親戚付き合い
「ここが私の部屋ですわ」
ドリーンが自慢げに部屋を紹介する、中にある家具類には原型がなくなるほどにフリフリが装飾してあり床も足首まで埋まるほどのふかふかのカーペットが敷かれており、彼女の好みが見えてくる。
「今更でごめんなさい、貴女はユウキ・フェイシアで間違いないですよね?」
「本当に今更じゃん、いやまぁ本人だけどさ」
「よかったぁ、あまりにも似た波長と見た目でしたので勢いのまま連れてきましたが、もし間違えてしまっていたらどうしようって、もしかして取り返しのつかない事をしたんじゃないかって思ってましたが、私の感は間違っていなかったんですね」
「そ、そうだね」
「失礼します、旦那様は今席を離れる事ができないようです、ですので晩御飯の際にお願いいたします」
「そう、わかったわ」
ドリーンのテンションが上がりきっている時に使用人が入ってきたので一気に冷めてしまったようだ。
「そういや屋敷にあった物とかってどうなったの?」
「荷物などは確かこちらで使う物だけ確保して後は大体売却されたって聞きましたよ、まさかその荷物を取りにきたのですか?」
「いやいや、気まぐれ、という訳でもないんだ」
「じゃあなんで今更きたの?」
「そりゃあギルドの依頼で近くに来たんだよ、内容は機密だから離せないよ」
「まぁ、もう仕事をしているのですか、私なんかまだ学校に通っているのに……、そういえばギルドカード?というの見せて欲しいです!」
「それならいいよ」
ギルドカードなら問題無いので懐から取り出してみせる、依頼書も一緒に出しそうになったのでそれを引っ込めてカードだけを見せる、ギルドカードだけなら最悪紛失しても注意される程度なので見せる。
「……へーすごいですわね」
受け取って眺めてみるがよくわからなかったようで適当に返事をして返してくれた。
「それじゃあこちらから聞きたいことがあるので聞いてもいいですか?」
「いいよ、答えられる範囲でなんでも答えるよ」
「ありがとうございます、では……」
「お嬢様、ユウキ様、晩御飯の用意ができましたので食堂までお願いいたします」
あれから適当に受け答えを繰り返しているとすっかり夜になったようだ。
「あらもうこんな時間、刺激的で楽しい時間でした」
「そう思っていただけて良かった」
「それでは食堂に向かいましょう、こっちです」
ドリーンに手を引かれて食堂に向かう。
「君がユウキ君だね、このような姿で申し訳ないね」
「いえ……」
食堂の上座に座っている男性は鉄製の仮面を付けていた。
勢い余って重要な物を出しかける事ってありますよね




