周りこむまでも無かった
「そんな訳で依頼書達だ」
レティが大きな紙の束を高く積み上げる。
「え、これ全部私宛の依頼書?」
「あぁそうだ、まだ仕分け前になるがな、もっともお前に本当にやってもらうのはなかなか無いがな」
「はえー……」
試しに1枚とってみると行商の護衛依頼だった、しかも距離がかなり長くて経路次第では年単位かかる物だ、しかし特に危険な所を通る感じもなく、ユウキがいると過剰戦力だし持て余してしまうように見える、つまりユウキとお近づきになりたいのだろう、依頼主も初めて見るような人でお金だけは積んで何とかしようとしたいのだろう。
「コレは没でしょう」
「そりゃあな、コレは吹っ掛けて取り下げもらうやつだな、まこんなのがほとんどでお前が出るまでもない物だな」
「てかコレっていつぐらいからこんなに来てたの?」
「お前が学校いった直後あたりだな、年々増えてしまってコレを追い返すので人手が足りないんだよ」
「なんか、ごめん……」
「そんな訳で今後はドリーンをコレに有効活用させてもらうよ」
「あ、そのポジションなのね」
「そりゃあ普通の仕事は事情抜きにしても年齢的に任せられないからな、それにこんなに量があるから1日やそこらで終わる訳がないんだよ、じっくり厳選させるさ……、そんな訳でコレが厳選した依頼だ」
「どんな訳だよ……」
レティから受け取った依頼書を見る、そうやら調査依頼のようだ。
「いつもなら突き返すか、他の空いている人に任せる物なんだが、生憎人が出払っててな、丁度良いし行ってこい」
「へーい」
適当に受け取った依頼を改めて確認してみると、恐らく隕石か何かの調査だろう、しかしこの世界では空から何かが落ちてくるのはかなり珍しく、隕石と言われてもピンとこない人が多い程で、謎の現象扱いなのだ、そこでユウキに白羽の矢が立ったのだろう、ついでに空から何か落ちてくる系の逸話とかも無い。
「まぁ、とりあえずマキナも連れて行こう……」
場所もそこそこ遠かったのでマキナも連れて行くことにした。
「丁度よかったじゃん、ついでにがっつり観光していこうよ」
「あーそうだね」
終の住処にはまだまだならないが次の住処の候補として考えておく必要はあるだろう、とりあえず現状はギルドで馬車馬のごとく働くのはイヤなので、このまま学校生活を満喫していくとしよう。
もはや辞められると困る人材になってしまったようです。




