとバーニングしか使えなかったけどそれだけでも十分な威力だったし、マジックポイントなる物を回収していくといつの間にかラブリーボルケーノが使えるようになってさらにマキナちゃんっていう新しいお友達ができた矢先なのに……。
これも私が好奇心で落ちてきた物に触れたせいだ、あの日から私の生活はめちゃくちゃだった。
「こうなったら2人の合体攻撃だっプ」
「合体って火と水だしそもそもマキナちゃんのは攻撃技じゃないよ!」
「マキナ、オマエ手を抜いているだろう、普通最初の攻撃技は全部【はーと】がつくっプ」
「え、そうなの」
私とマキナちゃんの2人しかこんな状態の人はいないから攻撃技もいろいろあると思っていたけどどうやら違うようだ。
「……だって恥ずかしいもん! でもこんな状況ならやるしかないよね」
変な生き物と一緒にマキナちゃんを見ているとついに白状した、うんその気持ちはわかる。
「うん、やろう!」
「「はーと」」
「沈め!」
2人で呼吸を合わせて向かい合った瞬間に黒色の女の子が怪物を一撃で仕留めていた、ひらひらした服装から自分達と同じ状態なのだろうが、何故か顔を隠す不気味な仮面をしており、そこから少し見える口元は大きく吊り上がっており笑っているようだった。
「あ、まって……」
あっけにとられていると黒い女の子はマジックポイントを乱暴に掴んでどこかに飛んで行ってしまった。
「あの子はいったい……」
羞恥心が勝ってしまって力んでしまう事ってありますよね。
黒い女の子、いったい何者なんだ。




